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阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS 〜暴走する男たちシリーズロングラン記念〜 SPECIAL SCREENING『日本の女』『はたらくおとこ』TALK SHOW in Suzunari Supported byイープラス/シアターガイド

6月21日(木)『日本の女』上映後 中村まこと(猫のホテル)×中山祐一朗(阿佐ヶ谷スパイダース)

リアリティーにこだわるほどうそっぽくなる

写真/トークショー模様:中山祐一朗

―では、今度は反対にまことさんに中山さんのことをお聞きしたいのですが。中山さんは共演されてて、どんな役者さんですか?

• 中村 昔からそうだけど、不思議な役者だなと思ってますね。演じてると気づかなかったりするところがたくさんあって、こんなんでよく成り立ってるなと。それがね、よそから出演してる作品を観にいったりすると、「あれ? 中山ってスゲェいい役者じゃん!」て気づくの。一緒にやってると「ちょっと、なんでそこで邪魔するの!?」とか「うるせぇな」とかね。

• 中山 そんなこと思ってるんだ(笑)。

• 中村 思うよたまには(笑)。今回の『少女とガソリン』の稽古でも、コーラスで犬山(イヌ子)さんが歌うので、アイコンタクトを取りながらやってて、すごく楽しみにしているのに、歌い始めるとすぐに中山っちが入ってきて犬山さんが見えなくなっちゃうんですよ。

―それは中山さん、なにか意図があって?

• 中村 いやいや。それはね、犬山さんも言ったらしいんですよ。「ちょっと出てくるのが早くない? 中山」って。それで納得したらしいのに、もう次の日には元通りなの。

• 中山 まことさんに合わせるのが早くなっちゃってるかもしれない。犬さんに言われたから、犬さんに合わせない分、よりまこりんに目線送っちゃってるかも(笑)。いや、まことさんと舞台上で絡めることがうれしいんですよ。

• 中村 いや、俺も楽しいけどさ……(笑)。ついついやりたくなっちゃうよね。

• 中山 だから応えてくれるかなと思って。でも苦しみながら応えてくれてた(笑)。……気をつけます。

―そろそろ観客の皆さんからお二人に質問や作品の感想がありましたらお聞きしたいと思います。

Q 今回の『少女とガソリン』は休演日がありませんが、息抜きはどうしてますか?

• 中山 息抜きはないですね。でも芝居を観にきてくれたお客さんや知り合いの方とお酒飲みにいったりして、24時過ぎに帰って寝るという時間が僕にとっては息抜きですかね。でもそれをやりすぎると次の日に響くので、気をつけないといけませんが。あとは、最近は忙しかったんで出来なかったんですけど、トレーニングをすると息抜きになりますね。逆に疲れてよくないような気もしますけど(笑)。でもトレーニングはマッサージ効果もありますし。マッサージにいくこともありますね。

―まことさんは?

• 中村 僕は、スパイダースに黙って草野球の試合をしたりしてます。

(一同 笑)

―それは公演中に?

• 中村 もちろん。

• 中山 僕も同じチームに入れてもらってるんですけど、チームの連絡係はいけだしん君(中村と同じ猫のホテル所属の俳優)なんです。彼もまことさんにはメールで流さないようにはしてるはずなんですが、どこかから嗅ぎつけてくる。

• 中村 さすがに今回は過密スケジュールなんで、なかなか。

• 中山 でも気持ち良かったね。池尻で稽古して、世田谷公園に「いま稽古終わったから、あと一時間だけいける」って、ユニフォーム着替えてパーっと飛び出していくから、俺もあと追っかけていったら、出してもらえて。夜の涼しい空気を浴びながら、稽古終わったあと、公園で過ごしたのはすごくリフレッシュになりましたね。

• 中村 ねー。気持ちよかったっすね。

• 中山 気持ちよかったですね。

―ほかにどなたかいっらっしゃいませんか? じゃあ、最後に私がひとつまことさんに。このシリーズではすごく格好いい役で。社会性はないし、どこか大きく価値観のずれているところもあり、明らかに変なところもあって、演劇の中でしかありえないと思うんですけど、そのリアリティーの中ではすごく格好いい役だと思うんですね。「暴走する男たちシリーズ」というのは、長塚さんていう作家が、まことさんにそういう役を書いているシリーズと言い換えることができると思うんですけど、何か自分で格好いい役だなとか、いいせりふを言っているなとか思う時はないんですか?

