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映画『曲がれ!スプーン』特集/監督:本広克行、本多力×ムロツヨシ×永野宗典インタビュー

エスパーが集う喫茶店を舞台にした、ヨーロッパ企画の人気作『冬のユリゲラー』が、「サマータイムマシン・ブルース」に続き、本広克行監督で映画化される! 映画版のタイトルは「曲がれ!スプーン」。喫茶店に闖入するAD・米(よね)役の長澤まさみをはじめ、ヨーロッパ企画の面々と小劇場ファン驚きのゴールデンキャストがそろう。11月21日の映画公開に併せ、舞台版も全国ツアーを行なうそうで、演劇と映画はいよいよ蜜月関係に? これはもう、追いかけるしかない!
ってなわけで、シアターガイド ホームページでは「曲がれ!スプーン」短期連載をスタート。

取材・文=熊井玲(シアターガイド)

vol.01 本広克行 監督/ムロツヨシ×永野宗典×本多力インタビュー

本広監督の演出力が……!/ムロツヨシ×永野宗典×本多力

写真/左から本多力、ムロツヨシ、永野宗典 その1

ムロ 「サマタイ」の時は「みんなで相談して、どういうシーンにするか考えなさい」っていう演出だったから、出演者たちで結構話しましたよね。でも永野さんは本番5分前くらいになると、ひとりだけ別のスペースに行っちゃうんです。

永野 マジで座禅組んでましたね、あの時。緊張で動悸が激しくなってお芝居どころじゃないから、それを沈めるために(笑)。だからみんながわいわいパーティーゲームとかやってるのに、ひとりで集中して。

本多 先輩だから、複雑でしたね〜。永野さん、段々輪から外れていくなあって(笑)。

永野 でもそれはさすがにやりすぎだろうと反省して、今でこそもう座禅はしませんけど。

本多 ムロさんも撮影が始まる直前になんか儀式がありますよね、「エェッ、ウェッ!」みたいな(笑)。

永野 どこで覚えたか分からないメソッドで、うなるうなる(笑)。

ムロ メソッドじゃねーよ! でも「サマタイ」終わってから気付いた。映像では発声はいらないんだって。

本多 ああ、あれ、発声だったんですか?

ムロ だったの! でもよく考えたら映像は、一番後ろの人にまで聴こえなくてもいいんだよね。って、撮影が終わってしばらく経ってから気付いたんだけど。

永野 あの時はまだ、3人とも舞台だけで初めての映像で。持ってる技術は演劇で得たものしかないから、それで頑張るしかないって、あの時は思ってたねえー。

ムロ そのあと本広監督が演出された舞台[Fabrica]に出演させてもらったり、3人の関係は続いてたんだけど、ちょうど1年前にmuro式を旗揚げするって決めた時、すぐにこの二人の顔が浮かんで。二人に電話したら「本気だったんですね」って言われた(笑)。

本多 ムロさん、生き急いでるなあって思いました(笑)。

ムロ でも一歩目は早かったけど、その後がスローペースだったねえ。やっぱりいくら「サマタイ」や[Fabrica]で共演してても、3人で舞台をやるのは初めてだったから。大変だったけど、でも本番が面白かったから、すぐmuro式3もこの3人でやろうということになって。で、その間に「曲がれ!スプーン」の撮影があった。

永野 「曲がれ!スプーン」は、「サマー」の時の現場とはまた違いましたね。あの時は若かったっていうのもあって、みんなすごくテンションが高くて、僕らもがっつりチームワーク組んでやった感じだったけど、監督も舞台の演出を3本経験されてるじゃないですか。それもあってか、ものすごく役者のコントロールがうまくて、そこまでやるの!?ってくらい何回もリハを繰り返して。だから監督が一番変わったなって。演出力っていうか、多分なにか別の技術を身につけられたなって。

ムロ ちょっと! いま監督にもの申したよ! 要約すると監督の演出力が上がった、と?

永野 え、いや、あの……。

本多 僕も録音させてもらいますよ!

永野 違う、違うよ〜。

写真/左から本多力、ムロツヨシ、永野宗典 その2

ムロ でもさ、本当のところどうなの? 自分の出た舞台が映画になって、自分の演じた役を別の人がやるのって。

本多 僕は、自分の役を三宅さんがやられててすごく新鮮だった。こういうふうにもやれるのかって。あと、ヨーロッパメンバーが、志賀さんとか先輩方の中で頑張ってるのが刺激になりました。

永野 僕も客観的になれたなあ。僕の役は岩井さんがやったんだけど、まったく違ってたし、僕はああはできないし。悔しいとは思わなくて、いい映画になってうれしいと思った。

ムロ 俺は「サマタイ」でやった役を、舞台で土佐(和成)さんがやってるのを観て、そこだけ意地でも笑わない!って思ったよ。

永野 その意地、どうにもならないのに(笑)。

ムロ でもさぁ、最近映像でもいろいろやらせてもらうようになって、映像と舞台は自分でもやっぱり違う感覚でやってるんだなって気付いたんだよね。10年間演劇ばかりやってたから、映像では声の大きさやせりふの立て方も意識的に直さないといけないなって。といっても、いろんな人の演技を見てると、そうやって変えることがいいのかどうか、分からないけど。

