Theater Guide Online/WATCH FOR!


宮本亜門演出『太平洋序曲』、NYで開幕 2004.12.05

 宮本亜門の演出による『太平洋序曲』(作曲・作詞=スティーヴン・ソンドハイム、脚本=ジョン・ワイドマン)が、アメリカ東部標準時間の12月2日・夜8時に、ニューヨークはブロードウェイのスタジオ54で初日を迎えた。新国立劇場での日本語版初演(2000年)、同プロダクションのニューヨーク&ワシントン公演(02年)を経て、新たにアジア系アメリカ人を中心とする俳優たちをキャスティングして立ち上げられた今回の『太平洋序曲』(オリジナル英語版)。これはもちろん、宮本にとってのブロードウェイ演出家デビュー作で、同時に“日本国籍の演出家が手がけるブロードウェイ史上初の公演”としても記録に残ることになる。

 翌朝にはブロードウェイの通例どおり、地元の新聞各紙が一斉に劇評を掲載。演劇界に対する影響力はもっとも強いと言われるニューヨーク・タイムズ紙の劇評家ベン・ブラントリーは、冒頭で「今こそ、日本人演出家アモン・ミヤモトがアメリカを──あるいは少なくとも、ブロードウェイと呼ばれる狭いながらも非常に輝きに満ちたアメリカの一部を──征服した、との声明を発表する正当な瞬間である」としながら、彼自身も観劇し、高い評価を寄せた新国立劇場版のニューヨーク公演と比較すると、「再翻訳の過程で何かが確実に抜け落ちてしまった」、また「…舞台上には、自信の不確かさを感じさせるオーラが漂っている」とも指摘した。(余談だが彼は文中で、『太平洋〜』初演時(76年)の装置家ボリス・アロンゾンの名を、別の装置家ユージーン・リーと間違えるというミスを犯している。)

 このほかには、「(異文化の出合いを題材にした『太平洋〜』のリバイバル版として)これまでにないほどしっくりと来る」(ニュース・デイ誌/リンダ・ワイナー)、「ナレーター役のB・D・ウォンは、威風堂々さには欠けるが、観客を魅了している」(ニューヨーク・デイリー・ニュース誌/ハワード・キッセル)、「問題は…ジョン・ワイドマンによる魅力的だが難解な“本”が、ソンドハイムの曲と詞によって精巧にデザインされた“ブックケース”に対して重すぎるという点にある」(ニューヨーク・ポスト紙/クライヴ・バーンズ)など、実にさまざまな劇評が出ている。

 限定公演として開幕した『太平洋〜』は、1月30日まで上演される予定。


公式サイト
ラウンドアバウト・シアター・カンパニー=
http://www.roundabouttheatre.org/
ニューヨーク・デイリー・ニュース劇評=
http://www.nydailynews.com/entertainment/story/258327p-221270c.html
ニューヨーク・ポスト劇評=
http://www.nypost.com/seven/12032004/entertainment/32315.htm


過去の記事
WATCH FOR![『太平洋序曲』ブロードウェイ公演制作発表]





< 戻る  < 記事一覧





Copyright (C) 2000 Theater Guide. All Rights Reserved. ご意見・ご感想はinfo@theaterguide.co.jpまで
UP

Theater Guide Online