特集 多摩川アートライン 2008 パフォーマンスプログラム「多摩川劇場」[パフォーミングアーツ ディレクター 岡崎松恵インタビュー] - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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多摩川アートライン 2008 パフォーマンスプログラム「多摩川劇場」

金森香さんインタビュー

見せたいのは、日常にある劇的なもの

写真/岡崎松恵

停車駅7駅、乗車時間10分。蒲田から多摩川を結ぶローカル線・東急多摩川線に、2日間限定の移動式小劇場がオープンする。その名も「多摩川劇場」。仕掛人は、横浜STスポットやBankART1929の館長を歴任し、現在は企画集団「オフサイト・ダンスプロジェクト」を主宰する敏腕プロデューサー・岡崎松恵だ。劇場外でのパフォーマンスを多数手掛けてきた彼女に、この多摩川線初のチャレンジについて、話を聞いた。

取材・文=熊井玲(シアターガイド)

作品と観客の距離

私がオフサイト・ダンスプロジェクトを立ち上げるきっかけになったひとつは、BankART1929でやった『横浜ダンス界隈』*1なんです。その時に発見したのが、観客と作品との関係性。街が舞台ですから客席がないので、みなさん自分が観たい場所に立ちますよね。でもそのうち、前の方がかがんだり、端に寄ったりして、観客同士が全員が見えるように動き始めるんです。で、「どうぞ始めてください」みたいなキューを舞台監督に送る人もいたりして(笑)。観客が進んで「劇場」の環境をつくり、作品と深くかかわろうとする、能動的な態度に気が付いたんです。そして、普段劇場で観ていると、私たちは「ここがよかった」「あそこはいまいちだった」って作品を良い悪いで判断してしまいがちだけど、彼らは共同体験したからなのでしょう、見終わると「楽しかったね!」と帰って行く。ああ、劇場外でやる舞台は、劇場作品とは別の面白さがあるとその時、気付きました。

写真/岡崎松恵

いまわたしたちのプライベートは大半が一人で成立してしまうんですよね。舞台芸術はある特定の場所、特定の時間に、人が集まらなければ成立しません。観客がある時間に集まり、共同で何かを一緒につくりあげようとする、これが舞台芸術の本質だということを改めて感じたんです。

だから、私にとっては街も劇場のひとつです。それが、今回は揺れちゃってノイジーな3個連結した小劇場、というわけなんですが(笑)。

これは中野さんが言ってたことですけど、多摩川駅を下車した時に、日常がちょっと違って見えたらいいなと思っていて。昔の街頭劇みたいなスペクタクルは考えてないんです。<劇的なものは、実は日常にある>と思わせてくれた作品に、これまで私もたくさん出合ってきましたし、今回の「多摩川劇場」でも<日常を逸脱したような非日常>は起こらないと思います。ただ、これらの作品を観たお客さまが、毎日見ている風景に少し違った何かを体験して、通勤電車に乗ることがちょっと楽しくなる、そういう機会になればいいと思います。

昨年のアートラインで作られた作品が、それぞれの駅に今も残っているんですけど、既存の場所にアートが挿入されたこともあって、特別目立つように置かれていなくて、見つけるのがちょっと大変(笑)。そこにも表れているように、多摩川アートラインプロジェクトは、日常にうずもれているクリエイティビティーの発見を目指していると思うので、多摩川劇場も、そういう体験の一つになればいいなと思います。

*1 アートで街を活性化させるというコンセプトに基づき、ビルのエントランスや店のショウウィンドウ、博物館の庭など、街のちょっとしたスペースを使って小作品を上演したダンスプロジェクト

岡崎松恵プロフィール

1987年横浜市が開設した小劇場「STスポット」の館長に就任。公設民営ホールの運営モデルとして、アーティストの活動支援や創造環境整備に取り組む。1990年地元演劇の活性化を目的とした演劇フェスティバル「スパーキング・シアター」を開始。1994年から次代のクリエイターの発掘・育成を目的とした「STスポット・ダンスシリーズ」をプロデュース。2004年横浜市の歴史的建造物をアートに活用する実験事業「BankART 1929」に参加、2006年まで館長を務める。2008年舞台芸術の企画制作チーム「Offsite Dance Project」を立ち上げ、劇場外のプロジェクトに特化した活動を開始。NPO法人STスポット横浜理事。

Offsite Dance Project
http://www.offsite-dance.jp/

公演情報

多摩川劇場は、多摩川アートライン2008のために、通常のダイヤの合間に運行する特別車両です。

1:運行日時
11月2日(日)・3日(月・祝)各日とも14時に運行
2:入場方法
  • 当日11時より、東急多摩川線「多摩川駅」改札外のインフォメーションセンターにて、整理券を配布。
  • 各回150枚の整理券を配布(車両指定・各車両50枚ずつ)。定員になり次第締切。
  • 車両ごとに、上演作品が異なります。
  • お一人様、1回につき1枚の整理券を発行。
  • ご乗車には必ず整理券及び乗車券(蒲田駅→多摩川駅間・大人150円)が必要となります。
  • 上演時間は約15〜30分を予定。(雨天荒天の場合は、変更の可能性あり)

多摩川アートライン2008 イベント・スケジュールはこちら
http://tamagawa-art-line.jp/2008/10/2008_4.html

多摩川アートライン2008・オープニングパフォーマンス
珍しいキノコ舞踊団パフォーマンス『PICNICKINOKO』

スタッフ
構成・演出・振付・出演=伊藤千枝
キャスト
井出雅子 山田郷美 佐藤昌代 篠崎芽美 石川勇太 茶木真由美 中川麻央 伊藤千枝
日時・会場
11月1日(土)16:00開演
田園調布せせらぎ公園(東急東横・多摩川線多摩川駅改札を出て左)
*屋外スペースでの上演を予定しています。暖かい服装でお越し下さい。
料金
無料
お問い合わせ
多摩川アートラインプロジェクト実行委員会事務局(asca内)
TEL.03-3731-4126
Mail.office@tamagawa-art-line.jp