宮本亜門 インタビュー 創刊15周年記念インタビュー 第1弾 - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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記念インタビュー 第1弾
宮本亜門

創刊間もないシアターガイドのインタビュー記事に日本人として初登場して以来、シアターガイド15年の歴史にたびたびご登場くださった宮本亜門さん。演出家としての歩みを振り返ってもらいながら、シアターガイドへの思いをうかがいました。

写真撮影=宮川舞子

面白いことは山のようにある

宮本亜門

―国内外で活躍されている演出家であるとともに熱心なシアターゴアーでもある宮本さんにぜひともご意見をうかがいたいんですが、「シアターガイドにこういう企画が載っていたら面白い」と思うものはありますか?

どうだろう……例えば、演劇ひとつを挙げても、映画や現代美術、ファッションと、いろんなものと繋がっているということをもっと紹介すると面白いんじゃないかな。一つの作品の持つ“衛星”にも関心を広げていけるような記事。例えば、僕が舞台装置家や衣裳家の人と演出のイメージやプランについて話をする際に、話題にのぼるのは誰だれのデザインだとか、どこどこのアーティストというふうに、必ず美術関係なんです。そのイメージが伝わらない時には、「じゃあ、ギャラリーに行って展覧会を観てきてよ」ってお願いをしたりする。それだけで、すごく演劇を観る目が豊かになるし、観る人も役者だけでなく、美術や照明も含めて作品の世界観を楽しめるようになると思うんです。

それから、日本って好きな役者だったり、劇団だったり、演出家だったり、劇場だったりの作品は観ても、ほかは観にいかない方って多いじゃないですか。演劇は観てもオペラは観ないとか。僕はなるべくそういうのをかき混ぜたいんですよ。面白いものは山のようにある、ということを知ってもらいたいので。総合芸術というか総合エンターテインメントを手がける場所として、日本ってすごく面白いところだから、シアターガイドが読者にいろんな見方ができるように提案してくれるとうれしいな。あくまで個人的な感想ですが……。

―とても重要なご意見だと思います。海外の演劇情報の取り上げ方についてはいかがですか?

最近、アジア(韓国)の情報も載っていますよね。それはとってもよいことだと思います。僕はブロードウェイやロンドンによく行く人間ではあるけれども、ブロードウェイもロンドンもあくまで舞台芸術の世界の一片だと思うんです。ニューヨークで仕事をしてきた経験からはっきり言いますけど、あそこが世界の演劇の最高峰では決してない。ある方法論の中で素晴らしいものを作っていると思いますが、人や場所が違えば、また違ったドラマがあるわけだから。例えば、チベットの演劇でもいいし、都市に限らず地方の土着の芝居も面白いかもしれない。演劇やパフォーマンスの種類からそれこそ髪型まで、「こんなのものあるのか!」と思うものをもっともっと知りたいですね。日本の演劇情報誌だからこそ、ブロードウェイやロンドンだけでない、情報のリンクの仕方ができるんじゃないかなという気がします。偉そう?

―とんでもない。チベット演劇は難しいかもしれませんが(笑)。刺激的なご提言までいただき、今日は本当にありがとうございました。

宮本亜門

1958年東京都生まれ。玉川大学演劇専攻科を経て、ダンサーとしてデビュー。出演者・振付家としての活動の後、ロンドンへ遊学する。

帰国後の87年にオリジナル・ミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で演出家デビューし、翌年、同作品で文化庁芸術祭賞を受賞。92年には、オリジナル・キャスト、新キャスト、ブロードウェイで選抜した外国人キャストの3組で『アイ・ガット・マーマン』を再演して話題となる。

国内公演にとどまらず、『アイ・ガット・マーマン』アメリカ公演や、『太平洋序曲』東京・ワシントン・ニューヨーク公演などで国際的に活躍の場を広げ、『太平洋序曲』では、04年秋に東洋人演出家として初のオンブロードウェイ・デビューを果たす。

『キャンディード』『イントゥ・ザ・ウッズ』『スウィーニー・トッド』などのミュージカルをはじめ、ストレート・プレイ『メアリー・ステュアート』、リーディング・ドラマ『V.M.〜ヴァギナ・モノローグス』、オペラ『フィガロの結婚』など手がけるジャンルも幅広い。

7月にはアメリカ・サンタフェで、映画「グリーン・デスティニー」でも有名な作曲家タン・ドゥンのオペラ『TEA: A Mirror of Soul』を演出。また、11〜12月には東京国際フォーラム ホールCで本邦初演される新作ミュージカル『テイク・フライト』を、08年2月には、日本の先端文化を紹介する「ジャパン! カルチャー+ハイパーカルチャー」の参加作品としてアメリカのケネディー・センターで上演される、水上勉作『ブンナよ、木からおりてこい』をミュージカル化した『Boonah: The Musical』を手がける。公演の詳細は下記のとおり。

【今後の公演予定】

ミュージカル「テイク・フライト」

2007.11/24(土)〜12/9(日) 東京国際フォーラム ホールC

【スタッフ】 脚本=ジョン・ワイドマン 作曲=デイヴィッド・シャイヤ 作詞=リチャード・モルトビー Jr. 訳・演出・振付=宮本亜門 訳詞=森雪之丞 音楽監督・指揮=デイヴィッド・チャールズ・アベル
【キャスト】 天海祐希/城田優、池田成志・橋本じゅん、小市慢太郎、坂元健児 ほか

・9/30(日)前売開始
・全席指定SS席12,600円/SA席10,500円/A席9,500円/B席8,400円/C席6,300円
(11/24・25はプレビュー公演。SS席10,500円/SA席8,500円/A席7,500円/B席6,500円/C席4,500円)
・お問い合わせ=パルコ劇場 TEL.03-3477-5858

*07年12月〜08年1月、福岡・北九州芸術劇場、愛知・中日劇場、大阪・梅田芸術劇場でも公演あり

「Boonah: The Musical」

2008.2/8(金)〜10(日)
ケネディー・センター内 ファミリー・シアター(アメリカ・ワシントンDC)

【スタッフ】原作=水上勉 作曲=ヘンリー・クリーガー 演出=宮本亜門