特集|このイベントがもはや“歴史”! 『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』出演者インタビュー演劇ポータルサイト/シアターガイド
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2011年以来、演劇製作会社のる・ひまわりと明治座がタッグを組んで、歴史ものをテーマに上演し続けている“祭シリーズ”。今年で8回目を数える人気興行だ。過去に忠臣蔵や源義経などを題材に上演してきたが、今年は『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』と銘打った“風林火山”がテーマとなる。27人の出演者の中から、主演を務める佐奈宏紀と内藤大希、本シリーズにもはや欠かせないメンバーとなっている辻本祐樹、滝口幸広。そして昨年ゲストとして出演した小早川俊輔がニューフェイスとして参加。そんな5人のわいわいガヤガヤな座談会を行ってきました!


−−明治座での年末公演、今年のタイトルは『歳が暮れる・YO 明治座大合戦祭』ということで、シリーズとしてはもう8回目になるんですね。今年は風林火山ということで、武田信玄と山本勘助がこの大所帯のど真ん中に立って作品を背負うわけですが、主役のお二人はどんな心境ですか?

内藤:きっと僕に求められていることは、このカンパニー全体を引っ張っていくというよりも、舞台上で真摯であること。そうすれば、皆さんは安心してお芝居ができるだろうし、そうありたいなと思ってます。1カ月弱という短い期間でお芝居をつくるので、演出の板垣(恭一)さんを信頼して舞台に立とうという気持ちでいます。

佐奈:僕は、それこそこんなに大所帯のど真ん中に立たせてもらえて、本当に感謝に尽きるっていう感じです。本当に謙虚にやりたいな思います、だって僕がここに呼んでもらった理由がきっとあると思うから。それを稽古しながら発見できたらな……僕、あんまり自分に自信がないので。

内藤:出た!

小早川:嘘だろ!

辻本:おい!

滝口:お前は自信とスター性を出しててくれてればいいんだから。だからってゼッテー調子のんなよ?

一同:(爆笑)

 

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−−辻本さんと滝口さんは何作もこのシリーズへのご出演経験があるということで、お二人からはこのシリーズについて話をしてもらいたいと思うんですが。

滝口:はい、じゃあまずは僕から。毎年この年末のお祭りシリーズは、笑って泣ける時代劇をやることが定番となってます。史実に基づいた、軸となるストーリーを展開しつつ、実は“裏ではこんなことが起きていたんじゃないか?”を独自の切り口で描くお芝居です。通説がある有名な歴史でも、る・ひまわりと明治座がプロデュースするとこうなりますよ、っていうものを楽しんでもらえるんじゃないかな。

辻本:時代劇に詳しい方も“そうきたか!と思った”という良い意味での驚きの声がすごく多くてですね。それは多分、台本がそうなっているのはもちろんなんですが、役者一人一人の演じ方でも“歴史上の人物を、意外な形で演じている”と思わせている部分があると思います。僕もお客さんと同じように思いますもん。ほかの役者さんの芝居を観て、意外だ!って。ああ、あなたはあの人物をそっち方面につくるのね、分かった、じゃあこう返そうみたいな(笑)。

滝口:そのやりとりが、会話を重ねてね、稽古して。

辻本:オリジナルの時代劇がつくられていくんですよね。

滝口:文献では、たとえば“傲慢な性格”と書かれていても、ネチネチしてる傲慢もあれば、逆に、見ようによっては甘えん坊だみたいなのもあったりするじゃないですか。だから、皆さんが知っているものから一つ、ひねったような表現とかをみんなでできたら面白いねっていうのを話します。

辻本:ほんとにめちゃめちゃ話しながら稽古やってるよね。

 

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−−去年(『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭〜あんまりやりすぎるとつかまえちゃうよ〜』)初参加だった佐奈さんと内藤さんは稽古場の印象はどうでしたか?

