
▲前列左から本多力、永野宗典、酒井善史、後列左から石田剛太、諏訪雅、中川晴樹
―2000年の初演以来、02・07年と上演を重ねてきた本作ですが、4度目の上演に向けて、お稽古の進み具合はいかがですか?
石田 今回、新たなシーンが増えてはいますが、実はこれまでとそんなに変わってはないですね。でもひとつ問題になったのは、超能力を使う時のポーズ!
中川 映画版では分かりやすくしたほうがいいだろうってことでそれぞれポーズをつけたんですけど、舞台版では過去に一切そういうことをしてこなかったので、どうしようかなって。
石田 上田君と相談して、みんなこれまで通り、特別ポーズをつけずに稽古を始めたんだけど、なぜか酒井君だけね……。
酒井 はい。前にやってから7年経ってるので(編集注:07年は一部客演を交えたキャスティングで、酒井は出演していない)、ちょっとアレンジを加えてみようかと。
中川 セルフカバー的な(笑)?
酒井 いろいろ試行錯誤した結果、こう(眉間に指を置いて)してみたんですけど、中川さんと石田さんに稽古中に笑われてしまって。
全員 (笑)
中川 この間、第2弾もやってくれたよね。
酒井 はい。(指で四角をつくって)液晶を覗くように心を覗くっていう設定でやってたみたところ、上田さんにすぐ「ボツ」と。
全員 (笑)
諏訪 でもポーズはやっぱり工夫するよね、みんな。
石田 映画版を見ちゃうと、やっぱりちょっと意識しちゃいますねー。
―初演からみなさん、同じ役を演じているんですか?
諏訪 基本的にはそうですね。
石田 諏訪さん、中川さん、本多さんは4回目で、永野さん、酒井君、僕が3回目です。
―同じ役をそんなに何度も演じるって、あまりないことですよね。
諏訪 いやもう、正直言うと飽きてますね。
全員 (笑)
諏訪 って言うのは冗談だけど(笑)、でも石田や酒井とまたこれをやる日がくるっていうのは新鮮。懐かしい感じがする。
本多 確かに懐かしさはありますねえ。
諏訪 懐かしさで最初は、稽古できへんかったもんな。
石田 確かに(笑)。
永野 この間、中川さんに「もういまさらこの作品でツッコミとかできないでしょ」って言ったら、笑顔で「しんどいね」って。その笑顔がもう、懐かしさを表してる(笑)。
石田 でも僕、中川さんはどんどんキャラクターが若くなっていってる気がする。昔は初老の役ってイメージだったけど、最近やっと実年齢に近くなってきたんじゃない?
中川 そんな役づくりはしてないよ(笑)。
―ヨーロッパ企画の台本は基本的に当て書きですが、それぞれの超能力も“当て振り”されているんですか?
諏訪 どうかなあ。でも中川さんは目力があるから透視、僕は大きいものを動かす力が似合うってことでサイコキネシス、って言ってたと思う。
石田 僕は諏訪さんの真逆で、小さいことを動かすのが似合うからってエレキネシス、と。
酒井 僕は中川さんと先輩後輩でセットになる役だから、知覚系つながりでテレパシーなのかなと思います。
永野 本多君のテレポーテーションだけは分からないね。でもこの5人の中で一番すごい能力だから、見た目とのギャップじゃない(笑)?
―諏訪さん、中川さん以外の皆さんは、映画版で自分の役をほかの人が演じているのを見て、どう思われましたか?
石田 僕の役は川島(潤哉)さんがやられてるんですけど、僕とは違うイメージのキャスティングで、川島さんは面白い感じとシブい感じ、両方あってかっこいいなと。僕はもっとはしゃいでる感じの、お調子者っぽくやってます。
酒井 僕は、映画版の辻(修)さんと感じは似てるんじゃないかと思ってて……。
諏訪 でも“俺に負けてる“(笑)?
酒井 いや、そうじゃないです!! 辻さんはテレパシーの時に相手と握手をされるんですけど、それがすごくいいなと思ってて。舞台版ではそういうふうにはやらないと思うんですけど、何かいい見せ方を考えたいなと思ってます。
本多 僕の役は、舞台版だとみんなより年下の役なんですけど、映画版では三宅(弘城)さんが年上の役として演じられてて。それがもう、全然違いますね。
永野 僕はエスパーのパーティーに紛れ込んじゃう「細男」の役で、07年の時に土佐(和成)君が僕とは全然違うアプローチで演じてるんです。僕は“テレビに出たい素人さん”って感じでやったんですけど、土佐君は髪も金髪にしてかなりアッパー系の尖った感じで。映画版の岩井(秀人)さんも、渋くてキャラ立ちしてる感じだったので、むしろ僕はこれまで以上に素人っぽさをどんどん出していこうかなって思ってます。
―ちょうど10年前の作品になりますねが、時代性を感じるところはありますか?
石田 いや、随所にありますよ。
諏訪 だってサイコキネシスで操るのが、ゲームボーイだもん。
石田 そうなんですよ、それをアドバンスにするかDSにするかって話になったり。
諏訪 あと、僕がカメハメ波をやるシーンがさすがにちょっとね……。
全員 ああ〜(笑)。
―でもあらためて台本を読み直すと、ヨーロッパ企画の特長が非常にたくさん詰まった作品だと思います。一つのシチュエーションで複数のエピソードが同時進行していく感じとか、さまざまな仕掛けがテンポよく展開していくところ、コントのようなリズムで会話が転がっていくところとか……。
永野 そうかもしれないですね。『サマータイムマシン・ブルース』のほうが先に映画化されたので、よく『サマー〜』が代表作だって言われるんですけど、僕らは『冬のユリゲラー』(『曲がれ!スプーン』の元タイトル)が代表作だってよく言ってましたから。