特集:「キレなかった14才りたーんず」  - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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6人の演出家による連続上演「キレなかった14才りたーんず」特集 日程:2009年4月16日(木)〜5月6日(水・祝) 会場:こまばアゴラ劇場

vol.04 そして初日が開ける

写真/対談の様子

実はこの合宿での彼らの様子があまりに印象的だったので、6人そろってではなく、もっと少人数でインタビューしてみたいと思っていた。と、幸運にも雑誌「りたーんず」で取材のチャンスをもらった。雑誌「りたーんず」は、単なる公演パンフレットにとどまらない読み物にしようと、篠田が編集長となり作成された、コンテンツ満載の手作り雑誌だ(劇場、公式HPほかで販売中)。その中の、6演出家交互インタビュー部分を手伝わせてもらった。インタビューの顔合わせは、それぞれの作風や合宿での様子を考えて、こちらで考えさせてもらった。心配性の柴が楽観的な杉原に、論理より感覚重視派の神里が熟考型の柴に、のんびりマイペースの白神が議論好きな神里に……というように、インタビュー「する人」と「される人」の組み合わせを変えて、誌面トークショーをやってもらおうというもの。質問内容は基本的にインタビュアーにお任せしたので、顔合わせごとに「普段どんな演出をしているか」「劇団をどうまわしているか」といった具体的な話から、「将来の不安はあるか」「演出家としてどうなりたいか」という少々つっこんだ話まで、内容は多岐にわたり、結果的にどれも6人一緒に話す時とは全然別の関係性が見えてくる、非常に面白いインタビューになった。私からは一つだけ、「『キレなかった14才りたーんず』という企画に対してどう思うか」という共通質問を全員にしたのだが、奇しくもほぼ全員が「ほかの演出家が台本を書く姿を見られてよかった」「誰が一番面白いかということは、もう気にならなくなった」と答えたのがとても印象深かった。

幕が開けて

4月16日。篠田組『アントン、猫、クリ』を皮切りに、「キレなかった14才りたーんず」が開幕した。6作品全てに携わる舞台監督のさめちゃんこと佐藤恵、舞台美術の佐々木文美、照明の伊藤泰行、富山貴之、音響の星野大輔、高橋麻衣ら、りたーんずスタッフ陣は、全作品の初日が開けきるまで、連日連夜、時には劇場に泊まり込んで作業にあたった。1組目の初日が終わるとすぐに翌日の準備。翌朝は早くから2組目の音合わせ、照明や映像のチェック、そしてゲネプロ(通し舞台稽古)。限られた時間の中で、演出家の注文になんとか応えようと尽力するスタッフたちの頑張りは、本当にものすごいものだった。

そのかいあって、「キレなかった14才りたーんず」は全作品毎公演ともほぼ満員御礼。時にはキャンセル待ちも出るほどの盛況をみせている。6作品を制覇する人も多く、6作品全部を観てくれたお客さんに渡す福袋の数が、当初想定していた数より増えているらしい。各作品については、演出家同士でも観客の間でも反応はさまざまだが、いずれも彼らがこれまでやってきた作風とは確実に違う、挑戦的な作品が6つそろったと思う。普遍性や脱物語性を意識させる演出に定評がある柴と神里が、「自分」を色濃く打ち出した作品を手掛けたり、ダンス未経験の役者を使って、白神は踊りの中に「しゃべり」を織り交ぜたダンス作品を手掛けたり。挑戦的であるせいか、作品は日々進化を遂げていて、それがさらに舞台をスリリングにするのだろう。劇場で、「あの作品も面白いらしい」とか「その作品、初日と演出が変わったらしいよ」なんて会話が聞こえてくると、思わず“じゃあ、もう一度観に来ようかな”と思ってしまう。それが、リピーターを増やしているのかもしれない。
中日を過ぎて後半戦。祭りはいよいよ佳境を迎える。

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