特集:「キレなかった14才りたーんず」  - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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6人の演出家による連続上演「キレなかった14才りたーんず」特集 日程:2009年4月16日(木)〜5月6日(水・祝) 会場:こまばアゴラ劇場

vol.03 りたーんずの08年〜09年

写真/餅つまり解消隊企画の様子

そんな二人の行く先々に、突如現れる割烹着姿の二人組。手には掃除機、背中には「モチのつまり解消します」と書かれた紙を貼った二人は、<餅つまり解消隊>ならぬ篠田と白神だった。道中、餅屋さんにちょっと嫌な顔をされたり、ご老人と仲良くなったり、篠田の元同級生に遭遇したりと、予想以上の“ネタ”を収穫しながら、二人も正月返上で取材を行っていたのだった。なお、この<デート企画>と<餅企画>の模様は、後日りたーんずwebで動画版もアップされる予定なので、そちらものぞいてほしい。

写真/デート企画・餅つまり解消隊企画の参加メンバー

1月は、6人が“りたーんず”としてではなく、それぞれの活動に奔走していた。白神はモモンガコンプレックス『初めまして、おひさしぶり。』、中屋敷は4×1h project『ソヴァージュばあさん/月並みなはなし』と『ほらね。〜彼女が使う魔法のコトバ〜』、柴はtoi『四色の色鉛筆があれば』、杉原はKUNIO05『迷路』をそれぞれ上演。1月に公演がなかった神里は先陣をきってりたーんずの稽古をスタートさせ、篠田はりたーんずの諸作業と並行して、3月の快快『MY NAME IS I LOVE YOU』の準備に追われていた。こんな多忙な彼らを繋ぐのは主にメールだが、 “実働”面で彼らを繋ぐのは、有志で集まったりたーんずスタッフである。

メンバーは各セクションに渡り、制作統括の野村政之、宮永琢生、舞台監督の佐藤恵、宣伝美術の天野史朗、web担当の加藤和也、前述の編集スタッフ藤原、武田……と十数名に及ぶ。“餅は餅屋に”という制作・野村の方針に従い、各分野の担当がそれぞれの「できること」「興味があること」をりたーんずに提案し、りたーんずもスタッフにさまざまな提案をすることによって、具体的な動きが生まれてくる。

スタッフの面々と話をすると、よく「こんなはずでは……」と苦笑いの返事が返ってきた。「こんなにがっつりかかわるつもりでは全くなくて。でも楽しそうだったからつい何度も話すうち、いつのまにか主要スタッフになっていた」というのが本音らしい。しかし、その“巻き込まれてしまった”状況が、なぜかうれしそう。何か起こりそうな現場に、最前線で参加している。そのことがスタッフの気持ちを高揚させているのかもしれない。

メンバーとスタッフのやりとりで面白かったのは、公演のタイムスケジュールを決める過程だ。1劇団が1作品を上演する通常の公演とは違い、さまざまな条件を鑑みながら、6演出家の作品を、バランスよく、かつ魅力的に並べなくてはならない。制作・野村がいろいろと頭を悩ませてつくった叩き台に、各演出家やスタッフからさまざまな意見がぶつけられる。マチネとソワレ、平日と土日の公演数のバランスや、アフタートークなどサブ・イベントの絡ませ方などなど。演出家とスタッフの間で何度も調整が行われ、スケジュールが決定するまでに、結局1週間ほどかかった。りたーんずで何かを決める時は、いつもこの調子だ。6人で何かを決めるのはそれだけ時間がかかるものだし、スタッフのほうもそれを承知で、どこか腹を据えて待っている感じがある。これからあとどのくらい、こんなやりとりを繰り返すのだろうか。

ちなみに1月末には、制作の野村、編集の藤原と私の3人で、本企画の広報資料のために、りたーんずを語る座談会が行われた。いつもは所属する青年団を始め、りたーんずより先行世代の演出家の現場に携わることが多い野村。篠田の友人で、以前から演劇を観続けているという「エクス・ポ」編集者の藤原。本企画に密着取材を続けている私。それぞれの立場から、この企画とのかかわりや関心をもっている点、公演に対する期待などをざっくばらんに話した。こちらもりたーんずwebで読むことができるので、よろしければ見ていただきたい。

写真/全体顔合わせの様子

月が変わり、2月10日。前回より大規模な、2回目の全体顔合わせが行われた。出演者、スタッフを含め、40名近くが集結。オーディションから数カ月が経ち、中には稽古が始まった組もあり、それぞれに多少打ち解けた感じが出てきた。その4日後、2月14日にチケット先行予約がスタート。滑り出しは上々だ。さあこれで、いよいよ本番へ向けて稽古一直線かと思いきや、りたーんずきっての健康志向・神里雄大の提案で、彼らは市民駅伝に参加することに。地方公演中の中屋敷を除く演出家5人と役者たち、そして一部スタッフが参加する。開催日は3月15日。台本の構想に頭を悩ませながら、それでなくとも寒くて家に閉じこもっていたいこの時期、りたーんずたちはランニングシューズを新調し、ない時間をやりくりしながら、今日も家の周りを走っているのだった。

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