【対談】祝!ミュージカル『サ・ビ・タ』再演決定 山崎育三郎×イ・ヒョン  - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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祝!ミュージカル『サ・ビ・タ〜雨が運んだ愛〜』再演決定【日韓“ドンヒョン”対談!!】山崎育三郎×イ・ヒョン

14周年を迎えた今も、本国・韓国で大人気の小劇場ミュージカル『サ・ビ・タ〜雨が運んだ愛〜』。昨年夏に本邦初演された、駒田一(兄ドンウク)、山崎育三郎(弟ドンヒョン)、原田夏希(ユ・ミリ)による日本人キャスト版でも、物語で描かれる兄弟愛が劇場を温かく包み込み、観客に感動の涙を誘っていた。昨年末、9月より韓国でドンヒョンを演じているイ・ヒョンが初来日し、2010年春に再演が決まったばかりの山崎と初対面! 二人の心中にあるドンヒョン、そして『サ・ビ・タ』への想いとは――。
取材・文=大高由子(シアターガイド)
撮影=宮川舞子

写真/イ・ヒョン

―イ・ヒョンさんは『サ・ビ・タ』が初ミュージカルですね。挑戦しようと思ったのはなぜですか?

• イ 演技は以前からやってみたかったんです。でも歌手である自分には、足りない要素がいっぱいある。ミュージカルなら歌があるので、そこをある程度補えると思いました。ところが、出演が決まって台本を読んでみると、ドンヒョンは、心の奥底にある悲しさを表現しなければならなくて。僕は完璧主義なところがあるので、キャスティングされてから2カ月間は、『サ・ビ・タ』の稽古だけに集中することにしました。『サ・ビ・タ』の作品世界が素晴しかったからこそ、そうやってのめり込めたんだと思います。

• 山崎 僕は出演のお話をいただいてから、初めてソウルに行って『サ・ビ・タ』を観劇させてもらったんです。小劇場でのミュージカルは経験したことがなかったんですが、観客の反応がライブのようにストレートで、それまでのミュージカルのイメージをいい意味で壊されました。一方で、僕たちが上演する日本のお客様はどう反応するんだろう? という不安も感じて。でも、すごく入り込みやすい作品なので実際は、『サ・ビ・タ』をきっかけにミュージカルを好きになってくれた方がたくさんいらっしゃいました。

• イ テーマが日本にも韓国にも通じる家族愛ですからね。ドンヒョンは、兄ドンウクが家族のために世話を焼いたり犠牲を払ったりするのが嫌で家を出たという設定のキャラクター。僕自身、父に対してそういう気持ちになった経験があるので、舞台に上がる前はいつもその時を思い出して泣いてしまいます。

• 山崎 僕は男4人兄弟なので、ドンヒョンの気持ちはイ・ヒョンさん同様、自分とすごく重なりますね。『サ・ビ・タ』って、すごくアジア人らしい要素が含まれていると思う。それは、言いたいことがあるのに相手になかなか言えない歯がゆい兄弟の関係。欧米の作品ではなかなか描かれないんじゃないかなぁ。だから舞台では、どこの家庭にもあるリアルな兄弟の関係が見えたらいいなと思って演じました。舞台を離れても、ドンウク役の駒田一さんには普段からかわいがってもらって、兄弟のようにコミュニケーションをとっていて。韓国ではどうなんですか?

• イ 仲はすごくいいんですけど、一つの役に数人ずつキャスティングされていて毎回替わるので……。でも、先輩として僕たち後輩を導いてくれるし、それぞれに演技のスタイルがあるので、すごく勉強になっています。

写真/山崎育三郎

―『サ・ビ・タ』の中で一番好きなシーンは?

• イ 最後にドンウクとドンヒョンが、一緒にピアノを弾いて心を通わせるシーンは、兄弟愛をうまく表現したシーンで泣きそうになります。

• 山崎 うんうん。ドンウクがドンヒョンから毎年くる一行だけの手紙をユ・ミリに見せながら、「この一行にはいろんな言葉が込められているんだ」と話すシーンもいいですよね。もう、好きなシーンはたくさんあります! あと僕は、ドンヒョンとミリが「いつの世も〜♪」と二人で歌うナンバー(失敗ばかりの自分を嘆くミリをドンヒョンが元気づける場面で歌う「いつだって、その年頃には」)が大好き。

• イ (うなずく)

―ドンヒョンを演じていて一番難しかったところは?

• 山崎 まず、難しいと感じたのは音楽。前奏が短くてすぐに歌が始まるんです。感情の持っていき方に3人とも苦労しました。

• イ 僕もそうです。ミュージカルの歌詞はせりふと同じ。せりふの後に歌が入る時、そのまま感情を持続させるのが難しいですよね。あと演技については、僕はドンヒョンのキャラクターの出し方に苦労しています。ドンヒョンって、外見は強く見えて兄とも衝突するのに、内面はすごく兄想いで優しい。そのあたり、山崎さんはどうやって役作りをしたんですか?

• 山崎 僕はまず、見た目から入りました。韓国の男性は体格のがっちりした方が多いのに僕は結構細身なので、筋トレをしたり、肌を黒くしたり。そうやってドンヒョンの男らしさを出すようにしたんです。内面的には、家族に対してものすごく愛情を持っているという部分がブレなければ、自ずと彼の優しさが出ると思います。あとは、兄が好きだけど、自分の人生の中でいろんな葛藤もあったせいで、それがなかなか表現できないという心境は、自分自身にも思い当たったので、その点はスッと入っていけました。

• イ (日本語で)スバラシイ! (二人笑)