内藤:全員が必殺技を出し合ってるみたいな、それぞれが新しい技を試しながら、自分の持っている武器も磨いてという感じの稽古場でした。だから僕も、新たな自分も出しながら練習できたので、自身が演じてても楽しい現場でした。

佐奈:僕はこの作品に参加してみて、今までで1番年齢や芸歴とかが、本当に関係ないんだなという心境になりました。全員が“俺の方が目立ってやる!”みたいな。特に僕が真田幸村を演じた真田十勇士チームは、誰がいかに笑いをとるか、とか、絶対につめ痕残すぜ! というやる気に満ち溢れていて(笑)。これが“る・ひまマジック”なんだと、若手を下から底上げしてくれるような、そんな素敵な稽古場だなと思いました。

滝口:構成と演出の板垣さんがいつも“プランとかやりたいと思っていることを口にしなくていいから、とりあえずやって見せて”と仰るんですね。で、その演技が是か否かを判断してくれる。作品全体が面白くなるためのジャッジは板垣さんがどっしり構えて見てくださるから、僕らは持っているカードを出すことに専念できるので、ありがたいです。だって、台本では元々3行ぐらいしかないセリフなのに、5分も10分もやってることがありますからね(笑)。

辻本:だから常に台本を手元に置いて、(慌てて)バサァァァッ!って開く。そんなシーンあった? って(笑)。

小早川:とはいえ、悪ふざけがOKということではないんですよね?

滝口:例えば去年でいえば真田軍。真田軍の皆が要所要所で笑いを取ろうとしたり動きを増やしたりして板垣さんに提案していたんですが、でもそれは仲が良いとか、あいつらはちゃんと軍団なんだって要素が強くなってお客さんに真田の関係性を伝えやすくなっていたのでOKだったの。この物語の本筋からは絶対に外れないことがルール。

佐奈:誰でもが持ち込んでいいわけではなくて、きちんとお芝居が成り立ってるならその提案を聞くよという演出サイドの前提があるんです。

 

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−−でもその次の出番の人、すごく困りませんか?

滝口:だから板垣さんが仰るのが、きちんと本編に戻すことが絶対だと。そして自分と関わる共演者を困らせたり損をさせてはいけない。この二つだけ守ってくれれば、持ってきても構わないよという姿勢なんです。

辻本:結局、自由気ままに、勝手なことをしていいわけでは全くないんです。

滝口:細かいところまでかなり打ち合わせはしていて(笑)。アドリブに見える芝居を、みんなで一生懸命話し合って……みんなの真面目さね(笑)。

内藤:綿密に計画するという(笑)。

辻本:みんな真面目なんだよね。2部のショーでも楽屋に誰かがコンコンって入ってきて「すいません! 今日、このシーンをこうやってもいいですか?」「分かった、じゃあ俺ここなんか一言返すから、ここに乗っかって」「はい!失礼しました!」みたいな(笑)。

佐奈:そのやりとりは、本当にもう何回もやりました。

 

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−−そして、今回が初参加となる小早川さんですが、お話を聞いていていかがですか?

滝口:去年は客席で観てたんだよね。

小早川:はい、去年は1日だけゲストとして出演させていただきました。なので稽古はなくて、本番の日だけ早めに劇場に入ってやりました。

滝口:本番を舞台上で観て、弁当食ってお金もらうというチョロい仕事を。

一同:(爆笑)

辻本内藤言い方!

小早川:まあ、でも言葉にするとそうですね、お弁当食べて、観劇して……。 それで去年、“来年は僕も出たいなあ”って言ったら出させていただけることになりました

一同:(笑)

内藤:何それ!

辻本:ちょっと、やめなさい! 出たいって言ったら出られるみたいな流れじゃん!

佐奈:いやいやいや、小早川さんに魅力があったからですよね、きっとね。

小早川:僕、実はあんまり日本史が得意ではなくて。有名な人物の名前なら分かるんですけど、その人のバックボーンまで分からないので、皆さん個性があって面白いなあ、あ、また面白い人出てきた!みたいな感じで観劇させていただいてました(笑)。面白いがずっと連鎖してたんです。そしたらさっき、綿密な打ち合わせをされていたと聞いて、たくさんの稽古時間が積み重なってできているお芝居なんだ……というアツさを感じました。

滝口:そういう面白さで言えば、舞台俳優の加藤啓さんとかは芸人さんとは違う面白さがあるんですよね。そして今回、アジアンの隅田(美保)さんとは初めましてなので、役者というスタンスでくるのか、芸人さんとして舞台に立たれるのか気になってます。

 

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−−最後に、お一人ずつ意気込みや見所をお願いします!

