特集:大日本プロレス『リア王』  - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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vol.01体験レポート/観て、叫んで……お願いして?大日本プロレス体験記

大日本プロレスは、1994年に設立された。もちろん肉弾相打つ迫力あるプロレスも見せるが、一言で言うならば、デスマッチがその主軸。プロレスを見ない方にデスマッチといっても分かりにくいかもしれないが、100本を超える蛍光灯で殴りあったり、有刺鉄線をベニヤに固定したりロープ代わりに張り巡らせたり、リングが火の海と化す中で闘ったり、はたまた練りがらしや塩、バラの花までがプロレスの試合のアイテム(武器)として使われる。

もちろん血しぶきが飛び交う、目を追うような壮絶な戦いが繰り広げられるのだけれど、けれど、けれど、けれど、信じられないかもしれないけれど、さわやかでほのぼのとしたエンディングが待っていることもあるから、不思議なのだ。

その大日本プロレスが『リア王』をやってしまう。会見の様子はかつての記事を見ていただくとして会見の後に行われた興行を目にした、本誌編集部・熊井記者によるレポートをまず読んでくれ!

写真/デスマッチの様子

「プロレス」と名のつくものは、学園祭で観た学生プロレスが最初で最後。いわゆる格闘技ものは、ライブはもちろんテレビでも、自分から率先して観たことがない。そんな私が、後楽園ホールでの大日本プロレスの大会をリングサイドで初観戦した。 

予備知識ゼロの状態で席に着いた私は、まず場内の歓声にびっくり。選手入場のアナウンスをかき消さんばかりに観客が選手たちの名を呼び、檄を飛ばす。それに応える選手の顔が……こ、怖い! 堅い筋肉で盛り上がった選手の肩にライトがあたると、ぎらっと光が反射する。そして、その肩と肩とがガツリとぶつかり合う!

試合の間中、私の口は開きっぱなしだった。目の前で繰り広げられる闘いに、「痛そう」とか「やめて〜」と思ったのは最初の数分間だけ。あとは「うわあああ」なんて思いつつも、目を見開き、前のめりになって観てしまった。

選手それぞれのキャラがはっきりしていて掴みやすいから、ビギナーでもすぐに「お気に入り」を見つけて応援できるのが楽しい。ちなみに私が気になったのは、あまり強そうじゃないけど粘り強い忍選手、圧倒的に強くて怖い真霜拳號選手(K-DOJO)、この世のものとは思えない沼澤邪鬼選手の3人だ。

画像/蛍光灯デスマッチの様子

しかし全ての思考を停止させたのは、なんといっても蛍光灯デスマッチである。蛍光灯をびっしりとくくり付けたロープに、選手が背中からバーン!とあたると、パリーン!とその破片が客席にシャワー。襟ぐりの開いた服装だったので、破片はザザーっと服の中へ。な、なんかチクチクする! でもそんな客席の動揺にはお構いなしに、流血しながらなおも闘い続ける選手たち。私も「うわあ、もうやめて!」と思いながら「あ、でも蛍光灯が足りない足りない!」なんて真逆なことも思ったりして、最後はほかのお客さん同様、選手の写メを夢中で撮っていた。テンション上がった〜、すごかった〜。

後日、知人たちに驚かれた。「初めてのプロレスで大日なんて、勇気あるね」って。それも知らなかったんですが、すべてのプロレスで蛍光灯デスマッチがあるわけではないのですね。

ちなみに……。後日、人からソファベッドを格安で譲ってもらったのだが、その運送費が意外とかかるので頭を悩ませていた。そんな時、「レスラーズ運輸がいいよ」との朗報を得て、さっそくググった。と、なんと大日の現役レスラーがやっている運送会社ではないか。電話で問い合わせると、ほかの運送会社で言われたような面倒なこと……荷物の長さとか量とか重さとか、階段は何段あるとか玄関はどうなってるか、みたいな細かいことはほとんど聞かれず、また「明日でも平気ですよ」という気持ちのいい返答。しかも安い! その場で即決し、お願いすると、翌日現れたのはレスラーとしては細身の、若い二人組だった。かなり重たいベッドを、かなり狭い部屋に搬入してもらったのだが、二人ともとっても感じよく、スムーズに運び込んでくれた。「レスラーの人にお願いしたよ」という私の言葉に、正直ちょっと怯えていた母も、二人のあまりの爽やかさに思わず「今後もお願いします!」と笑顔で見送っていた。

そんなわけで、私にとってプロレスは、一気に身近な存在になった。いや、でもほんと、レスラーズ運輸はいいと思いますよ。

文=熊井玲(本誌)

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