7月大歌舞伎『NINAGAWA十二夜』製作発表 - 2005年5月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/左から尾上菊五郎、尾上菊之助、蜷川幸雄
▲左から尾上菊五郎、尾上菊之助、蜷川幸雄
 W.シェイクスピアの名喜劇として知られる『十二夜』が、なんと歌舞伎俳優・尾上菊五郎を中心とする“菊五郎劇団”の上演で7月大歌舞伎に初登場する。演出を手がけるのは、現在シアターコクーンで“NINAGAWA VS COCOON(ニナガワ・バーサス・コクーン)”シリーズを発信している“世界のニナガワ”こと演出家の蜷川幸雄だ。菊五郎、蜷川、そして菊五郎の長男・菊之助の3名による記者会見が開かれた。
 「自分が歌舞伎の演出をするなんて思ってもみなかった。歌舞伎には絶対手出しはしないと心に決めていたのに」と語る蜷川。その気持ちを覆したのは、菊之助からの電話だった。「昨年ロンドンで『ハムレット』を上演していた時、休憩時間に菊之助くんから電話がかかってきて、『十二夜』の演出をやってほしいと言われ、その真摯さに打たれた。全力を尽くしたい」と、蜷川は歌舞伎の演出に踏み切った心のうちを明かした。今まで多くの舞台を成功に導いてきた彼だが、「ロンドンで演出をする方が簡単かもしれないくらい。歌舞伎の演出の方が難しいと思っている。“歌舞伎国”へ留学する気持ちでいきたい」と、プレッシャーを感じつつ、新たな挑戦に目を輝かせていた。

 このビッグプロジェクトを生み出すきっかけとなった菊之助は、「2年ほど前から、これからの歌舞伎について、そして菊五郎劇団の可能性について考えていた。友人から『シェイクスピアを歌舞伎でやったらどうだろう』とアドバイスを受け、シェイクスピアの中でも立役・女形・早替りができ、スペクタクルがあるものをと考えた結果、『十二夜』に辿り着いた。そして昨年、2005年7月に菊五郎劇団で公演をするという話をいただき、『十二夜』を提案した時から、演出は蜷川先生にお願いしたいと思っていました」と、真剣な眼差しで熱く語った。暗いニュースが多い世の中に対して喜劇性の高いものをという思いも、この作品を選んだ決め手となった。「菊之助と心中するつもりで俺はやる」と蜷川から言われ、胸を打たれたと話す菊之助の瞳は心無しか潤んでいるようだった。

 終始、笑顔で2人の話に耳を傾けていた座長の菊五郎も、「蜷川さんにお任せする。出来上がったものを全部覚えるだけだ」と、きっぱり。10日間という短い稽古期間にも、「決まった時から戦闘体制にはいっている」と、気合いは十二分の様子だ。

 『十二夜』は、シェイクスピアが4大悲劇を描き出す以前の円熟期に書き上げたロマンチック・コメディー。男女の双子を中心に複雑な恋の糸が絡みあう。その中で今回菊五郎が演じるのは、丸尾坊太夫(まるおぼうたゆう/マルヴォーリオ)と捨助(すてすけ/フェステ)の2役。どちらもコミカルかつ個性的な役柄で、舞台にスパイスを効かせる。そしてその双子の琵琶姫(びわひめ/ヴァイオラ)と斯波主膳之助(しばしゅぜんのすけ/セバスチャン)を1人で演じ分けるのが菊之助。ことに男装の麗人に扮するヒロインの妹役では、“女が演じている男”を表現しなければならず、大きな見どころの一つだろう。また既存の演劇を“壊す”印象のある蜷川だが、「今回はあえて歌舞伎のスタッフや形式の中で、歌舞伎を最大限活かした演出にする。自分自身がもっている演劇的ビジョンは付け加えるが、きちんとした歌舞伎をやりたい」と意気込みを語った。

 昼・夜同じ出し物というのは歌舞伎座では異例のことだが、エリザベス1世時代のイギリスが、歌舞伎の殿堂にどのような姿で現れるのか、今から目が離せない。
公演データ
2005.7/7(木)〜31(日) 歌舞伎座
【スタッフ】 作=W.シェイクスピア 演出=蜷川幸雄
【キャスト】 尾上菊五郎/尾上松緑/市川亀治郎/尾上菊之助/中村時蔵/市川段四郎/市川左團次 ほか

・6/15(水)前売開始
・全席指定1等席14,700円/2等席10,500円/3階A席4,700円/3階B席2,520円/1階桟敷席16,800円
・お問い合わせ=チケットホン松竹 TEL.03-5565-6000