『セレブの資格』公開舞台稽古 - 2007年3月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/左から愛華みれ、若尾文子、柴田理恵。舞台奥は小林十市。

▲左から愛華みれ、若尾文子、柴田理恵。舞台奥は小林十市。
 俳優・演出家・プロデューサー・作詞作曲家・歌手など幅広い活動で知られたユニークなイギリス人劇作家、ノエル・カワードが1951年に発表した喜劇『セレブの資格(原題 Relative Values)』。ある伯爵家の結婚騒動を優雅かつユーモラスに描く本作の本邦初演が、ベテラン女優・若尾文子主演で19日に開幕し、前日に舞台稽古が公開された。
 下手には壁一面にそびえる本棚、アンティークの大きなテーブル、中央にはゆったりとしたソファ、そして上手には庭へと通じるガラス張りのテラス。舞台いっぱいに広がる大広間に“セレブ”な暮らしぶりを物語る、古きよき家具や調度品が目を楽しませる。そんなイギリス貴族色たっぷりの空間にしっくりはまるのが前伯爵夫人フェリシティ役の若尾だ。稽古中にケガをしたという彼女だが、落ち着きある優雅な物腰で円熟味に富んだ女主人としての存在感を十分に漂わせる。映画女優との結婚を望む現伯爵の息子に頭を悩ませる母親の顔、身分違いの結婚を破談させようと画策する姑の顔、執事やメイドを大事にする思慮深い女主人の顔。どの演技も自然で人物のブレがない。若尾のいい意味での“マイペース”ぶりが、イギリス演劇ならではのせりふのウィットもくどくさせずに、おかしみをにじませる。

 一方、伯爵の結婚相手が絶縁状態の妹だと分かり動揺するメイド、モクシー(ミセス・モクストン)役の柴田理恵は、若尾とは対照的に、コメディエンヌらしさを発揮。のうのうと自分の過去を偽る妹の話に、姉だとバレないよう煮えくり返る気持ちを必死にこらえる姿など、喜怒哀楽のはっきりした演技で笑いを誘う。哲学的な言い回しが好きなしっかり者の執事・クレストウェル役の綾田俊樹の、一見奥が深そうだが軽妙なせりふ廻しも、随所で笑いのアクセントをつけていた。

 イギリスの階級社会を風刺したと言われる本作。だが、カワードがウィットで包んだ、身分や職業では量れない人間のおかしさや俗っぽさ、あるいは気品は、日本の観客にも十分伝わる。貴族にはなれないけれど、この舞台を観れば、“セレブ”な生き方のヒントは見つかるかも!? 東京公演は4月1日まで。
公演データ
2007.3/19(月)〜4/1(日) ル テアトル銀座

【スタッフ】 作=ノエル・カワード 翻訳=高橋知伽江 演出=高瀬久男 音楽=稲本響
【キャスト】 若尾文子/柴田理恵/愛華みれ/小林十市/縄田晋/小林高鹿/秋山エリサ/峰さを理/綾田俊樹

・チケット発売中
・全席指定9,000円
・お問い合わせ=キョードー東京 TEL.03-3498-9999

*4/14(土)・15(日)愛知・名鉄ホール、26(木)福岡国際会議場 メインホール、28(土)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも公演あり。