戸田恵子 インタビュー 創刊15周年記念インタビュー 第3弾 - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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記念インタビュー 第3弾
戸田恵子

『橋を渡ったら泣け』『MUSICAL ザ・ヒットパレード』、そしてシアタークリエの2カ月公演にわたるこけら落とし公演『恐れを知らぬ川上音二郎一座』――07年のこの人は、いつも舞台に立っていたような気がする。9月にはその名も『アクトレス(女優)』と題したコンサートで歌手活動も本格始動させた戸田恵子さん。大のブロードウェイ好きで、シアターガイドの情報を活用しているという戸田さんに、舞台とブロードウェイの魅力を語っていただいた。

写真撮影=宮川舞子

最優先事項は「ライブ」

創刊号(92年3月発行)の表紙とブロードウェイの公演リスト。オン20作、オフ10作が紹介文とともに掲載されている。もちろん、ロンドン・ウエストエンド情報もあり。

▲創刊号(92年3月発行)の表紙とブロードウェイの公演リスト。オン20作、オフ10作が紹介文とともに掲載されている。もちろん、ロンドン・ウエストエンド情報もあり。

―戸田さんがブロードウェイの情報を集めるのにシアターガイドを使ってくださっているという記事を新聞などで何度か拝見しまして。これはぜひ、お話をうかがいたいと思っていました。シアターガイドはいつごろからご覧いただいているのでしょうか?

発売当初からだと思います。

―(創刊号を手渡し)この時期のシアターガイドは記憶にありますか?

あ〜! なんか、うん、見たことある。こんなだったんだ。

―このころはまだ記事も少なくて、まさに“情報誌”という感じでした。体裁はいろいろと変わりましたが、ブロードウェイとウエストエンドの公演情報を紹介するスタイルも創刊時から変わりません。

私はものすごく芝居とかライブを観るので、昔から情報誌は欠かせないんですよ。シアターガイドが出る前までは、ほかの雑誌を読んでいたんですけど、演劇の情報量も少ないし、見づらいなと不満を持っていたんです。シアターガイドは、サイズもちょうど持ち運ぶのに良かったし、情報としても読みやすかったんですよね。

―芝居をよくご覧になられるということですけれども、年間どれくらい本数を?

正直数えたことはないんですよ。そうですね、例えば、仕事が1日空いていてどうしても観たいものがあれば、東京でも昼と夜と観ています。どこか海外に行った時は、短期で集中して、1週間に10本くらい観たりすることもあります。それから、お芝居以外にも行くので。お笑いのライブとかコンサートとか。それを入れたら年間100本は軽くいくんじゃないかなぁ。もちろん増えたり、減ったりはしますけどね。舞台に出演中も、休演で、ほかのお仕事がなければ、お芝居を観に行くということが、私の優先順位では一番にあるんです。

―休演日でも芝居を観るのが最優先なんですか!

そうですね。やっぱり映画と違ってロングランされないので、その間に観ないともう駄目じゃないですか。特に日本のお芝居は。だから、公演チラシはいつも何枚かバッグに入っていて、全部はもちろん観に行けないのは分かっているんですけど、「ああ、今これやってるな、これやってるな」ってチェックして。で、休みの日でお仕事もなくて行けそうな時間帯にやってる芝居を優先する。私、いわゆる「ライブ」のものが好きなんですよ。生身の人間が何かパフォーマンスすることが好きなので、落語も聞きに行くし、お笑いも行くし。外国からアーティストが来れば、前売開始日から狙ってチケットを取っています。特に武道館とかで行われる大きなコンサートは、1日2日しかないので。たとえばビヨンセが来るって分かったら、すぐにスケジュールを見て、自分の舞台や仕事が重なってないかをチェックして、もし行けそうだったら、そこには仕事を入れないようにしてもらいます。やっぱり第一線で活躍している人を生で観ると勢いを感じるし、「私の頭の中にその姿が残っている」という、ライブでしか観られないからこその優越感を感じられるんですよね。

―「ライブ」の魅力に目覚めたのはいつごろからですか?

劇団(薔薇座)に入ってからですね。こんなことを言うのあれですけど、舞台を志したわりに舞台を一度も観ずに、劇団に入ったんですよ。だから、そもそも「舞台とは何ぞや?」っていう感じ。自分の生活の中に「観劇」というものはなかったんですよ。その後、自分が劇団研究生になって舞台の上でお芝居することを勉強しつつ、いろんな作品をちょっとずつ観たりして。で、初めてニューヨークに行ったのが20代の後半。それからは、取り憑かれたように行くようになりましたね。

―初めて行ったニューヨークでご覧になられた舞台は?

一番印象に残ってるのは『ドリームガールズ』です。圧巻でした、もう。それと、ブロードウェイという場所がね。毎日夜8時にあの界隈にあんなに人が集まってきて、たくさんの劇場を満杯にしている環境とか、土壌がすごいって思ったんですよね。

―ニューヨークにはどれくらいのペースで行ってらっしゃるんですか?

当初は毎年でもなかったんですけど、ここ10年くらいは、毎年1回ないしは2回。もちろんゼロの時もあるんですけど、一年にほぼ1回は行ってると思います。

♂行くと、どれくらい滞在されるんですか?

