特集:tpt RE:start@BnakART studio NYK Part1「演出:トーマス・オリヴァー・ニーハウスインタビュー」 - 特集ページ - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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演出:トーマス・オリヴァー・ニーハウス インタビュー

この『醜い男』は、ニ―ハウスさんご自身がTPTに推薦された戯曲だそうですね。

ドラマツルギーとして、すごく面白い作品なんですよ。舞台美術や衣裳、入場や退場によって場面を作っていくのではなく、たった4人の人物がいろいろな役を演じることで、芝居を進行させていく。TPTでは『時間ト部屋』『道成寺』を上演し、これまでにもワークショップを重ねてきました。中でも私は、役として舞台に立つことと、客観的な視点を持った俳優・語り手として舞台に立つこと、この二つのポジションをよく知り、その転換を素早くする、ということを中心的な課題にしてきたんですが、この戯曲ならその成果が大いに役立つはずだと思ったんです。


「醜い男」の整形手術のてん末を描くドラマには、作者の文化的背景を超えた普遍性があります。顔という人間一人ひとりが持つ「差異」が、比較される「格差」になり、人々の自意識やアイデンティティーを揺るがす。

グロテスクで、なおかつ現代社会の様相をよく映しています。ドイツだけではない、グローバル化した資本主義社会における、国際的な問題ですよね。私もそこに興味を持ったんです。実はTPTでの上演が決まり、翻訳も仕上がった後で知ったんですが、作者のマイエンブルクは、日本でこの作品のアイデアを得たんだそうです。彼は05年のシャウビューネの来日公演(『火の顔』)の際、ドラマトゥルグとして東京に来て、日本の演劇に触れ、いろいろな人々に出会った。その経験から、全く知らない文化を経験すると、もちろん共通点もあるんだけど、さまざまな違いを通じて自分自身の輪郭がよく見えてくる……ということをテーマにしようと思い立ったそうです。


登場人物も少なく、台本では場面の切れ目も一切ありません。俳優の存在、力量に負うところの多い作品のようですね。

だから視覚的な演出を加えたりはせず、むしろ聴覚的な作品にしたいと思っています。俳優たちにはバンドのようにやってほしい。もちろん私は日本語を読むこともできないので、せりふを聞くという点においても、稽古では全体のリズムをつかむまでに時間がかかってしまう。ただ、今までの経験もありますし、日ごとに少しずつは聴き取れるようになっていま
す。私の場合、まずは、重要なキーワードがしっかり聞こえてくるかどうかに注意していますね。もともと戯曲っていうのは、音楽のスコアみたいなもの。いろんな人のせりふがあって、キーワードとなる言葉があって。どう動くか、どう話すか、演出を進めれば進めるほど、その調べ、音楽的な感じが「これは成り立ってるな」「これはうまく行ってないな」というのは分かってきます。それはドイツ語の戯曲でも日本語の戯曲でも同じです。

公演情報

『醜い男』

2009.3/22(日) 〜 29(日) BankART Studio NYK 3Cギャラリー

【スタッフ】 作=マリウス・フォン・マイエンブルク 演出=トーマス・オリヴァー・ニーハウス 翻訳=林立騎 美術=松岡泉 照明=笠原俊幸 音響=長野朋美 衣裳=原まさみ ヘア&メイクアップ=鎌田直樹
【キャスト】 池下重大/武田優子/田村元/小谷真一

・チケット発売中
・全席指定5,000円、学生3,000円(TPTのみ取扱い)
・お問い合わせ=TPT(シアタープロジェクト・東京) TEL.03-3635-6355