宝塚歌劇団宙組男役トップスター・貴城けい退団会見 - 2007年2月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/パレードより、貴城けい(左)と紫城るい
▲パレードより、貴城けい(左)と紫城るい
写真/『サヨナラショー』より、貴城(左)と紫城 写真/記者会見より、貴城

▲『サヨナラショー』より、貴城(左)と紫城

▲記者会見より、貴城
 宝塚歌劇団・宙組の男役トップスター貴城けいと、同娘役トップスター紫城るいが、2月12日の東京宝塚劇場公演『維新回天!竜馬伝』『ザ・クラシックーI LOVE CHOPINー』千秋楽をもって同劇団を退団した。

 12日の公演終了後“貴城けいサヨナラショー”が開催された。『コパカバーナ』より「Dancing Fool」「コパカバーナ」、『ワンダーランド』より「アラビアン・ハーレム」、『I heve a dream』より「時を越えて」、ディナーショー『NEXT DOOR』ほかより「奇跡」などを披露し、貴公子然としたたたずまいの中に時折見せる妖艶な雰囲気で人気を博してきた貴城の魅力をステージ上に凝縮。また、貴城の新人公演初主演作であり、紫城るいの初舞台作でもある『仮面のロマネスク』から、主人公の男女がラストシーンで突然訪れた切ない別れを惜しんで歌い踊る「男と女」を貴城と紫城がデュエットで披露した。そして、8カ月という短い時間の中で、互いに「最高の相手役」と呼び合うほどの“ベスト・カップル”に成長した二人の息の合った最後の姿を、ファンの目に鮮烈に焼き付けた。

 続く退団者あいさつでは、同時退団者5名に続き、紫城が「がむしゃらだった5年間の男役時代、女性としてたくさんのことを教えていただいた娘役の5年間。そのすべてが私を育ててくれました。一生分の幸せをいただいたぐらい幸せで、時が止まってほしいと何度も思いました。この感謝の気持ちはいつまでも私の心に残り、どんなときも支えてくれると信じています。先生方、組のみんな、最後にめぐり会って愛で包んでくださった貴城さん。そして、こんな私をどんなときも見守り支えてくれたファンのみなさまの愛。たくさんの愛に包まれて卒業できることを幸せに思っています。心からの愛を込めてありがとうございました」と、懸命に涙をこらえながら噛み締めるように話した。

 続いて貴城は「15年の宝塚生活の中で雪組は私を温かく送り出してくれ、宙組は温かく迎えてくれました。そしてファンのみなさまはそんな私を温かく見守ってくださいました。だれひとり欠けても“貴城けい”はありませんでした。ファンのみなさまのため、宙組のため、自分のため、今できることは何か……考えながら過ごしてきました。そんな中で、るいちゃんという最高の相手役とめぐり会い、宙組のみんなが盛り立ててくれました。今この宙組で卒業できることが心から幸せで、一生の誇りです。今まで温かく応援してくださったファンのみなさまをはじめ、すべての方々の愛を胸に、これからも私らしく歩んで参ります。心から、心からの感謝を込めてありがとうございました」と、男役らしいりりしい口調で客席に語りかけるとすすり泣きが大喝采へと変わった。最後は、通常は歌劇団のオリジナル・ソングの合唱で締めくくることが多い中、貴城本人の希望により「蛍の光」を合唱。卒業シーズンに先駆けた、すがすがしい旅立ちとなった。

 終演後には、貴城の会見が開かれ、記者たちの前に現れた貴城は「15年間お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいでございます。今日で男役とお別れするのはとても寂しいですが、思い残すことはございません! みなさまの温かいお心を忘れずに、これからも私らしく歩んで参りたいと思います。本当にありがとうございました」と語り、質疑に応じた。

Q:今後はどんな道を歩んでいきたい?
この千秋楽を迎えるまでは、公演だけに集中しておりましたので、今はまだ何も考えておりません。これからゆっくり考えたいと思います。

