特集「SHIN-GEKI hybrid」演劇集団円『未だ定まらず』 前田司郎インタビュー - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
サイト内検索
すべて|
公演名|
人名・劇団名|
劇場|
演劇ニュース
様々な条件で検索
こだわり検索
注目キーワード

特集ページ

SHIN - GEKI hybrid シンゲキハイブリッド 新劇、この動きを見逃すな!

新劇? あんまり観たことないなぁ〜という皆さま。「なんか難しそう」「古い」というイメージを持っていませんか? でも実は、尖った海外戯曲や若手作家の作品など、常に斬新な表現を捉まえようとしてきたのが新劇。そんな貪欲な“新劇魂”に、ちょっと面白い切り口を加えたこちらの2本を入り口にしてはいかがでしょ? 一本目は演劇集団 円に前田司郎(五反田団)が新作を書き下ろす『未だ定まらず』。二本目は文学座の若手俳優たちによる演劇ユニット「unks」による『蟻』。新劇を土台に新たな表現に挑む公演を、2週続けてご紹介する。

取材・文=川添史子(本誌)

=>「SHIN-GEKI hybrid」 Unks『蟻』斉藤祐一×細貝光司×上田桃子×亀田佳明 インタビュー はこちら

演劇集団円『未だ定まらず』 前田司郎インタビュー

新劇と呼ばれる演劇集団 円の俳優たちに、小劇場と呼ばれる五反田団の前田司郎が書き下ろす。「呼ばれる」と付けたのは、それが、周囲が付けた名称に過ぎないと、この取材で再確認したからだ。自分の表現にプライドを持ちつつ、新しいことに柔軟に挑む――演劇はカテゴリではなく、他人同士の肉体の対話で成り立つ。未知の表現に期待高まるインタビューとなった。


前田司郎

まずは、演劇集団 円に新作を書き下ろすことになった経緯から伺えますか?

新国立劇場に書き下ろした作品(『混じり合うこと、消えること』/08年/演出=白井晃)を、(円の代表の)橋爪功さんが観てくれたのがきっかけです。楽屋で初めてお会いして「今度円でも書いてよ」って言ってくれて。その時は本気なのか分からなかったんですが(笑)、劇団の方から正式に連絡が入りました。

では、約3年越しの企画ということですね。今年の3月にはワークショップがあったと伺いました。感触はいかがでしたか?

「すごい異文化だなあ」って思いました。違うだろうと思いながらも、フタを開けたらそんなに違わない……っていう展開を予測していたんですが、開けてみても違っていました。僕がいつも一緒にやっている俳優たちは、その場で与えられた課題を、どれだけリアルにできるかをやってみて、「ここはウソくさいよね」ってさらに現実に近づけていく作業をやるんです。けれど、円の俳優さんたちは、俳優同士の息が合ってるってこともあるし、最初からエンターテインメントにするんで、見てて面白いんですよね。僕が思うリアリティーとは離れているけれど、「絶対そうはしないでしょ、でもそういうふうにしたら面白いよね」ってことをやってくる。空手とボクシングぐらい違うんです。まあ僕は空手もボクシングもやったことないですけど(笑)、ルールも、美学も違うみたいな。ここまで違うんだってことが分かって、興味がわいたし、同時に、「できるかな、こえ〜」って思いました。

ワークショップを経て、オーディションでキャストが決まったそうですね。新劇ならではというか、年齢幅のある面白い座組になりました。

柔軟にやってくれそうな人たちが集まってくれました。キャストが決まったところで、最年長のノムさん(野村昇史)を軸に台本を練って。ノムさんで言えば、この年齢だから面白いのか、ノムさん自身の面白さなのか分からないんですけど……。年齢を重ねると、積み上げてきたものの面白さ、ただもう、しゃべるだけで面白いみたいな部分がありますよね。ただそこに頼っちゃうと面白くないとは思っていて。

驚きがあった方がいいので、あまり詳しいことは書けませんが……台本を読ませていただいて、声を出して笑ってしまいました。笑いだけではなく、切ない部分もあったり、前田戯曲ならではの、記憶についてのテーマも見られます。しょっぱなから驚きがありますよね。物語は、すぐに浮かんだんでしょうか?

一部の人たちの中でカリスマだった老女が亡くなって、そのお葬式に集まってきた人たちっていうのを最初は考えていたんですが、キャストに年齢の高い女優がいないので、女性の存在が強いのに出てこない展開にせざるをえない、そうすると観客にとってフラストレーションになる……と思ってこういう話にしました。


公演情報