【フランスに旅立った小野寺修二(おのでらん)がつづる「日々不条理日記」】 - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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シアターガイド×アーティスト シリーズ vol2

フランスに旅立った小野寺修二(おのでらん)がつづる

日々不条理日記

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写真/2月某日...その3

女に電話をかける。と思ったら男が出た。しかも土地の言葉である。全く予期しないカードを突きつけられ、真っ白になる。目の前にぶら下がる紐を当てずっぽうに引っ張る。むやみに引いた割に、まっとうな受け答えが出る。私は勢いづき、余裕のていで次の返事を待つ。だが、ない。返事がない。急にいろいろな可能性が頭を過り、言葉を続けることをやめる。沈黙。私は相手に次の展開を預ける。だがその目論見は失敗し、電話を切る。深いため息の後、再び電話をかける。

3コール待たされた後、不機嫌な女が出る。沈黙の中に苛立ちと蔑みが同居する。だが私は女が出たことで少し弾み、無計画にことを進めようとする。言葉を探す。「今からどうだろう」「今、何時なの?」時計を見ると午後2時だった。「それは無理でしょう」女はとがめるような声で言う。私はよどまず次の候補日を口にする。「明日の4時は」ちょっと考えた後、女は言う。「お茶と食事の間ということね」

意味深に含んだ笑いを残し、女は電話を切る。

プロフィール

小野寺修二
(おのでら・しゅうじ)

小野寺修二プロフィール画像

北海道生まれ。学生時代から演劇活動を始める。

3年間の社会人生活を経た後、日本マイム研究所に入所。独自のマイムを目指して、95年に、同研究所で出会ったメンバーとともに「水と油」を結成。

メンバーそれぞれのキャラクターと、何気ないマイムのコンビネーションで断片的なシーンを重ね、ダンスのようなリ ズム感と喜劇のようなユーモアを合わせ持ったユニークな作風が、大きな反響を得る。創作過程では、主にシーンの物語部分を担当。

発表する新作が常に高い評価を得ていたが、06年3月に「水と油」の活動を休止。現在、文化庁の「新進芸術家海外留学制度」の支援を受け、フランス・パリで修行中。