トシ・カプチーノのブロードウェイ言いたい放題!LIVE[イベントレポート]トシ・カプチーノ×戸田恵子スペシャル・トーク - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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[イベントレポートその1]トシ・カプチーノ×戸田恵子スペシャル・トークシアターガイド&ミュージカルカフェPRESENTS トシ・カプチーノのブロードウェイ言いたい放題!LIVE supported by アサヒビール株式会社

2007年12月12日にシアターガイド、ミュージカル カフェが開催した「トシ・カプチーノのブロードウェイ言いたい放題!LIVE」。ニューヨークを拠点に演劇評論家、プロデューサーとして活躍中のトシ・カプチーノさんが、フェミニン&軽快なトークでとっておきのブロードウェイ情報をたっぷりと紹介した後、ゲストに戸田恵子さんを迎えてブロードウェイ談義に花を咲かせました。会場となったアサヒ・アートスクエアをブロードウェイ色に染め上げた、二人の濃いトークの模様をここに公開いたします!

写真撮影=宮川舞子

「戸田さんのために入手できたチケットが(笑)」

写真/トークショー模様:左から戸田恵子、トシ・カプチーノ

• トシ 戸田さんが“あゆ朱美”という名前で歌手デビューした当時、実は僕も歌手を目指しておりまして。もうオーディションというオーディションはぜ〜んぶ受けました! あまりに全部落ちるんで意外性を狙いまして、ヒデキの「“妹分”コンテスト」にも出てみたり。

―客席 (笑)

• トシ 下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。高校2年の時にね、唯一「スター誕生」でね、決戦大会までいったんですよ。それで本当にスカウトされまして、どさ回りの歌手をしておりました。そんなバックグラウンドがある私です。あゆ朱美さんのことを知らないわけがありません。こんな形で戸田さんと会えるなんてね、本っ当に夢にも思ってなかったんですよ。人生って悪くないよねぇ。それでは皆さん、大変お待たせいたしましたぁ、戸田恵子さんです。どうぞ!

• 戸田 こんばんは、戸田恵子です。素晴らしい前フリありがとうございました。

• トシ あっは、とんでもございません!

• 戸田 トシさんには、一度ニューヨークでお世話になったことがありまして。もうどぉ〜しても取れないチケットがあって、知り合いを介してトシさんを紹介してもらったんです。何年かに1度どうしてもチケットを取れない人気の舞台があって、私の場合、ショートステイなので、「どうしても観たい!」という場合にはどなたかにおすがりするしかないんですよね。『プロデューサーズ』(*)の初演の時に、ものすごい大枚を叩いたこともあるんですよ。

• トシ その時は、「700ドル出す」って言ったんでしょ?

• 戸田 700ドル払いましたよ。「いくらまで払えますか?」って聞かれて、「700ドル以上は諦めます」と答えたの。でも、この時期のネイサン・レインは観たいと思ったから。

• トシ 出待ちしたことがあるらしいじゃないですか!(笑)

• 戸田 大好きなんですよねぇ。

(*) 『プロデューサーズ』…トニー賞史上最多の12部門を制した大ヒット・ミュージカル・コメディー。“喜劇王”として知られる映画監督・脚本家のメル・ブルックスが、自身の68年の監督デビュー作を舞台化した、ユーモア全開のバックステージものだ。初演で主演を務めたネイサン・レインとマシュー・ブロデリックの黄金コンビは、映画リメイク版にも出演。

• トシ 05年に僕が戸田さんのために手配したのは、その年に開幕した大ヒット作『モンティ・パイソンのスパマロット』(*)のチケットだったんですが、入手できたのが……

• 戸田 あっはっはっは!

• トシ 言っちゃっていいですか?

• 戸田 いいですよ。

• トシ 25ドルのスタンディング・シートなんです! オホホホホ。そのスタンディング・シートを取るためにバイトを雇って、朝の5時から並んでもらって。戸田さんは人件費で200ドルくらい払ったんですよ。

• 戸田 人件費に200ドルを払って、チケットは25ドル(笑)。

• トシ わたくしは一切手数料を取ってません(笑)。

(*) 『モンティ・パイソンのスパマロット』(シューバート劇場で上演中)…「アーサー王と円卓の騎士」の物語をパロディーにした、イギリスの伝説的コント集団、モンティ・パイソンの映画(75年)をミュージカル化。混戦の2004/2005シーズンで作品賞を含む3部門でトニー賞を受賞。チケット完売の日々が続いた。

「自分で劇場のボックスオフィスに行って買うのが楽しい」

写真/トークショー模様:戸田恵子

• トシ 今のお話でも分かるように、戸田さんといえばブロードウェイ好きの女優さんとして有名です。そこで、ここからは戸田さん流のブロードウェイの楽しみ方について、いろいろとお話をうかがいたいなと思います。まずはニューヨークに行く際、舞台の情報というのはどういうもので仕入れられているんですか?

