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シアターガイド×アーティスト シリーズ Vol.5

地球は舞台!世界一周中のイシコがつづる見物記

セカイ・ゲキジョウ―The World is a theater―

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写真/メキシコシティにある劇場の外観その1

パラパラめくっていた雑誌にチャイナドレスを着て舞台に立つメキシコ人の俳優たちが掲載されていた。どこか日本人が金髪のカツラをかぶって洋物芝居を演じる姿に通じるものを感じ、さっそく彼らが公演する場所をメキシコ在住の日本人に確認してもらって劇場へと向かった。チケット売り場で150メキシコペソ(約1,650円)を支払い、何事もなくチケットを購入する。開演の8時まで、まだ時間があるので……。あれ? 別のチケット売り場が見えた。何の疑いもなく買った自分のチケットを見る。「ダンス」という文字が書かれている。どうやらというか確実に間違えて購入したようである。改めて劇場の周囲を歩くと、この敷地内には3つの小さな劇場があった。というわけで、この街では2本の舞台を観ることにする。

間違えて購入したダンスシアターには、子供から老人まで幅広い客層が150名ほど集まっていた。舞台上では上半身を動かさないで足をタップのように踏み鳴らすダンスから始まった。顔と洋服をメキシカンに変えたリバーダンス(アイリッシュ・ステップダンス)のようにも見える。剣を両手に持ち、刃の部分を当てて火花を散らせながら踊ったり、水に入れたコップを頭に乗せて踊ったりと曲芸のような技へと次第に移っていく。後から聞いたところによるとこれらはメキシコ南部の伝統的な踊りであるらしい。なかなか見応えのあるダンスであった。

写真/メキシコシティにある劇場の外観その2

さて、翌日、今度は劇場を確認してからチケットを購入する。100名程度の客席は昨日とは全く客層が違い、芝居にうるさそうな少し年配の客が多い。開演するまでロビーの売店で買ったチュッパチャップスを舐めながら、読めないスペイン語のチラシを眺めていると初老のおじ様がスペイン語で話しかけてきた。スペイン語は話せませんとたどたどしい英語で言うと彼は英語に切り替え、「わからない言葉の芝居を観て、内容は理解できるのか?」と聞いてきた。

「衣裳に興味があるんです」

と言うと彼はもの凄く感心していた。しかし、僕が言ったことは嘘で、本当は、それ以外の英語の表現が思い浮かばなかっただけである。言ってしまった手前、舞台の衣裳に注目して観始めた。女装している大柄の男性が持っている扇子には「萌」の文字が入っている。「オタク」と同様、「萌え」も世界共通語になっていくのだろうか。いや、待てよ。「萌え」というのは日本語ではないのだろうか。その前に扇子というのは衣裳ではなく、小道具になるのではなるだろうか。こうして芝居に集中できず、ただでさえわからない内容は更にわからなくなっていくのであった。

イシコのあしあと

• 今回訪れたのは、[メキシコ]メキシコシティです。


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プロフィール

イシコ
(本名:石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科を卒業後、女性ファッション誌編集長、ウェブマガジン編集長を経て、ホワイトマンプロジェクトを始動。代表を務める本人はもちろん、さまざまな分野で活動する友達たちとともに、白塗りをして、国内外を問わず、子ども向けのショーから地球温暖化防止活動の冊子や映像制作、ワークショップまで、幅広くさまざまなコンテンツづくりに取り組んでいる。本業のライターやブロガーとしては「散歩の達人」(交通新聞社)、「verita」(カフェグルーヴ)などの連載、1カ月ブログシリーズ「スーパーサイズミー(寿司編)」、「カンヌ映画祭ブログ」などがある。「古本カタログ」(晶文社)の中に収録されたコラムは2004年の広島県立大学の入試問題に出題されている。

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