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シアターガイド×アーティスト シリーズ Vol.5

地球は舞台!世界一周中のイシコがつづる見物記

セカイ・ゲキジョウ―The World is a theater―

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写真/ヤンゴンで観た蛇使いのショー

ミャンマーにはザッブエと呼ばれる演劇がある。歌あり踊りあり芝居ありのいわゆる日本でいう大衆演劇のような感じらしい。ただ違う点が二つある。ひとつは野外の広場で行われるということ。よって乾季になるちょうど11月頭、つまり、これからの季節が本番となる。そして、もうひとつの違いは一公演が異常に長い。夜始まって終わるのは朝。つまり夜通し公演なのである。気合を入れ、出発直前、ミャンマー在住の日本人にスケジュールを調べてもらった。ヤンゴンに到着した晩、すぐに会うがヤンゴンではまだ観られないそうですと残念そうに彼女は言った。現在、マンダレイというミャンマー第二の都市で公演しているのだそうだ。ザッブエの劇団はいくつかあるが、どこも基本的にパゴダ(ミャンマー式の仏塔)でのお祭りに合わせてやってくるので、そこから考えるとヤンゴン公演は約3週間後。そのころ、僕は別の国に移っている。つまり観られない。その晩、煽るようにミャンマーウィスキーを飲んだ。

翌日、目標をなくした僕は二日酔いのまま観光客化してパゴダに出掛けた。ミャンマーの演劇が観られますようにと仏像にお祈りし、仏像の前の涼しい部屋で昼寝を貪ってから、パヤーを出ると近くの歩道橋の麓に人だかりができている。人の輪の隙間から覗きこむと、一瞬、蛇が見えた。

写真/蛇使いのベビ

「おっ? 蛇使い?」

急にテンションが上がった。実は蛇使いを生で見たことがなかったのである。漫画やアニメで見たことのある壺ではなく、四角い箱に蛇が入っているようだ。2匹のコブラが立つように出てきた。笛を吹いて誘導するのではなく、単に箱を叩き、コブラの頭を直接、叩くだけである。コブラは喉元に独特の膨らみを見せ、叩く彼を威嚇する。この芸は最後をどうやって締めくくるのかが気になる。もう一人が出てきて蛇の前に座った。黒い布で目を覆うと静かに話し始めた。しばらくすると何かに取り憑かれたように別人格になってしゃべり始めた。言葉はミャンマー語なので全くわからない。熱い一人芝居を観ているようで面白かった。しかし、何やら周りの空気は変わり始めている。知らない間に蛇は箱の中に収められ蓋が閉まっている。客のおばあちゃんやおじさんが周囲のスタッフに何やら伝え、スタッフはそれをメモし、目隠しした演技者に伝える。すると彼は目隠しのまま、そしてしゃべり続けながら、紙に暗号のような数字や記号を書く。おばあちゃんは納得したように、その紙をもらって離れていく。不思議なことに続々と彼の後ろにお金が並べられていく。イタコ? 蛇はどうやら儀式に必要な道具だった。翌日も、またその翌日も別の場所で彼らのショーを見た。僕はこれをイタコショーと呼んだ。

イシコのあしあと

• 今回訪れたのは、[ミャンマー]ヤンゴンです。


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プロフィール

イシコ
(本名:石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科を卒業後、女性ファッション誌編集長、ウェブマガジン編集長を経て、ホワイトマンプロジェクトを始動。代表を務める本人はもちろん、さまざまな分野で活動する友達たちとともに、白塗りをして、国内外を問わず、子ども向けのショーから地球温暖化防止活動の冊子や映像制作、ワークショップまで、幅広くさまざまなコンテンツづくりに取り組んでいる。本業のライターやブロガーとしては「散歩の達人」(交通新聞社)、「verita」(カフェグルーヴ)などの連載、1カ月ブログシリーズ「スーパーサイズミー(寿司編)」、「カンヌ映画祭ブログ」などがある。「古本カタログ」(晶文社)の中に収録されたコラムは2004年の広島県立大学の入試問題に出題されている。

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