Q:宙組の主演男役に就任されてから今までの期間は、15年間の男役人生の中で、どういう意味を持っていたのでしょうか?
初舞台から去年までずっと雪組におりまして、雪組での思い出もたくさんありますが、やはりこの宙組での思い出というのは、多分自分にとっても一生忘れられないものだと思います。一番感じるのは、「時間の長さではない」ということ。とても短い時間の中で、すごく幸せな時を過ごさせていただいて、本当に宙組のみんなに感謝してます。美郷(真也)組長が、この間、「歌劇」のメッセージ(宝塚専門誌「歌劇」に掲載された貴城宛てのメッセージ)で、「(貴城が)宙組来たことには意味があった」というお言葉をいただきました。自分自身の中で、いきなり主演男役として組替えになって、短期間で退団していくということで、宙組のみんなに対して失礼なんじゃないのかななど、いろいろな不安や葛藤がたくさんありましたが、今こうしてみんなが精いっぱい盛り立ててくれて、支えてくれて、みんなの愛を感じることができて、本当に私は幸せだなと思っております。この宙組にいた期間、8カ月は、これからも私の支えになると思います。

Q:その言葉どおり、千秋楽のショーでは、出演者がアドリブで主題歌の歌詞「I LOVE CHOPIN」を「I LOVE かしさん(貴城の愛称)」に替えて歌うなど、貴城さんへの愛が感じられる場面がありましたが、それをお聴きになっていかがでしたか?
本当に全然知らなかったので、(舞台装置の)後ろでスタンバイしていたり、袖で着替えたりしていたんですけども、思わず耳をそばだてて聴き入ってしまうぐらい、「時間の長さじゃないんだな」っていうのを感じて、本当にうれしかったですね。(宝塚)大劇場のお稽古で宙組生全員と合流しまして、そこから大劇場公演、東京公演と、だんだんみんなが私になじんでくるというか、なついてきてくれるというか、一日一日そういう人が増えてきて、こんなに幸せでいいのかなと思うぐらいうれしかった。今日、歌詞を替えて歌ってくれたのも、本当にみんな忙しい中、いつ考えたんだろうと。お芝居でもそうですけども、「かしさん、こうしたいんですけど」とか、「ああしてもいいですか」とか言われて、本当にうれしいなあと。今日の千秋楽は、特に、忘れられない日になりました。

Q:サヨナラショーの最後に「蛍の光」を歌ったのは昭和30年代の公演以来とのことですが、どなたのアイデアだったのでしょうか?
とても良かったと思います。 私です。大劇場公演のときに、(千秋楽が)年末だったので、(スタッフと)ご相談して、歌わせていただいだきました。

Q:今朝起きてから、どういう心境で一日を過ごしてきましたか?
朝起きたときは、バタバタとしていて、あまり何も思わなかったのですが、日付けが12日に変わる12時に、「ああ、“宝塚・貴城けい”としているのは、この12日が最後なんだな」と感じましたね。楽屋入りをして、ウォーミングアップをして、舞台化粧をして、舞台に出る、ということを15年間当たり前のようにやってきて、当たり前のように千秋楽も迎えてきて、今までずっと自分は見送る立場でいたわけですけども、(今日の楽屋入りの時)ファンの方々と宙組のみんなが温かく迎えてくれて、「今日は見送られる立場なんだ」っていうのを改めて感じました。(今日は)いろんな方が、同期もそうですけども、手伝いに来てくれて、「みんなが助けてくれるから今こうしているんだな」「本当に一人じゃ何もできないんだな」っていうのを、3分おきぐらいに感じて過ごしていました(笑)。本当に幸せな一日……です、今もまだ(笑)。でも明日からはもっと幸せになりたいと思います(笑)。

 会見終了後は恒例の“パレード”が行われ、貴城は春先にぴったりの満開の桜の枝を、紫城はかれんな娘役らしい淡いピンクのバラを手に、紋付袴姿で楽屋口から登場。劇場前の沿道に詰めかけた数千人のファンからの大歓声に何度も手を振りながら、晴れやかな表情でゆっくりと劇場を後にした。

 なお、後任のトップスターには、宙組男役の大和悠河と、星組娘役の陽月華コンビが就任する。