コクーン歌舞伎『東海道四谷怪談』公開舞台稽古 - 2006年3月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/冒頭から串田による大胆な色使いの舞台美術が映える
▲冒頭から串田による大胆な色使いの舞台美術が映える
写真/お袖役・中村七之助(左)と直助権兵衛役・中村勘三郎、北番ならではの親子競演 写真/見栄を切る中村橋之助(民谷伊右衛門)、中村扇雀(佐藤与茂七)、中村勘三郎(直助権兵衛)

▲お袖役・中村七之助(左)と直助権兵衛役・中村勘三郎、北番ならではの親子競演

▲見栄を切る中村橋之助(民谷伊右衛門)、中村扇雀(佐藤与茂七)、中村勘三郎(直助権兵衛)
 渋谷初の歌舞伎公演としてシリーズ化された「コクーン歌舞伎」の最新作『東海道四谷怪談』が、シアターコクーンで初日を迎えた。今回は、12年前の記念すべき第1回作品を、初演時と同じ“お岩さま”中心の構成で描く<南番>と、妹・お袖のエピソードも盛り込まれる「三角屋敷・小仏小平内」の場面を含めた<北番>の2つの版で再演。演出家の串田和美と、コクーン歌舞伎には欠かせない中村勘三郎をはじめとする出演者たちが、18日夜の公演を控えて<北番>の通し稽古に臨んだ。
 舞台手前には、おなじみの椅子を取り払った桟敷席。その上空に掲げられた「東海道四谷怪談」の文字が入った大提灯がスルスルと上がると幕が開き、ゴッホを思わせる荒々しくも鮮やかな色使いの絵画のような背景を前に茶屋の場面が繰り広げられる。その美術も手がけた串田和美の演出は、トランペット、口琴、胡弓などの生演奏をを大胆に取り入れて、時にコミカルに、時に不気味に場面の雰囲気を塗り替えていく。斬新な演出の中にも争いの場面では拍子木などを用い歌舞伎の趣向も生かす。なにより手練の歌舞伎役者たちの堅実な演技が、あくまで「歌舞伎」であることを忘れさせない。特に“お岩”と“直助権兵衛”の二役を務める中村勘三郎は、飄々とした“直助権兵衛”と毒を盛られる前のかよわい“お岩”、そして面相が崩れた憎悪に燃える“お岩”を鮮やかに演じわける。初演と同じく“お岩”の夫・民谷伊右衛門を演じた中村橋之助の惚れ惚れするほどの悪人っぷりも、後半の妻の怨念に追い詰められていく姿をいっそう際立たせていた。

 稽古後会見に臨んだ出演者の多くが口したのが「チームワークの大事さ」。確かに“お岩”と妹の“お袖”の絡み合う悲劇をそれぞれに丹念に描いていくため、役の入れ替え、舞台装置の転換がとても多い。勘三郎は「<北番>はガラスのように繊細。一つ狂うと全てダメになる」と難しさを語る。それでも2つの版で上演することについて、初演時の劇場芸術監督で、今回が同作品初演出となる串田は「いろいろな(歌舞伎の)可能性を試せるのがコクーン歌舞伎」と、その意義に触れた。

 「歌舞伎は何でもアリ」ということを形にしてきた元祖“シブヤ歌舞伎”の原点と革新性を確かめる絶好の機会。古きに新しきを宿す舞台を、ぜひ2つの版で観比べてみよう。

 なお28日まで、同劇場が隣接する東急百貨店本店の7階特設会場では、主演・中村勘三郎の軌跡を追った展示会「勘三郎への道 十八代目中村勘三郎ワールド」を開催中。11:00〜19:00、入場料金は700円(税込)、中学生以下は無料。

公演データ
2006.3/18(土)〜4/24(月) Bunkamuraシアターコクーン
【スタッフ】 作=四世鶴屋南北 演出・美術=串田和美
【キャスト】 中村勘三郎/中村橋之助/中村七之助/坂東新悟/笹野高史/片岡亀蔵/坂東弥十郎/中村扇雀 ほか

・チケット発売中
・全席指定1等平場席・椅子席13,000円/2等席8,500円/3等席4,500円、当日立見A 3,500円/立見B 2,500円
・お問い合わせ=ハローダイヤル TEL.03-5777-8600