内藤:前回、1部のお芝居、2部のショータイムも含めて、観に来てくださったお客さんの温かさと、盛り上がり方が本当にすごいなと実感しました。今回も楽しみにしてくれている方々に、面白いもの、良いものをお届けするという精神で、27人のメンバーと共に頑張りたいと思いますので、ぜひ楽しみに待っていてください。

辻本:僕は今回、顕如(けんにょ)という役なんですけども、これまでのる・ひまわりさんの作品の中では違う感じの役になりそうです。今までも悪役というか、悪いポジションの役はやらせていただいたんですけど、その中でも、もうちょっと救いようのない悪いヤツ(笑)。作品は、みんなと楽しんでつくっていければいいなあと思っています。

滝口:はい、そうですね、僕は今回で6回目になるんですけども、毎回楽しくやらせていただけてるのは、やっぱり来てくださる皆さんのお陰だと思うので、これまでと同じように満足してもらい、新たに違う何かを持ち帰ってもらえるような舞台になったらなあと思っています。劇場に遊びに来てください! よろしくお願いします!

小早川:今年の年末、る・ひまわりさんが明治座で開催するこの舞台に参加するのは初めてですが、いろんなジャンルで活躍されている方が多い中で、自分がそこに入って、新しいスパイスとして、この作品をさらに盛り上げていけるように頑張りたいなと思います。年末に、明治座で皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります! ぜひ、劇場へ!

佐奈:このシリーズがすでに8年もやっていて、もはや“歴史”ですよね。やっぱり座長として作品に立たせていただくというのはありがたいことで、僕はお芝居が本当に大好きですが、ここに集まってる人もみんな本当にそうだと思うので、座長として背負うよりは、とことん楽しもうと! 年末ですしね。なので観に来てくださるお客様も、どうか楽しみに行くんだという気持ちで劇場に来てくれたらなと思います。

(取材・文・撮影=石井美幸)

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プロフィール

佐奈宏紀(さな・ひろき)
97年生まれ。11年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストをきっかけに芸能界入りし、TVドラマ「幽かな彼女」(13年)でデビュー。主な出演作に、映画「人狼ゲーム マッドランド」、舞台『犬夜叉』『パタリロ!』など。10月からBS日テレにてTVドラマ「妖怪!百鬼夜高等学校」の放送が控える。

内藤大希(ないとう・たいき)
88年生まれ。幼少時より数々のミュージカルをはじめ、幅広いジャンルの舞台で活躍。10月に舞台『若様組まいる〜若様とロマン〜』、11月にWilliam Shakespeare 音楽劇『Love's Labour's Lost』』に出演。また17年に続き19年4月より上演が決定したミュージカル『レ・ミゼラブル』マリウス役(帝国劇場・全国公演)の出演が決定している。

辻󠄀本祐樹(つじもと・ゆうき)
85年生まれ。TVドラマ「3年B組金八先生6」(01年)でデビュー。主な出演作に、大河ドラマ「平清盛」、映画「ゆずの葉ゆれて」舞台『マウストラップ』などがある。映画「あいあい傘」(10月)、「えちてつ物語〜わたし、故郷に帰ってきました。〜」(11月)、19年に映画「君がまた走り出すとき」の公開が控える。

滝口幸広(たきぐち・ゆきひろ)
85年生まれ。04年にTVドラマ「ウォーターボーイズ2」でデビュー。その後は俳優としてだけでなく、バラエティー番組など多ジャンルで活躍。主な出演作にミュージカル『テニスの王子様』、主演舞台『滝口炎上』、TVはNHK「あさイチ」など。10月に舞台『MANKAI STAGE「A3!」〜SPRING&SUMMER2018〜』に出演する。

小早川俊輔(こばやかわ・しゅんすけ)
93年生まれ。大学在学中より舞台やドラマに出演し、現在は情報番組「猫のひたいほどワイド」のリポーターとしても活躍中。主な出演作はミュージカル『テニスの王子様』、TVドラマ「永遠の0」など。来春に舞台『Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜』の出演が決定している。

インフォメーション

 『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』

【東京】2018年12月28日(金)―31日(月)明治座
【大阪】2019年1月19日(土)梅田芸術劇場メインホール
演出=板垣恭一 脚本=ほさかよう
出演=佐奈宏紀(W主演)、内藤大希(W主演)、辻󠄀本祐樹、滝口幸広、小早川俊輔/泉見洋平/貴城けい/加藤茶 ほか
 
企画・製作 る・ひまわり/明治座

公式サイト

『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』