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阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS 〜暴走する男たちシリーズロングラン記念〜 SPECIAL SCREENING『日本の女』『はたらくおとこ』TALK SHOW in Suzunari Supported byイープラス/シアターガイド

6月13日(水)『日本の女』上映後 長塚圭史(阿佐ヶ谷スパイダース)×今井浩一(シアターガイドスーパーバイザー)

10年、20年後も

写真/トークショー模様:左から長塚圭史、今井浩一

―取材させていただいたときに、ちょっと原稿に書ききれなくて、心残りだったんですけど、今回のメンバーのことで、(中村)まことさんが長塚さんにとって、どんな役者さんで、どんなふうに思っているのかをお聞きしたいんですが。

• 長塚 そうねぇ、まことさんの話をすると何か気持ち悪い感じになるんですよ。俺がまことさんのこと好きだからね。困った人だけど好きなんですよね。僕にとっては、このチームを牽引してくれるリーダーなんですよ。まことさんがいるからこそ、やれるものっていうのを、ずっと創ってきてるし。皆はそうは思わないかもしれないけど、俺にとっては、ちょっとしたスターですよ。

―イケテツさんは?

• 長塚 最初イケテツさん見たときにね、「愛の嵐」をモチーフにしたヘンテコな芝居をやったんですよ。それを見たときに俺は役者をやめようかと思った。こんな面白い人がいるのならって(笑)。いい刺激になりますね。イケテツさんが面白いことやってると、自分も頑張ろうって思うし。イケテツさんの方が年は全然上なんだけど、わりと本音で言い合えるし。

―松村武さんは?

• 長塚 まっつんは昨日飲んでてすっごい怒られた。あの人は全体を客観視してて、いっぱい自分のこと棚に上げていろいろ言ってくるし(笑)。ほんと昨日はいっぱい叱られたよ。でも絶対に自分のこと棚にあげるの(笑)。でも、頼りになりますよ。あの人が全体をみてくれるから。僕も出演しているから、やっぱりそういう時、頼りになりますよね。

―最後に今井さんにおうかがいしたいんですけど、長塚さんは小劇場のなかでは出世頭といいますか……まあ、何を「出世」と呼ぶかは置いておきますけど、出世頭だとすると、どうして長塚さんはそうなれたと思いますか?

• 今井 長塚君が出てきた時って、ブームとして微妙なニュアンスの芝居が流行っていたと思うんですよ。

―「ポスト静かな演劇」(∗)と言われる人たちですか?

∗「静かな演劇」とは、劇作・演出家の平田オリザに代表される口語を意識した対話と、日常的な抑制された演技を特長とする作劇スタイルを評した語。その流れを汲みながら、10代〜30代の価値観や言語感覚を自作に取り入れている新たな世代の作品が「ポスト静かな演劇」と呼ばれている。

• 今井 そうですね。ずっとその流れがあった演劇界を切り裂くように、長塚君が出てきたという印象はありますね。別にそういう静かな劇が悪いということではないいんだけど、「微妙なニュアンスを描くっていう劇団の微妙なニュアンスってどれだけ違うの?」という思いも正直あった。雑誌で紹介文とか書いてても、違わないですよ。ああ、こういう劇団ばっかりだと思ってて。僕が20代の頃はもっと、宇宙に行っちゃったりとか、破天荒なものが多かったんですけど、まあ、そういうところを知っている者から見ると、小劇場の小劇場らしさが薄れてきていることが寂しかった。そんな中でパワーを感じさせてくれるところがすごく良かったんじゃないかなと。もうひとつ、東京だけはなく、地方にも行っている、そういう努力をちゃんとやってるっていうところがいい。公演をやってるから観においで、ではなくて、観にきてもらうための道筋を作りにちゃんと地方に行ったり、東京でもそういうルートを開拓しているっていうこともひとつ大きいかな。

• 長塚 僕、不安なのが、こうやって『日本の女』とか『はたらくおとこ』とか上映しちゃって、新作の『少女とガソリン』と変わってねぇなぁって思われるんじゃないかと(笑)。それがこの企画の不安なところだったんですよ。シリーズっていうの嘘ですからね(笑)。本当に後付けですから! ただ、もう一回一緒にやろうよってね。それで、本当にそういうシリーズにして。

• 今井 もう10年も20年も繰り返せばいいよ。

• 長塚 これを? このメンバーを? 皆だんだんオジサンになっていってね。でもね、一緒にやってるとね、やっぱり楽しいですね。10年、20年ね……。

• 今井 そのときにね、もう一回、トークショウをやって……

• 長塚&今井 変わってねぇなぁって(笑)。

長塚圭史 プロフィール

1975年東京生まれ。96年にプロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を旗揚げし、以降、主宰として作・演出・出演の三役をこなす。04年の阿佐ヶ谷スパイダース『はたらくおとこ』の作・演出とパルコプロデュース『ピローマン』(作=マーティン・マクドナー)の演出が高く評価され、第4回朝日舞台芸術賞と第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞をダブル受賞。05年に上演されたパルコプロデュース『LAST SHOW』は第13回読売演劇大賞優秀作品賞、06年に再演されたパルコプロデュース『ウィー・トーマス』(作=マーティン・マクドナー)は第14回読売演劇大賞優秀演出家賞に輝いた。06年には新国立劇場『アジアの女』の作・演出を手がけ、今年4月にはシス・カンパニー公演『写楽考』(作=矢代静一/構成・演出=鈴木勝秀)に役者として出演するなど、阿佐ヶ谷スパイダース以外でも多方面で活躍している。9月に上演される、市川海老蔵、宮沢りえ主演の『ドラクル』では作・演出を担当。シアターコクーンでの初作品となる。

今井浩一 プロフィール

大学で油絵を専攻するも、東京サンシャインボーイズ『ブロードウェイの生活』、自転車キンクリート『シャンデリア・トラブル』、ブリキの自発団『好奇心の強い女』、つかこうへい『飛龍伝90』などを観て挫折。芝居の世界での滅私奉公を決意。いつの間にやらシアターガイドの編集長になり、今はスーパーヴァイザーという名の宣伝マン。