• 中村 いやー、それはありますよ。恥ずかしいなと思うときも、「うわ!こんなせりふ言っちゃっていいの?」って時もありますし。それは『日本の女』の時から言ってるんだけど、圭史を呼んで「ちょっとこのせりふ、真っすぐ過ぎない?」とか「ちょっと恥ずかしくない?」とか、ずっと言ってたんですけど、ある時から「もう言っちゃえ!」 ってなって。あのね、俺は格好良くなってるってあまり思ってなくて、「駄目に見えるけど実は格好いいかもしれないでしょ? 」というところを圭史は狙っていると思うんですよ。それで演じてる本人が、これ駄目で格好いいだろうって思ってたらちょっと臭いじゃないですか。だから結果的にそう見えたらいいかなくらいで……あまり考えてないですね。

―作品のテーマとすごく繋がっているせりふを自分が言うんだなっていう意識はない?

• 中村 多分なんですけど、あんまり自分の中でリアリティーを求めすぎてしまうと、演技としては駄目になっちゃう気がするんです。一見リアルに見えるように求められて、こっちもリアルな気持ちも作るけど、もともと飛躍しているところから圭史の作品は始まっているから。感情をつくっても、普通の芝居よりずっと、感情の揺れと切り替わりが早いんですね。普通の生活してたら、そんなに感情がポンポン切り替わらないぞってみたいなのが、どんどん出てくるから、ある程度自分の中ではリアリティー無視というか。全部リアリティーにこだわるとか、こういうことが本物でしょということをやればやるほど、嘘っぽくなるような感触があるんです。野田秀樹さんに言われたんですけど、「お前と古田新太はうそで演技をするから」って(笑)。それは分かるんです。よく古田さんとは「いま誰の真似?」「俺は仲代達矢でやってみた」とかそういうノリで(笑)。俺も古田さんも全部モノマネ(笑)。でも「お前らはそのモノマネがモノマネに見えないところがすごいんだよ」って。全然似てないから。今のは誇張して言ったんですけど、演技の入り方としてはなりきり過ぎてもそれはうそだなと思うところはありますね。だって自分一人とっても、そんなに整合性のある人間じゃないでしょ。あんまりその人物になっちゃうと良くないなと思いながらやってますね。

―お名残惜しいですが、今日はここまでとさせていただきます。ありがとうございました。

中村まこと プロフィール

1963年、愛知県生まれ。「猫のホテル」の創設メンバーのひとり。犬川ヒロの名義でイラストレーターとしても活動。市川しんぺーとのフォークデュオ「罪と罰」でギターとボーカルを担当し、ゴスペラーズ『坂ツアー』ではアンコールで舞台に立ち好評を博す。NODA・MAP『贋作・罪と罰』(05年)、『ロープ』(06年/以上、作・演出=野田秀樹)、シスカンパニープロデュース『エドモンド』(05年/作=デイヴィッド・マメット 演出=長塚圭史)、モッカモッカ『バッタが邪魔で乳首が見えない』(07年/作・演出=モッカモッカ 作=ブルースカイ 小林顕作)、劇団鹿殺し『殺 ROCK ME!〜サロメ〜』(07年/作=丸尾丸一郎 演出=菜月チョビ)など劇団以外の舞台出演も多数。その狂気を秘めた演技力と破天荒なアイデアで観客を惹きつけている。つやのある声も人気。「阿佐ヶ谷スパイダース」へは『日本の女』(01年)、『みつばち』(03年)、『はたらくおとこ』(04年)、『少女とガソリン』(07年)に出演。

中山祐一朗 プロフィール

1970年、岐阜県生まれ。「阿佐ヶ谷スパイダース」第3回公演『SPIDERS LIMITED』(98年/作・演出=長塚圭史)に出演。以降、長塚作品を代表する個性として全作品に参加。03年には同ユニットの『ともだちが来た』(作=鈴江俊郎)で演出家デビューを果たす。ほんわかした雰囲気の中に、時折見せる狂気が持ち味。『MYTH』(06年/構成・演出=鈴木勝秀)、WOWOW presents『小鹿物語』(06年/作=興水泰弘 演出=水田伸生)、『殺人者』(07年/作・演出=赤堀雅秋)など外部出演多数。またテレビ「サラリーマンNEO season2」(07年〜/NHK)をはじめ、映画「スピードマスター」(07年/監督=須賀大観)、「クローズド・ノート」(07年/監督=行定勲)など幅広く活躍。今後は映画「ROBO☆ROCK」(07年/監督=須賀大観)の公開とNODA・MAP『キル』(作・演出=野田秀樹)への出演が控えている。