特集:「キレなかった14才りたーんず」  - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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6人の演出家による連続上演「キレなかった14才りたーんず」特集 日程:2009年4月16日(木)〜5月6日(水・祝) 会場:こまばアゴラ劇場

vol.04 そして初日が開ける

企画の立ち上げから1年。3人の企画者と3人の参加者、計6人の演出家によりスタートした「キレなかった14才りたーんず」が、4月16日に開幕した。6団体交互上演のため、公演と公演の間が数日空くこともあり、作品によってはその間の稽古で変貌を遂げている作品もある、まさに現在進行形の舞台。5月6日の大千秋楽までに、どこまでいけるのか。

取材・文=熊井玲(シアターガイド)

写真/有志20名が参加した駅伝の様子

本格的な稽古は、どの組も2月末ごろにスタートした。ばらばらの稽古場、ばらばらのスケジュールでの稽古なので、ほかの組がどんな稽古をしているかは、お互いにあまりよく分からない。このまま初日まで、その状態でいくのか?……と思ったら、有志20名が参加した駅伝、1週間に渡る演出家6人の合宿、ワーク・イン・プログレスなど、開幕までの1カ月間にもさまざまなイベントがあったため、演出家も役者たちも、結局何度も顔を合わせていた。

「作品をつくる」ということだけを考えると、もしかしたらそれらのイベントは、必ずしも必要ではなかったかもしれない。でも、一見すると余分なそれらイベントのおかげで、演出家6人と出演者35人、スタッフ十数名にもなるこの大所帯が、風通しのよい関係性を保てたのではないかと思う。演出家と役者がランナーとして一緒に走ったり、人の台本を書く姿を隣で見ていたり、ほかの組の稽古風景を近くで観たり。そういうこと一つひとつが、演出家はじめ出演者やスタッフの刺激になり、企画全体の結束力を高めていたと思うのだ。

写真/演出家たちの合宿の様子

中でも興味深かったのは、“打ち合わせもできるし、相談もしやすいし、だったら一緒に台本書けばいーじゃん!”と突如計画された、演出家たち6人の合宿。私が取材に訪れたのは5日目の夜で、22時まで杉原組の稽古場を見学した後、杉原とともに駒場東大前から、合宿先である柴の家に向かった。道中聞いたところによると、「みんな実はあまり作業が進んでいないし、寝不足だ」とのこと。合宿の様子はweb中継もされていたのだが、確かにいつも誰かが必ず話をしていて、個人がガリガリと作業している感じはしなかった。取材時、既に本番まで一カ月を切っていたので、大丈夫だろうかと少々心配になる。

23時過ぎに柴家に着くと、先に帰宅していた篠田が鍋の支度をしており、神里は台本執筆中、柴は自分の部屋で作業していて、中屋敷と白神はまだ帰っていなかった。全員そろったのは深夜0時すぎ。それから篠田手製のもつ鍋をみんなで囲んだ。食事の間も、それぞれの稽古の進み具合や最近観た芝居の話になったり、白神によるほかの演出家たちのものまねが披露されたりして(これが本当にそっくり!)、「宴」はなかなか終わらず、お開きになったのは結局午前2時過ぎだった。テーブルを片付け終わると、部屋が急にしんとなる。リビング、廊下、柴の部屋に分かれて、演出家たちがそれぞれ自分の作業を始めたのだった。メールチェックする杉原、おもしろ動画を見つけて人に勧める神里、イヤホンをして台本に没頭する柴、人と話したくてしょうがない中屋敷、音楽を聴きながらごろごろ寝そべる白神、とりあえず寝る篠田……。

6人がいる場にはそれまで何度も同席していたが、その夜はなんだか様子が違うと思った。それぞれの部屋で、演出家が2人、あるいは3人で話している様子は、外で6人一緒に話している時とは違う親密さがあったし、その顔合わせも、なんだかちょっと意外に感じたのだった。各部屋から流れてくる音楽やぼそぼそとした話し声を聴いているうちに私も寝てしまい、気付くと朝に。9時に目が覚めると、昼から稽古の白神以外、全員が床に倒れ込むようにして眠っていた。