• 戸田 シアターガイドです。

• トシ ありがとうございます。その答えを待っておりましたわ。(客席から拍手)

• 戸田 本当に冗談じゃなく、シアターガイドが大好きなんです。創刊されたころから買い続けていて、毎日毎日持ち歩いてます。特にブロードウェイの情報は、シアターガイドに頼ってますね。

• トシ ニューヨークには、年に何回くらい行かれるんですか?

• 戸田 いやぁ、もう行けない時もあるんですけども、1回ないし2回。1年に3回行ったことはないです。

• トシ 戸田さん、ホントにお忙しいから、なかなか時間が取れないですよね。1度の滞在では、何泊くらいされて、何本くらいのミュージカルをご覧になるんですか?

• 戸田 私、週に1回のレギュラー番組で「アンパンマン」の声の仕事があるので、1週間以上休むことができないんです。月曜日に収録がありまして、その日終わってすぐ飛び立って、日曜日に帰ってくる。これが一番長くいられる。頑張っても5泊のショートステイ。月火水水木金で6本ですね。

• トシ けっこうフルですね。

• 戸田 行った限りはフルで楽しみます。収録がお休みの時があれば、10日間前後に少し滞在を延ばすこともありますね。過去に12本観たのが最高記録ですかね。それは水曜マチネと土曜マチネも入れてですね。

写真/トークショー模様:左から戸田恵子、トシ・カプチーノ

• トシ なるほどね。チケットは全部ご自分で買われるんですか?

• 戸田 そうですね。もちろんどうしても手に入らないような舞台は、さきほど言ったように人にお願いします。でも、行きの飛行機の中で観劇プランを立てて、むこうに着いて自分で劇場のボックスオフィスに行って買うのが楽しみなんです。

• トシ ね! そうですよね!

• 戸田 初日か二日目に劇場をまわって、全チケットをそろえて、ホテルで並べて眺めるんです。「今日観るのはこれだな」ってチェックしながら。

• トシ けっこうオタッキーですか?

• 戸田 いやもう、そういうところから楽しんでる。というか、観劇しか楽しみがないんです。観光を一切しないので。芝居を観ている時以外は、観る寝る観る寝るです。基本はオフなので。寝るのがメインだったりするんですよ。

• トシ もう昼夜関係なく?

• 戸田 関係なく。とにかく寝る(笑)。

• トシ (笑)。観劇作品はどういう基準で選んでますか?

• 戸田 話題の作品は必ず観たいと思いますね。あとは鼻を利かせて、直感に頼っている感じです。私、英語が苦手で、ストレートプレイだと内容を理解するのが本当に厳しいんですけど。

• トシ 僕たち日本人にとって芝居を英語で観るというのは、もう永遠のテーマだと思います。ちなみに僕は、新聞批評に目を通したり、映画化されている作品なら映画を前もって観たり、作品の予備知識を得てから観に行きます。例えば『ヤング・フランケンシュタイン』(*)なんて、3つの映画を見たんですよ。オリジナルの「フランケンシュタイン」と、「フランケンシュタインの花嫁」と、「ヤング・フランケンシュタイン」。それからミュージカル版を観たんですね。

• 戸田 素晴らしい。

(*) 『ヤング・フランケンシュタイン』(ヒルトン劇場で上演中)…『プロデューサーズ』でおなじみメル・ブルックスが放つ最新作。往年の傑作怪奇映画へオマージュを捧げつつも、メル・ブルックスらしく抱腹絶倒のパロディー仕立てだ。

• トシ 戸田さんは予備知識を入れるタイプ、それともいきなりポンって観に行っちゃうタイプ?

• 戸田 ほとんど後者ですね。シアターガイドに書いてある範囲の予備知識は入れていきますが(笑)。『RENT』(*)のプレビューをニューヨークで観た時にも、全然知識がなくて、やっぱり半分以上、内容が分からなかったんですよ。だけど、涙が出たし、演出家の方(ジョナサン・ラーソン)が亡くなってすぐで、役者や劇場の雰囲気がものすごく熱くって、それを劇場に入った瞬間に感じました。1つ1つの意味は分からないのに感動して。新しい作品を観ないと時間がもったいないので、私、基本的には同じものを2回3回と観ることってあまり無いんですけど、『RENT』は翌年にもう一度観たんです。今度は勉強して。歌詞の意味が分かると、シチュエーションも分かって、さらに楽しめたんですよね。時間を惜しまず勉強できることはやはりした方がいいな、と思います。

• トシ 作品をより深く楽しめますもんね。

(*) 『RENT』(ニーダーランダー劇場で上演中)…96年にNYの小劇場で初演され、2カ月後には早くもブロードウェイに進出したミュージカル。脚本・作詞・作曲を手がけたジョナサン・ラーソンが公演初日に35歳の若さで急逝するという不幸に見舞われながら、その年のトニー賞4部門に輝き、現在もブロードウェイをはじめ世界各地で支持を集めている。