劇作家の木下順二さん死去 - 2006年12月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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 民話に取材した『彦市ばなし』『夕鶴』、「平家物語」を題材に無常の運命を生き抜く人びとの姿を描いた大作『子午線の祀り』など、日本演劇史に残る多くの傑作を残した劇作家の木下順二さんが、肺炎のため30日に死去した。享年92歳。本人の遺志により葬儀は行われない。

きのした・じゅんじ 1914年東京都生まれ。1936年に東京帝国大学英文科に進学し、中野好夫のもとでエリザベス朝演劇、シェイクスピアを専攻する。同大学院修士課程を41年に修了し、明治大学の講師として教鞭を執る一方で、『彦市ばなし』をはじめとする民話劇を執筆。1949年に初演された『夕鶴』は、「ぶどうの会」の山本安英主演で1037回の上演を重ね、その後も97年から坂東玉三郎主演で上演される代表作となった。さらに、ゾルゲ事件を題材にした『オットーと呼ばれる日本人』、沖縄の祖国復帰問題に迫った『沖縄』、東京裁判をモチーフに戦争責任を追究した『神と人とのあいだ』第1部「審判」・第2部「夏・南方のローマンス」など、戦争の歴史に真摯に向き合った戯曲を発表し、戦後日本を代表する劇作家としての評価を確立。78年に初演された『子午線の祀り』は、能・狂言・歌舞伎・新劇の演技術を融合し、西洋のギリシア悲劇にも匹敵する壮大な世界を描いた傑作として戦後演劇史にその名をとどめている。78・84年に読売文学賞、85年に朝日賞を受賞。小説執筆やシェイクスピア戯曲の翻訳などにも取り組んでおり、その仕事は「木下順二集」(岩波書店)にまとめられている。