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シアターガイド×アーティスト シリーズ Vol.5

地球は舞台!世界一周中のイシコがつづる見物記

セカイ・ゲキジョウ―The World is a theater―

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写真/ウルグアイにあるソリス劇場

まさか芝居にまでストライキが影響するとは思わなかった。開演の午後9時に合わせ、ソリス劇場にやってきたが入口で本日の公演は中止だと言われた。正確には公演準備はできているが、市役所に勤めている人たちがストライキ中のため、会場が使えないのだそうだ。

2日前、ボックスオフィスへチケットを買いに訪れたときには、そんな気配は全くなかった。80ウルグアイペソ(約450円)という安さに驚き、その上、係員から無料の劇場案内ツアーまで誘っていただき、劇場の待遇の良さに感動したばかりだった。その時の劇場案内のおすそわけを少ししておこう。南米と言えば20世紀初頭に建てられた世界三大劇場の一つコロン劇場があるが、ソリス劇場はそれよりも古く、19世紀中頃に建てられ、南米最古の劇場と言われている。大理石をふんだんに使い、こけら落としの前には軍人たちの行進を場内で行い、劇場の強度を確かめたという逸話も残っている。収容人数は約1250名。公演があるときには劇場の屋根についているランプが赤く灯る。

そのランプが灯っていなかったのである。毛皮を羽織り(ウルグアイは現在、冬なのです)、きれいに化粧をした車椅子のおばあちゃんも僕と同じようにストライキを知らなかった。隣のボックスオフィスで僕は翌日のチケットに交換してもらったが、おばあちゃんは払い戻してもらっていた。きっと、明日もここまでお洒落することは、彼女にとって、かなりの重労働なのだろう。何だか切ない気持ちになりながら劇場を後にした。

写真/ソラス劇場の内部

翌日、通訳でお世話になっているカブレラさんにストライキで芝居が観られなかった旨を話すと「えっ? 芝居も中止ですか? クラシックコンサートが中止になったのはテレビのニュースで知ったのですが……。時々、市役所の彼らはやるんです。ホント、よくないです!」穏やかな彼が珍しく怒っていた。公務員のストの目的は給料アップ。しかし、一般市民に比べると、いい月給をもらっている為、かなりの反感をかっているそうだ。そしてコンサートや芝居の時を狙ってストライキを起こす。それは海外からやってきた芝居だろうが関係ない。実際、スペインから招聘した芝居がストライキで3日間の公演予定を2日間に短縮されたことがあるそうだ。

その晩、ドキドキしながら劇場に向かった。ストライキは終わり、劇場の赤いランプが灯っているのを見て胸を撫で下ろした。何事もなかったかのように始まった1日遅れの舞台はメキシコ人作家の芝居だった。スペイン語のストーリーは全くわからなかったのだが、ひとつひとつの演出が美しく、まるで絵画を観ているようだった。

イシコのあしあと

• 今回訪れたのは、[ウルグアイ]モンテビデオです。


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プロフィール

イシコ
(本名:石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科を卒業後、女性ファッション誌編集長、ウェブマガジン編集長を経て、ホワイトマンプロジェクトを始動。代表を務める本人はもちろん、さまざまな分野で活動する友達たちとともに、白塗りをして、国内外を問わず、子ども向けのショーから地球温暖化防止活動の冊子や映像制作、ワークショップまで、幅広くさまざまなコンテンツづくりに取り組んでいる。本業のライターやブロガーとしては「散歩の達人」(交通新聞社)、「verita」(カフェグルーヴ)などの連載、1カ月ブログシリーズ「スーパーサイズミー(寿司編)」、「カンヌ映画祭ブログ」などがある。「古本カタログ」(晶文社)の中に収録されたコラムは2004年の広島県立大学の入試問題に出題されている。

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