ヨーロッパ企画・諏訪の「ミュージカル道」- 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
サイト内検索
すべて|
公演名|
人名・劇団名|
劇場|
演劇ニュース
様々な条件で検索
こだわり検索
注目キーワード

特集ページ

シアターガイド×アーティスト シリーズ Vol.9

ヨーロッパ企画・諏訪の

ミュージカル道

昨年末に公開された映画版「レ・ミゼラブル」の大ヒットを受けて、巷ではミュージカル人気が高まっているのだとか。 そんな噂を知ってか知らずか、ヨーロッパ企画の諏訪雅が、突如ミュージカルをつくることに! とはいっても、諏訪自身にとってもミュージカル制作は初体験。そこに一から挑戦することになり……。

どうも、ミュージカルをつくることになった……、なってしまいそうなヨーロッパ企画の諏訪です。なんでそんなことになったかというと、発端は今年の春。「そういえば自主公演ってやったことないなあ」とぼんやり思っていた矢先、何の気なしに駅前劇場の方に、「例えば来年3月に、僕が劇場を借りられたりするものですか?」と聞いてしまったのがすべての始まり。トントン拍子で話が進み、なぜか駅前劇場で公演を打つことになってしまったのです。
しかも、「どうせやるなら、やったことないことをやってみたら」と周囲にノせられて(!!)、なんとオリジナル・ミュージカルをつくることに!
そんなわけで、来年の3月までの間、毎月ドキュメンタリー連載していきますので、どうぞよろしくお願いします。といっても、単にミュージカルを作るドキュメンタリーではなく、ミュージカル作りをあきらめるドキュメンタリーかもしれないんで、どうなるか心して読んでください。

ということで、とりあえず前向きなのか後ろ向きなのか、僕の自主性は一旦置いといて、僕のスケジュールの方が埋まってしまっていれば、この企画、進めるわけにはいかないので、さっそくマネージャーの吉田さんに電話。

「吉田さん、なんか来年の3月にミュージカルをやることになりそうなんですが、その時期ってスケジュール的にどうですかねえ?なんか仕事とか決まってたりします?」
「いや、諏訪くんは、その時期は特になんもないなあ」
「あ、ないですか? 空いてる感じですか?」
「そうやなあ、空いてるなあ」
「あー、なるほど。……空いてると」
「うん、空いてるなあ」

空いてた。
普通に空いてた。
考えてみたら1年先のスケジュールが埋まることなんてかつてなかった。
でも制作がいなければ公演も成り立たないしなあと思い、ヨーロッパ企画で制作をやってる井神さんに、それとなくきいてみる。

「今度ミュージカルをやってみようかと思ってるですけど……」
「いいじゃーん。おもしろそーじゃーん。やりなよー」
「いや、でも制作なんですけど……」
「(ノリノリで)やるやるー」

……ほうほう。
……なるほど。
外堀をほぼ自分で埋めてしまったなあ。
やるかやらんか、僕の気持ちひとつなんか。

ここでじゃあ僕がどういった気持ちでいるかを吐露させてもらう。
ミュージカル界といえば、そりゃもうとても厳しい世界だというイメージ、まったく素人の僕がぼんやりミュージカルに手を出して、すげえ怒られたりしたらどうしよう。どれくらい怒られるかの予測もつかないし、どの角度で怒られるのかも分からない。「ミュージカル界を汚すな!」なのか「表現をナメんな!」なのか「不謹慎だ!」なのか「豚!」なのか。ミュージカルという華やかな舞台の裏側にある血みどろの世界。暗闇の中に光る幾多もの目。
ミュージカル界こわすぎる。”ミュージカル界”という名の怪物。その怪物感さえ無ければなー。
たとえば僕の作るミュージカルが、ミュージカル界に見つからずひっそり公演できる環境だったとしたら、それはもう全然やりたいくらいなんだけど、2013年情報社会、クラウドコンピューティング、ミュージカル界がグーグルを駆使して”ミュージカル界”と検索すれば、このページ、僕の存在、僕のミュージカルに対する恐怖心と好奇心、すべて見つかること必至、すぐさまミュージカル界からサイバー攻撃を受けてこのページもろとも僕の精神も木っ端微塵にされてしまうんだろうなあ。ああこわい。なんで僕は浅利慶太じゃないんだろう。

ぐんぐん芽生えてくる恐怖心を抑えつつ、とりあえず僕は、昨年からヒットしているという「レ・ミゼラブル」を観に行ってみる。すべてはそこからや!と映画館に入ると、公開から半年以上たった今でも客席はほぼ埋まっていて、始まると同時に泣くような常連っぽい人までいて、でもそんなことが気にならないほど、僕もすぐに映画にのめり込んでしまい、生きるための強さ、運命の力、真実の愛、ありとあらゆるミゼラブルが僕の心をかき乱し、最終的に号泣していた。びっくりした。なんだこの映画。僕が一生かけたとしても、この映画の1フレームも撮れないだろう。でも、たとえたった1フレもレミゼに近づけなかったとしても、僕の気持ちは、僕のジャンバルジャンは決まっていた。
ジャン・バルジャン、僕はやる! スワ・マサジャンはバリケードを築いて、ミュージカル界に反旗を翻す! たとえそれを罵倒されたとしても、それがとてもミゼラブルだとしても、真実の愛のために!   

この気持ち、忘れまいと、ジャン・バルジャンと共に記念撮影。

写真/感動と自撮り

しっかりパンフレットも購入した。

写真/親指の圧

ちょっと文章がクチャクチャになってきたんで一旦、ここまでのことを要約すると、
突然やることになってしまったミュージカル作りの話を本当にやるかどうか悩んでいた諏訪は「レ・ミゼラブル」を観て感動してやる気になったという話。

とりあえず決まってたこととか、決まってないことをまとめて公演告知バナーにしてみた。

公演告知バナー

プロフィール

諏訪 雅
(すわ・まさし)

76年奈良県出身。俳優。98年に上田誠、永野宗典を誘ってヨーロッパ企画を旗揚げ。以降、全作品に出演。外部作品への出演やラジオパーソナリティーとしても活動。 また、webページ「ヨーロッパスタジオ」の編集長や、劇団公演パンフレット「ヨロッパ通信」の編集長も務める。さらに映像作品のディレクションやヨーロッパ企画DVDのプロデュースも手掛けている。