新国立劇場制作発表 劇的な情念をめぐって世界の名作より「シラノ・ド・ベルジュラック」「イワーノフ」「オイディプス王」 - 2006年10月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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 60年代に早稲田小劇場を率いて日本の演劇界を牽引し、70年代半ば以降は、富山県利賀村での演劇活動を皮切りに主に地域での創作、世界各地の劇場との共同作業を中心に活動してきた演出家・鈴木忠志が、ヨーロッパの名作に新解釈を施した3作品の交互上演で、この秋、新国立劇場に初登場する。

 新国立劇場芸術監督の栗山民也、そして『シラノ・ド・ベルジュラック』の主演俳優の新堀清純(静岡県舞台芸術センター/SPAC)、今回新たにオーディションで選ばれた6人の女優たち(『シラノ・ド・ベルジュラック』に出演)とともに、鈴木忠志は笑顔で会見場に登場した。「日本演劇の確かな形を作った人の現在を観たいと思っています。東京の、若い観客の方に是非足を運んでもらいたい公演です」という栗山の挨拶に続き、マイクを握った鈴木の言葉は、演出家としてはもちろん、公共劇場を担うものとしての確固たる自負に満ち、集まった記者たちとの対話も深く、広がりのあるものとなった。
鈴木忠志のコメント(抜粋)

新国立劇場に初登場すること/16年ぶりの東京公演について
 今回のお話は死ぬまでにあと何ができるだろうと考えていたところに栗山さんから頂いたんです。日本の演劇、特に新劇はヨーロッパ演劇の影響を受けている。その流れの最も中核にあるのが新国立劇場だと思うんです。それに対して私は、日本の演劇が持つヨーロッパコンプレックスを脱して、日本の演劇システムを確立しようと活動してきましたし、そういった視点が評価を得たとも思っている。けれど、この関係はつまり、私の今があるのは新劇があってのことなのだ、考えることもできるわけです。だからこそ私なりの視点で、こうした施設の価値を伝えることができるんじゃないか。私は演劇が好きだと思ったことはなく、ただこれをやると社会が見えてくる、役に立つことがあると思うからやっている。今回も栗山さんや演劇の助けになるかもしれないなと思ってやっています。

 (ひさびさの東京公演となることについては)静岡(県舞台芸術センター)では僕が人事や予算の執行権を持っており、そこは演劇の専用施設でもある。これだけのことをやっておきながら、よその仕事を身軽にできないという事情はありました。僕には県民への対応をしていく責任と義務がある。だから外国からの特別なオファーにだけ限定して仕事をしてきたことはあります。それが今回は、新国立劇場と静岡との共同制作という形で公演を実現させることができたわけです。

数あるレパートリーの中から今回の3作品を選んだ理由
 シェイクスピア、チェーホフ、ベケット、ギリシャ悲劇。僕はこの4つから、ヨーロッパの精神を知ることができると考えています。私は、私なりの視点で(これらのヨーロッパ的作品を)見せることで世界の評価を得てきた。鈴木の方が理解しているとか、やめてくれ、とか反応はいろいろだけれど。そういった作品の中から、シェイクスピアはモスクワ芸術座が僕の演出した『リア王』で来日することもあり、今回はギリシャ悲劇とチェーホフを。で、ベケットは少し前衛的だから、どうかなぁ、劇場になじむかなぁと。それなら古典にしようと思って、ベケットの活躍したフランスの有名な作品を選んだということです。

『シラノ・ド・ベルジュラック』のオーディションについて
 一つの劇場、特に公共劇場ができるということは、雇用が創出され、若い人たちに希望を与えるということでもある。静岡では俳優もスタッフも、中身を作る人間は皆、公募しました。その経験から(公共劇場の中核である新国立劇場との共同制作作品で)、オーディションをやろうと考えたわけです。約300人の方にお会いしました。スポーツと同じで、それぞれの排気量はいろいろあるだろうけれども、止まっていても動いていても潜在的なエネルギーがある人。またそのエネルギーにフレキシビリティがあること。そして言葉への感受性を持っていること。こういったところに視点をおいて、今回の6人を選びました。
公演データ
「シラノ・ド・ベルジュラック」
新国立劇場 中劇場(11/2〜12)

「イワーノフ」/「オイディプス王」
新国立劇場 小劇場(11/4〜12)

*両公演ともに、Z席1,500円/当日学生券、また、3作品特別割引通し券あり。詳細は問合せを
お問い合わせ=劇場ボックスオフィス TEL.03-5352-9999