文学座アトリエ60周年記念公演 - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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文学座アトリエ60周年記念公演

37年結成、今年創立73年を迎えた劇団文学座が本公演とは別に、実験的な公演を行う場として始まった「アトリエ公演」。その本拠地として落成された信濃町の「文学座アトリエ」が60周年を迎え、その記念公演が行われる。「諍い(いさかい)」をテーマに、ギリシャ悲劇の『トロイアの女たち』(作=エウリピデス)、肌の色が違うことで引き離された男女の物語『カラムとセフィーの物語』(作=マロリー・ブラックマン、脚色=ドミニク・クック)、鐘下辰男が日本の現代をあぶりだす『ダーウィンの城』と、時代も、舞台も、手法も違う3戯曲を連続上演。あらゆる方向から表現の手を伸ばす、貪欲で刺激的な企画となりそうだ。

というわけで、稽古場レポート、演出家取材など、シアターガイドがその全作をがっつり紹介いたします!

取材・文=川添史子(シアターガイド)

1.トロイアの女たち

稽古場レポート&演出家コメント トロイアの女たちコラム

『トロイアの女たち』稽古場レポート

稽古場訪問

『トロイアの女たち』稽古場1   『トロイアの女たち』稽古場2

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9月某日、「エウリピデス……ギリシャ劇……私、分かるかなぁ」という、演劇雑誌の編集者とはあるまじき弱き心構えで向かった、信濃町は文学座アトリエ。その歴史ある建物に一歩入ると、モダンな真っ赤な舞台装置が目に飛び込んできた。しかも、客席は対面式。「なんかイメージ変わるかも?」そんな予感が漂う稽古場に、次々と集まるスタッフ&キャスト。タイトル通り、女が主役の今作だけに、圧倒的に女優が多い! 年齢幅が多い俳優を擁する文学座だからこそのキャスティング、キャリアも風貌もさまざまな女優がずら〜り(劇団のベテラン、藤堂陽子と山本道子がコロスで登場という贅沢キャスト!)。演出家・松本祐子の「じゃあ、やろうか」の一声で、稽古は始まり……。


アトリエは熱かった

『トロイアの女たち』稽古風景1   『トロイアの女たち』稽古風景11

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『トロイアの女たち』稽古風景3   『トロイアの女たち』稽古風景4

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簡単に内容を説明すると、舞台はギリシャに敗北した直後のトロイア。男たちは戦争で死に、陥落した国の女たちの嘆き悲しみを描いた物語だ。家族の死を続けざまに体験したヘカベ(倉野章子)とアンドロマケ(塩田朋子)、狂女となるカッサンドラ(吉野実紗)など、辛くて悲しい出来事が容赦なく女たちを打ちのめす。筋を追うとなんだか重い……のだが、しゃべるわ、しゃべるわ、彼女たちの会話を聞いていると、その生命力に目をみはる。舞台と客席が近く、俳優が発するせりふの力がダイレクトに観客の体に伝わって、その熱気に巻き込まれるこの臨場感もアトリエならではだ。ギリシャ劇というと、大仰なせりふでしょ、という方もいらっしゃるかもしれないが、今回の山形治江訳の戯曲を生で聞いた印象は、「なんだか気持ちいい」。思ったことをズバっと、時にエゴイスティックに吐き出す女たちの言葉を浴びていると、不思議と爽快。「連れて行くがいい、わたしは復讐の女神!」などなど、日常生活じゃなかなか聞けない劇的なせりふのシャワーが浴びれるぞ。


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