毎週のレギュラー番組で「アンパンマン」の声の仕事があるので、どうしても1週間以上というのが無理なんですよ。泣く泣く頼んで、9日間というのは過去にはありますけど、長期で滞在することは今まで一度もないんです。月曜に発って日曜に帰ってくるってパターンが一番多いですね。

―その間に何本くらいご覧になられるんですか。

例えば月曜日に行ったとして、一番多いのは月曜日に、月曜日って向こうは休演日なんでやっている演目も少ないんですけど、月曜に観られたら観て、月火水水木金だから(*)、6本。土日入っていれば、もう2、3本増やして帰ってこられるんですけど。

(*)ブロードウェイの舞台は水曜日に2回公演を行うことが多い。

シアターガイドをよりマニアックに?

戸田恵子

―シアターガイドはどのように活用していただいているんでしょう?

まずブロードウェイの情報が日本語で載っていることがありがたくって。もちろんニューヨークに着いても買うんですけど、向こうの雑誌をね。もうちょっと細かいところまで、オフとか、オフオフの公演を調べるために。でも、シアターガイドは短いながらも内容が書いてあるので、とても目安をつけ易い。ミュージカルなのかストレートプレイなのかもすぐに判断できるし。ブロードウェイの作品紹介ページで、もう観た舞台をチェックするのも快感だったりしてね(笑)。あ、こないだね、シアターガイドを見て、1日だけでも行こうかどうか迷っていた舞台があったんですよ。期間限定の舞台だったので、もうぎりぎりまで悩んで。でも、行って観て、すぐ空港に戻って帰ってくるくらいのスケジュールじゃないとダメだったので。結局、行かれなかったんですけど……。

―それは何という作品ですか?

『アップル・ツリー』(*)っていう作品。私が薔薇座に入って初主演した作品だったので。時々、自分が出演した作品がブロードウェイでもリバイバル上演されていたりするので、観るんですよ。まあ良かったりガッカリしたりいろいろなんですけど(笑)。

(*)『屋根の上のヴァイオリン弾き』の作曲・作詞家コンビ、ジェリー・ボック&シェルダン・ハーニックによる66年初演作。時代や場所が異なる三つのラブ・ストーリーを一度に楽しめる、とってもキュートなオムニバス・ミュージカル。

―薔薇座時代に、戸田さんは多くの翻訳ミュージカルに主演されてますよね。今年9月のライブ『アクトレス』でも何作か写真入りで紹介されていました。

座長の野沢那智さんが、ちょうど私が入ったころから、ブロードウェイの作品を上演する路線にチェンジしたんですよ。小さい劇団でしたけど、完全に向こうの作品で、最初から生演奏をつけてやりましたから。テープでは一度もやったことないんですよ。で、選んでくる作品ももちろん私の知らない話ばっかりで。野沢さんも、全部を全部ニューヨークで観ているわけじゃなかったんでしょうけど、やっぱりものすごくいいチョイスだったんですね。私は無我夢中でやってたから、あまり作品について掘り下げることもできず、自分自身の役者の力もまだなくて、言われたモノ、与えられたモノをただもうやるだけでしたけど。今でも「すごくいい作品をやってた」って本当にたくさんの人に言われるんです。改めて私もそう思います。

―ニューヨークで舞台を観るようになって、改めて「シアターガイドにこんな情報があったらもっと便利なのに」と思うことはありますか?

食べ物MAPとか(笑)。ブロードウェイ近辺のね。そうだなぁ、あとは……すごくマニアックになっちゃうけど、もうちょっと末端まで情報があったりするとうれしいですね。オフとかオフオフとか、ナイトショーとかの情報。言ったらキリがないんですけど。やっぱり、私はショートステイなので限られた時間を満喫したいんですよ。ラスベガスだとね、ショーが1日2本観られるじゃないですか。遅い夜10時の回もあるので。7時から観て、10時からのも観られるんですよ。1時間半だから、全部。ブロードウェイでも小さな劇場ではもっと夜中のショーもやっていたりするらしいんです。もう私、丸っきり夜中人間だから、芝居を観た後に、もっと何か活動したいって思っちゃうんです。

―お酒を飲みながらショーを観るとか?

なんか、そういうもの。軽い何か。例えば、スタンダップ・コメディーみたいなものをお店の中でやっているところがあるじゃないですか。そういうのって多分日替わりだし、出演者の情報なんかは載らないかもしれないけど。でも、こういう催し物がいつどこでやっているという簡単な情報でもいいんです。すっごいマニアックですけど(笑)。

―なるほど。確かに1週間くらいでいっぱい楽しみたいって思う人にとってみれば、夜中も何かあれば観たいですよね。今は夜中、どう過ごされているんですか?

まずは芝居を観て、夜中はほとんどヴァージン・レコードでDVDとかCDを見まくって買いあさってみたいな(笑)。今はインターネットで何でも買える時代だけど、日本で買えない物とかをお店で直接探すのってやっぱり楽しいじゃないですか。自分のだけじゃなくて、三谷(幸喜)さんから頼まれた物を探したりすることもあります。

―頼まれるんですか?(笑)

頼まれますよ。「こういうのあるか見てきて」って。やっぱりコメディー系なんですけど、私が聞いたこともないような物を頼まれたりしますね。だからそういう楽しみ以外にも、役者さんがやっているライブステージというか、ショーみたいなのがあれば、もっと満喫できるなぁと思います。