「大山峻護 インタビュー」  - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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大山峻護 Shungo Ohyamaインタビュー

パルコ劇場で上演され、その後全国を巡演している、美輪明宏主演『双頭の鷲』。この公演で、前田日明がスーパーバイザーを務める「HERO'S」で活躍している格闘家・大山峻護が初舞台を踏んだ。オーストリー・ハプスブルグ家最後の王妃エリザベートの数奇なる実話を元に、コクトーが独創的に探求した傑作。王妃失脚暗殺を企む皇太后一派の陰謀、皇太后の情夫である警視総監フォエーン伯爵と王妃に純愛をささげる反政府詩人スタニスラスとの死闘……。 大山が演じるのは、美輪が扮する王妃を護衛する、口を利けず耳も聞こえない召使いのトニーという難役だ。
(取材・文=今井浩一)

試合を見てくれなくなった家族が一番喜んでくれた

宮本亜門

―東京公演での手応えとしては、何パーセントぐらいですか。

分かんないですよ(笑)。……これが格闘技だったら勝ち負けという形ではっきり分かるじゃないですか。でも演劇の世界って評価を、まるごとお客さんに差し上げるじゃないですか。で、お客さんが評価するもんじゃないですか。それが初めての経験だから、不安なんですよ。百人いたらおそらく百人分の回答があるだろうし。

―友達もいっぱい観にいらしているんですか。

いっぱい来てくれてます。でも親が一番喜んでくれていますね。格闘技の試合では、僕がKO負けしてから観に来てくれなくなったんですけど(笑)。今回初めて家族そろって来てくれたんですよ。すごいうれしかったです。

―美輪さんと日々接しているわけですけど、お話しされて心に残っている言葉とかありますか。

会場に着いたら、今までのプライベートなことは一切忘れて、その役柄の世界に入ってくださいって言われています。そこまで想像力を広げて、その世界にいなきゃいけないんだなって。中途半端じゃいけないんだなって。

―舞台で、王妃として向き合う美輪さんの魅力ってどうですか?

例えば最後のシーンで、王妃がある決断を下さなければならないというシーンがあって、美輪さんはすごい本気な表情をされてるんですね。それは僕にしか向けてないからお客さんには見えない瞬間なんです。壮絶なほどにリアルなんですね。そうするとやっぱり、僕自身も本気になりますよね。

―よく舞台上で役者は役として生きるみたいなことを言います。実際やってて、演じるというよりは役を生きてるんだっていう感覚で、ありますか。

僕なんかまだまだ素人に毛が生えたようなものですからね、そこまで来てるのかどうかもちょっと分からないですけど。役柄に対しての愛着はすごく湧いてきてると思う。

―舞台に立ってて、気持ち良さとかは感じますか。

まだ気持ち良さまではいかないかな、緊張しますね。ただカーテンコールがうまくいった時はニコニコして楽屋帰りますけど(笑)。

―え、カーテンコール??

最後に僕が出てきて緞帳を上げるシーンがあるんです。あれは役者さんたちが皆さん完璧な演技をした後の、最後にクライマックスを迎えるところだからここは外せないなと思って何回も練習しました。でも結構ずっこけたりして失敗したこともあるんですけど、決まった時はうれしいですよね。

格闘家としても一回り成長できそう

―そういえば、この役のために体を大きくしていますか?

ええ、これはもう僕の意地。格闘家は肉体を見せるプロという側面もありますからね、ここは、ちゃんとしっかり作り込みたいなと思ってましたね。今は95キロありますから。去年の10月の格闘技のトーナメントから10キロも増やしています。稽古は終わってそのままジムに行ってましたし、本番が始まってからは朝ジムに行って劇場入りして。3回点滴打ちました、きつくて(笑)。

―大山君がある意味、装置であるかのような迫力があって。あと体が大きい俳優さんと違うのは、パワーが漲ってる感じがして、それがすごい。

ありがとうございます。いやもうサプリメントの一番いいものを買ってきて、「アイアンマン」とかボディビルの雑誌も買ったりして、トレーニングの方法もちょっと変えたんですね。

―でも格闘技ファンはこのまま大山君が役者になってしまうんじゃないかと心配してると思うんですけど。

いやいやいやいや。でも格闘技は僕の核なんでちゃんとがんばりますよ。でも今回の経験は大きいですね、僕にとって。今までいかに自分に柔軟性がないかっていうのに気づいたんですよ。試合でもこうって決めてリングに上がって、それがはまった時は一気に勝てるんですけど、相手が自分の想像と違う動きをした時に逆に呑まれちゃうっていうのがあったんです。でも舞台に出たおかげで、ここが俺に足りないんだっていうことに気づきました。これ終わってから試合に出たら変われるんじゃないかなって思ってます。

―さて、これからまだ全国公演があります。

いろんなお客さんと出会えるのが楽しみですね。それに稽古を入れるともう何十回も演じているはずなんですけど、それでもエンディングは毎回鳥肌が立つぐらい感動してるんです。すごい舞台だし、その舞台の一員になれてるっていうのが本当幸せだなって感じてるので、ぜひ楽しみにしてもらいたいですね。

―あと筋肉ですね(笑)。

これからもどんどん進化させようかなと思っていますんで、後半戦に行くほど完璧にしていきます(笑)。

―ちなみに次の試合は決まってるんですか。

7月の予定です。このツアーが5月19日に終わるんで、終わった瞬間に試合モードにしていかないと。

―美輪さんはピーター・アーツ好きだと言ってましたし、そのアーツに勝った大山君ですからね。試合も観てほしいですよね。

そうですね。そのためにも一回り成長したいですね。

全国公演の予定は PARCO劇場 ホームページにて
PARCO劇場『双頭の鷲』

大山峻護プロフィール

昭和49年生まれ。柔道で全日本学生体重別準優勝、ベルギー国際3位。卒業後は京葉ガスに所属し、全日本実業団で優勝するなど。サンボや修斗などにも挑戦し、数々の輝かしい成績を残す。2001年にアメリカの総合格闘技大会「キング・オブ・ザ・ケージ」でプロデビューを果たす。同年5月にPRIDEのリングでヴァンダレイ・シウバ、ダン・ハンダーソン,ミルコ・クロコップなどの強豪と対戦。ヘンゾ・グレイシーには判定で勝利する。その後、K-1に移籍し、2006年8月のHERO'Sライトヘビー級トーナメントに参戦。一回戦でホドリゴ・グレイシーと対戦し、判定勝ち。トーナメントで3位となる。両目の網膜剥離など度重なる怪我にも負けずに這い上がってくる、不屈の闘志と精神力の持ち主だ。

大山峻護公式ホームページ Allintopower.com