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シアターガイド×アーティスト シリーズ Vol.5

地球は舞台!世界一周中のイシコがつづる見物記

セカイ・ゲキジョウ―The World is a theater―

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写真/掲示板に貼られていた女性3人組のポスター

青年海外協力隊の南米駐在員は治安の問題から、リマを旅行することが禁止されているそうだ。確かにこの街は治安の悪い匂いはするが演劇の匂いはしない。僕がたまたま辿り着いていないだけかもしれないが、エンターテインメントを楽しむ匂いさえないのである。映画館でハリウッド映画を観たが観客は僕を含めて3人だった。

演劇の匂いに辿り着くことができないままリマ滞在最終日を迎えた。半ばあきらめながら、セントロ(旧市街)にある美術館をぶらぶらしていると別棟に何やら劇場らしきものが見える。人の気配どころか使われている気配も危うい感じだが外の掲示板に女性3人組のポスターが貼られている。ポスターの日付を見ると本日、初日である。見つめていると警備のおじさんが話しかけてきた。スペイン語は全くわからないが、「ミラフローレンス」という新市街の地名だけが聞き取れた。恐らく、この劇場ではなく「ミラフローレンス」にある劇場だよと教えてくれているのだろう。

さて、旧市街から新市街までどう行くか。この街の交通手段はタクシーかバスしかない。一番、確実なのはタクシーだろう。しかし、スペイン語は5までしか数えられない僕には運転手と値段交渉ができない。知人の娘は2歳で10まで数えられるというのに情けない話である。

写真/ミラフローレンスにある寂しげな劇場

仕方なくミラフローレンスと書かれた新市街行きのバスに乗る。ミラフローレンスと一言で言っても幅広い。土地勘もわからず新宿方面のバスに乗り、小劇場のタイニイ・アイリスを探すようなものである。とりあえず見たことのある景色で降り、公園内にあるインフォメーションでメモに書いた劇場名を見せ、何とか劇場のある通りまでは辿り着いた。しかし、劇場が見つからない。同じ通りを3回往復して、ようやく不動産屋とインターネットカフェが入った建物の奥にある寂しげな劇場を見つけた。

受付で言われたように8時の開演ギリギリまでカフェで時間をつぶしてから劇場に戻り、入場料20ソル(約700円)支払う。昔の映画館に入るように黒いカーテンをくぐると少々、カビ臭い劇場が現れた。100名程度の客席には中年の男性2人と若いカップル数組と危うく僕のスペイン語でも数えられそうな客の数である。

ファッションショーの楽屋話で舞台美術もポップアートのような感覚で言葉はわからなくとも楽しめたのだが、客が少ないため、どこか寂しさだけが残る芝居に思えた。しかし、ようやく観劇できた満足感と、いつかリマに演劇が流行る時代が来ることを想像しながら帰路につくのであった。帰り? もちろんバスである。

イシコのあしあと

• 今回訪れたのは、[ペルー]リマです。


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プロフィール

イシコ
(本名:石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科を卒業後、女性ファッション誌編集長、ウェブマガジン編集長を経て、ホワイトマンプロジェクトを始動。代表を務める本人はもちろん、さまざまな分野で活動する友達たちとともに、白塗りをして、国内外を問わず、子ども向けのショーから地球温暖化防止活動の冊子や映像制作、ワークショップまで、幅広くさまざまなコンテンツづくりに取り組んでいる。本業のライターやブロガーとしては「散歩の達人」(交通新聞社)、「verita」(カフェグルーヴ)などの連載、1カ月ブログシリーズ「スーパーサイズミー(寿司編)」、「カンヌ映画祭ブログ」などがある。「古本カタログ」(晶文社)の中に収録されたコラムは2004年の広島県立大学の入試問題に出題されている。

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