新作能『紅天女』試演会・記者発表会 - 2005年11月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/左から茂山七五三、植田紳爾(脚本)、梅若六郎(紅天女/演出)、美内すずえ(原作)、福王和幸
▲左から茂山七五三、植田紳爾(脚本)、梅若六郎(紅天女/演出)、美内すずえ(原作)、福王和幸
写真/世の乱れを滑稽に描く狂言シーン 写真/布が取り払われ姿を現した紅天女

▲世の乱れを滑稽に描く狂言シーン

▲布が取り払われ姿を現した紅天女
 厳しい女優の道を歩み、一歩一歩その才能を開花させていくヒロイン・北島マヤの姿を描いた、少女漫画の大ベストセラー「ガラスの仮面」。作中で「至高の演劇」として登場する『紅天女』が、国立能楽堂の企画で新作能として舞台化される。1976年の連載開始以来、未だその結末が描かれていない“幻の舞台”が、能を意識した原作の描写をもとに新たに脚色され、原作に先がけて一つの完成を見ることになる。公演を約3カ月後に控え、その一部を上演する試演会と、漫画原作者・美内すずえを交えた記者発表が国立能楽堂の研修能舞台で行われた。

 『紅天女』は、一人の仏師が、かつて世の乱れを鎮めたという梅木彫りの天女像を求めて旅をするうちに、天女像の生みの親・一真と梅の木の化身・阿古夜が出会った紅谷に迷い込む、というストーリー。原作漫画では、鼓や笛の演奏に合わせて、北島マヤの師・月影千草が能面とあでやかな装束を着けて、時に神秘的に時に情熱的に舞い演じる姿が描かれている。仏師と紅谷の里女の姿が、時を超えて一真と阿古夜の姿に重なる演出は、まさに「夢幻能」と呼ばれる能のスタイルそのものだ。

 試演会では、天変地異にうろたえる2人の男の姿を描く狂言と紅天女が登場する能の場面が公開された。気になるクライマックスシーンでは、布で覆われ梅の花があしらわれた作り物(舞台セット)の中から、観世流シテ方・梅若六郎扮する紅天女が現れ、能独特の謡と語りで神秘的な雰囲気をつくり出す。舞が挿入されるなど、公開された場面は「純然たる能」という印象だったが、今後、能にはない演出がなされる可能性もあるという。

 寒梅の季節が終わりを迎えるころ、“もう一つの”『紅天女』の完成形がお目見えする。
美内すずえ 「ガラスの仮面」作者
脚本を読ませていただいて一番うれしかったことは、「自然との共生」というテーマをしっかりと描いてくださったこと。今日の舞台も神秘的で素敵だった。(漫画では)読者にお待たせしてしまっていて申し訳ない気持ち。まずは、この舞台でいいものを見せられれば満足です。これから結末を描く身としては、プレッシャーを感じますが(笑)。

梅若六郎 阿古夜・紅天女、演出/観世流シテ方
「漫画のファンの方の期待を裏切らないように」という気持ちはあるが、そこに縛られすぎずに作りたい。ただ、できる限り分かりやすく作りたいと思います。紅天女は、あらゆる痛みを抱えた天女。能の既存の作品には登場しない新しい天女像なので、やりがいがあります。

植田紳爾 脚本/宝塚歌劇団特別顧問
現代の問題が能でできるなら、という気持ちで(脚本の)お手伝いをさせていただきました。「自然との共生」「人間は自然に対して横暴ではないか?」という『紅天女』に描かれているテーマにとても共感した。特に「木のことは木に聞け。水のことは水に聞け」という漫画のせりふに感銘を受けました。

福王和幸 仏師・一真/福王流ワキ方
仏師から一真のようにガラっと(人格が)変わる役は初めて。皆の期待に応えられるようにがんばりたいと思います。
公演データ
2006.2/24(金)・25(土) 国立能楽堂
【スタッフ】 原作・監修=美内すずえ 脚本=植田紳爾 演出・能本補綴=梅若六郎
【キャスト】 梅若六郎(シテ)/福王和幸(ワキ)/茂山七五三/茂山千三郎 ほか

・2006.1/9(月・祝)前売開始 *窓口販売は1/12(木)から
・全席指定正面6,500円/脇正面5,400円/中正面4,300円、学生脇正面3,800円/中正面3,000円
・お問い合わせ=国立劇場チケットセンター TEL.0570-03-3333