パルコ劇場「新」スタンダードシリーズ『フールフォアラブ』公開舞台稽古 - 2007年2月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/香川照之(左)と寺島しのぶ

▲香川照之(左)と寺島しのぶ
写真/左から香川、寺島、甲本雅裕、大谷亮介 写真/左から行定勲、寺島、香川

▲左から香川、寺島、甲本雅裕、大谷亮介

▲左から会見時の行定勲、寺島、香川
 「世界の中心で、愛をさけぶ」「北の零年」などで知られる映画監督・行定勲の舞台初演出作『フールフォアラブ』の通し稽古が、初日前日の6日に公開され、出演者の香川照之や寺島しのぶらが、複雑な関係を秘めた男女の愛憎劇を体当たりの演技で見せた。

 行定が4年をかけて選んだという作品は、近年、映画脚本家・俳優としても活躍しているアメリカ人劇作・演出家、サム・シェパードの83年初演作。パルコ劇場では、86年に根津甚八、松居一代らの顔合わせで上演されており、今回は気鋭の演出家を起用して『ベント』『メアリー・ステュアート』など海外の名作を上演している同劇場のシリーズ、「新」スタンダートシリーズの第5弾としておよそ20年ぶりの再演となった。

 さびれたモーテルの一室を仮の住処とするメイ(寺島)のもとへ訪れる、元恋人のエディ(香川)。かつての関係を取り戻そうとするエディと、拒絶しつつも、去ろうとする彼を引き止めるメイの狂気じみた言動を、一人の老人(大谷亮介)が傍観者のように終始見守り続ける。やがて、メイのボーイフレンド(甲本雅裕)が現れたことをきっかけに、愛よりも深き二人の絆が明るみになり……。

 モーテルの一室という固定された画の中で、行定演出は奇をてらわず、映画・舞台で高い評価を受けている香川や寺島ら演技派キャストの持ち味を引き出すことで、ダイナミックさを生み出す。時に舞台装置をも壊さんばかりに壁にぶつかり、ベットの上で飛び跳ね、床に寝転がる香川と、髪をふりみだしながら絶叫したかと思えば急にしおらしくなる寺島。一見、無軌道にも見えるせりふや動きの緩急が、いらだち、憎しみ、さびしさを巧みに浮き彫りにし、表面的な態度の奥で結びついた二人の“愛”が徐々にあぶりだされていく。大音量に増幅された爆音のようなドアを閉じる音も、二人がかかえる離別への恐怖、痛みを感じさせ、役者の生み出す緊張感にいいスパイスを与えていた。東京公演は25日まで。

 当日行われた会見での行定、香川、寺島のコメントは以下のとおり。
行定勲(演出)
映画と違って、舞台は俳優に託すことが多い。(香川と寺島は)ホンを読んで、最初に思いついた二人。僕の演出がダメでも、力量のある俳優なら大丈夫だと(笑)。とにかくまずは俳優を観てもらいたい。稽古も毎日違うし、観ていて本当に飽きない。90分という時間の長さを感じさせないと思います。

香川照之
男女のいろんなもつれが凝縮されている作品。行定さんもきびしい題材を選んだなと思います。激しくないものがなくて、いまや何が激しくて、何が激しくないのか分からない。人は90分でどれだけボロボロになれるのか、ぜひ劇場に観にきてください(笑)。

寺島しのぶ
この舞台は、毎日毎日が私と香川さん、それから行定さんの“公開バトル”です。行定さんの初演出作品ということで、絶対に成功させないと、というプレッシャーはありますが、映画関係者も大勢観にくると思うので、自分のためにもがんばります(笑)。
公演データ
東京公演:PARCO劇場(2/7〜25)

*2/27(火)〜3/1(木)大阪シアター・ドラマシティでも公演あり。