永野 結局、お客さんがいるかどうかっていう違いなのかなと思いますね。映像の現場は、自分のなかで役やシーンのバックボーンをイメージできないと芝居が続かないし、舞台ではお客さんの反応があるかどうかが重要だったりして。でもそうやってお客さんに頼るのがいいのかどうかは分からないなあ。

本多 特に笑いは難しいですね。お客さんがいない映像の現場でやるには、よっぽど自分をしっかりもってないとだめだなって思います。

ムロ やっぱり映像と舞台は、演技の種類が違うんだろうね、きっと。まあ今は舞台のmuro式3に向けて、われわれは準備してるわけだけど、今回は3人がそれぞれ脚本を書きます! 永野さんは『ケセラセラ日和』(09年)で作・演出をやってるし、永野さんのショートムービー作品を見て、永野ワールドは面白いんじゃないかと思ってるんだけど……本多力はどうですか?

本多 うーん、まあとりあえず試す場ってことで(笑)。

ムロ・永野 (笑)

本多 脚本を書いたことはあるんですよ、大学時代に。実際に上演はしてなくて、今は元ヨーロッパ企画の玉田君のうちのタンスにあると思います(笑)。でも、僕が初台本に不安がってたら、ムロさんがそっと「大丈夫、演出で面白くするから」って。それを聞いて、「ああ、ムロさんも成長したなあ」って。

永野 本広監督に続き(笑)?

ムロ 上から目線かよ!

本多 いやいや、muro式1は旗揚げだったからお客さんの期待のハードルも低かったと思うんですけど、1の評判がよかったし、2を経て3ともなるとハードルが上がってると思うんですよ。今はそれをどれだけ下げられるかと……。

ムロ (笑)。まあ、muro式3が成功すれば、「曲がれ!スプーン」も成功するだろうし。だってmuro式は「曲がれ!スプーン」のキャンペーンのようなもんだもん。

本多 僕もそう思ってましたよ(笑)!

ムロ 僕ら本広チルドレンですからね。

本多 じゃあ、いっそmuro式3も映画化をお願いしようよ。

ムロ いや、それは難しいでしょ……。

永野 なんでそこだけ謙虚なの(笑)?

映画情報

『曲がれ!スプーン』

11月21日(土) 全国ロードショー

【スタッフ】 監督=本広克行/原作・脚本=上田誠(ヨーロッパ企画)

【キャスト】 長澤まさみ/三宅弘城/諏訪雅(ヨーロッパ企画)/中川晴樹(ヨーロッパ企画)/辻 修(動物電気)/川島潤哉(コマツ企画)/岩井秀人(ハイバイ)/永野宗典(ヨーロッパ企画)/本多力(ヨーロッパ企画)/ムロツヨシ/志賀廣太郎 ほか

【製作】フジテレビジョン/ROBOT/博報堂DYメディアパートナーズ /東宝/日本映画衛星放送
【制作プロダクション】ROBOT 【配給】東宝

公演情報

muro式.3『算(サン)』

【スタッフ・キャスト】 脚本・出演=永野宗典/本多力/ムロツヨシ 演出=ムロツヨシ

【東京公演】[公演終了]

2009.7/29(水)〜8/3(月) シアターグリーンBIG TREE THEATER

• チケット発売中(チケットぴあ、ローソン、イープラスにて)
• 全席指定3,300円/当日3,500円
• お問い合わせ=(株)アッシュ・アンド・ディ・コーポレーション TEL.03-5456-8130
• 開演時間=19:30(1・2日14:00と18:00、3日19:00)

本広克行 プロフィール

もとひろ・かつゆき 65年香川県出身。92年、テレビドラマ監督としてデビューし、数々の作品を手掛ける。96年「7月7日、晴れ。」で映画監督デビューし、03年の「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年)で大ヒットを記録した。また、07年に自身が主宰するユニット[Fabrica]を始動させ、舞台作品の演出も行っている。ROBOT映画部所属。

ムロツヨシ プロフィール

ムロツヨシ 76年神奈川県出身。大学時代より舞台で俳優活動を始め、映画「サマータイムマシン・ブルース」を機に映像にも出演。最近の主な作品に「呪怨 白い老女」、映画「大洗にも星はふるなり」(今秋公開)。

永野宗典 プロフィール

ながの・むねのり 78年宮崎県出身。98年、ヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。舞台、テレビ、映画と俳優として幅広く活動するほか、ラジオのパーソナリティーや脚本家としての活動も注目を集めている。

本多力 プロフィール

ほんだ・ちから 79年京都府出身。99年の第2回公演よりヨーロッパ企画に参加。俳優として多方面で活躍するほか、京阪神の人気雑誌「エルマガジン」(現在休刊)で2年にわたりインタビュアーを務めるなど幅広く活動中。