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左から中村獅童、市川亀治郎、片岡愛之助


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長年親しまれながら、また、若手の修行の場としての役割も果たし続ける「三越歌舞伎」。今年は“三越100年”にふさわしく、いつにも増して豪華な顔ぶれがそろった。女形のホープで自主公演「亀治郎の会」などにも力を入れる市川亀治郎、歌舞伎だけでなく、TVドラマや映画でも大活躍の中村獅童、そして上方歌舞伎界からは片岡愛之助。演目は、義太夫狂言の名作『双蝶々曲輪日記 角力場(ふたつちょうちょうくるわにっき すもうば)』と、「知らざあ言って聞かせやしょう〜」の名ぜりふでおなじみ、黙阿弥の世話物の傑作『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』。黒いスーツに身を包み、引き締まった表情で会場に現れた3人は、記念すべき公演へ向けて、それぞれに意気込みを語った。

今年の「新春浅草歌舞伎」にひき続き、『弁天〜』で弁天小僧菊之助に挑む亀治郎。「弁天小僧は、唯一、伯父(市川猿之助)から直に丁寧に教わった思い入れの深い役。前回は、松竹の稽古場や舞台稽古はもちろん、初日が開いてからもビデオを送って電話で指導を受けました。まるで授業のようでした。もともとは音羽屋さんのお家の芸ですが、伯父の弁天は亡くなった守田勘彌さんの系統の弁天で、あとは中村屋さんの解釈なども取り入れて、それらのミックス型というか、ちょっと違った弁天をお見せできればと思います。(武家のお嬢様にふんした弁天小僧とともに呉服屋に入り、金をせしめようとする南郷力丸役の)獅童さんとは、浅草歌舞伎で何度も御一緒しているので、そこで培ったものや普段の仲のよさを、芝居の場で生かしたいです」
愛之助は『双蝶々〜』で、素人相撲の強腕・放駒長吉と若旦那・山崎与五郎という対照的な2役を演じる。なかでも和事の与五郎では、上方歌舞伎の次代を担う愛之助への周囲の期待は大きい。「角力場は、父(片岡秀太郎)に習おうと思っています。祖父の十三代目片岡仁左衛門が、上方(大阪)で何度も務めていて、父は祖父についていた時間が長かったんです。三越劇場は初めてですが、実は何度か客席から拝見していて、素敵な芝居小屋という感じがして大好きでした。『出してください』とお願いしていて、今回、ようやく念願が叶いました(笑)」
今回初登場の亀治郎、愛之助とは異なり、三越歌舞伎は2度目となる獅童。浅草歌舞伎の稽古の時点で、獅童を見た中村勘九郎らが「(角力場の)濡髪をやったら立派だろうな」と話していたという。「今年の歌舞伎は、浅草歌舞伎以来ということになりますが、亀治郎さんとは『別のところでも一緒にやりたいね』と常々話してましたので、実現できてとてもうれしく思います。若手公演なので、いままで歌舞伎になじみのなかった若い方々にもお越しいただいて、この身近な劇場で、歌舞伎も身近に感じていただければ」
「生意気、負けん気、向こう見ず……。そんな自分と弁天小僧の役柄を重ね合わせられたら」(亀治郎)、「将来は少しでも和事の合う役者になりたいと思っていますが、(『弁天〜』の)日本駄右衛門では大きさも出したい」(愛之助)、「今年は歌舞伎の舞台が少ないですが、一生のうちでそんな時期があってもいいと思ってます。とにかく、観てくださるお客様に楽しんでもらえたらいいですね」(獅童)。そんな3人3様の個性がぶつかって散った火花は、大きな花火となって、三越劇場に大輪の花を咲かせることだろう。
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公演データ
2004.10/6[水]− 26[火]
三越劇場
CAST 市川亀治郎/片岡愛之助/中村獅童/坂東亀寿/尾上松也 ほか


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