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シアターガイド×アーティスト シリーズ Vol.5

地球は舞台!世界一周中のイシコがつづる見物記

セカイ・ゲキジョウ―The World is a theater―

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写真/カトマンズで見た大道芸の様子

カトマンズは深刻な電力不足である。1日のうち、5,6時間は停電があるのだそうだ。そんな国事情では照明を使っての演劇は無理な話なのかもしれない。だとしたら昼間の野外劇場を狙ってみようと思い、ホテルのコンシェルジュに聞いてみるが、演劇という言葉さえ、久しく聞かないようなことを言う。

こうなったら出会うしかない。公園にある立派な屋外劇場を毎日の散歩コースに入れた。ビザの問題で結局、10日程、カトマンズにいるのだが演劇やパフォーマンスの気配は全くない。せいぜい男同志が手をつないで舞台の上で語り合っているくらいである。手をつなぐといっても、ゲイではない。ネパールでは仲がいい男性は手をつなぐのだ。

写真/カトマンズの大道芸人

それはともかく、その近くの場所で人だかりができていた。どうやら大道芸を始めたようである。人混みをかきわけ、一番、前の席でしゃがみ撮影を始めた。写真を嫌がる大道芸人もいるが彼はダメとは言わなかった。目の前にはトランクが2つ。きっとマジックのネタがつまっている。最初はマッチ箱の中身を消すマジックである。客にマッチ箱の中に物を入れさせ、それを消すのだろう。それにしてもよくしゃべる。言葉はわからないが、噛むことなくしゃべり続けるところを見ると、かなりの熟練者のようだ。僕も以前、子供ショーをやっていたので、少しだけマジックをかじったことがある。マジックは技術も大切だが、しゃべりでいかに見せるかの方が大切な要素だと教えてもらった。彼は客いじりも交え、完全に彼のペースで巻き込んでいく。

そろそろマッチ箱マジックのフィニッシュかと思いきや、マッチ箱を客の前に置き、消えるところを見せないまま、次のトランプのマジックに移った。マッチ箱の中身が気になってしょうがない。しかし、そんなこととはおかまいなしに客に一枚ひかせ、自分のトランプの束の中に戻して当てるという古典的なマジックを続ける。このマジックも最後までやらない。「たぶん、これだな?」と1枚ひいて、客に見せないまま、マッチ箱の隣に置いた。ショーの最後に全てのマジックのフィニッシュを一気に見せるのかもしれない。

とそのときである。この続きは健康食品を買ってからみたいな口上(だと思う)が始まった。トランクの中身はネタではなく、健康食品だったのである。ここからは写真を撮ったらダメ!的に僕に注意した。

「撮らないよ。というか売れないだろ!」
と突っ込みたくなったが、これが飛ぶように売れるのである。1,2分でほとんどなくなってしまった。マジックのフィニッシュ?ありませんでした。ある意味、新しい大道芸である。

イシコのあしあと

• 今回訪れたのは、[ネパール]カトマンズです。


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プロフィール

イシコ
(本名:石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科を卒業後、女性ファッション誌編集長、ウェブマガジン編集長を経て、ホワイトマンプロジェクトを始動。代表を務める本人はもちろん、さまざまな分野で活動する友達たちとともに、白塗りをして、国内外を問わず、子ども向けのショーから地球温暖化防止活動の冊子や映像制作、ワークショップまで、幅広くさまざまなコンテンツづくりに取り組んでいる。本業のライターやブロガーとしては「散歩の達人」(交通新聞社)、「verita」(カフェグルーヴ)などの連載、1カ月ブログシリーズ「スーパーサイズミー(寿司編)」、「カンヌ映画祭ブログ」などがある。「古本カタログ」(晶文社)の中に収録されたコラムは2004年の広島県立大学の入試問題に出題されている。

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