新国立劇場『夏の夜の夢』公開通し稽古 - 2007年6月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/写真下は妖精の女王役の麻実れいと、魔法で馬面に変えられた職人ボトム役の吉村直。上方から二人の様子を見つめるのは妖精の王役の村井国夫

▲写真下は妖精の女王役の麻実れいと、魔法で馬面に変えられた職人ボトム役の吉村直。上方から二人の様子を見つめるのは妖精の王役の村井国夫
写真/妖精パック役のチョウソンハ(左)と女王付き妖精役の神田沙也加 写真/会見時より。左からチョウソンハ、神田沙也加、ジョン・ケアード、麻実れい、村井国夫

▲妖精パック役のチョウソンハ(左)と女王付き妖精役の神田沙也加

▲会見時より。左からチョウソンハ、神田沙也加、ジョン・ケアード、麻実れい、村井国夫
 人間の世界と妖精の世界の恋模様が、夏の夜の森で入り乱れるにぎやかなシェイクピア喜劇『夏の夜の夢』が新国立劇場中劇場で5月31日に開幕。イギリスの名門劇団、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の名誉アソシエート・ディレクターであるジョン・ケアードを演出に迎えたことでも注目を集めている同作品の公開通し稽古が5月29日に行われた。

 日本ではミュージカル『レ・ミゼラブル』や『ベガーズ・オペラ』などの演出家として知られるケアードが、初めて日本で手がけるシェイクスピア作品『夏の夜の夢』。5幕構成というボリュームたっぷりの喜劇ということもあり、途中でダレないかが心配されたが、そこは本場の演出家だった。妖精パックの仕掛け損ねた「惚れ薬」に翻弄される恋する人間たち姿を、生演奏やダンスを随所に盛り込み、流れるようにシーンとシーンをつないでゆく。舞台美術もまた斬新だ。アテネの真っ白な館のセットが回り舞台で引っ込むと、出てくるのは階段と金属のオブジェを複雑にあしらった“森”。黒々と妖しい輝きを放つ“幹”や“枝”に、妖精たちが駆け上ったりぶら下がったりする姿を見るうちに、森が野生の生気を帯びているような感覚になる。人間が迷い込む暗い迷路のような森を、妖精が遊び戯れる幻想的な異世界へと変貌させる、照明の細かな使い分けも冴えていた。

 村井国夫や麻実れいら日本人キャストも好演。燕尾服スーツ姿にサングラスをかけ、ノリノリで登場する“チョイ悪オヤジ風”の妖精王の村井も、セクシーな純白のドレスに身を包んで気ままに眠り、恋する“セレブ”な妖精の女王・麻実も、実に親しみやすいキャラクターで自然とこちらの頬がゆるむ。さらに、物語の要所要所に登場しては、ヘマをやらかして人の恋路をこんがらがらせる、いたずら好きの妖精パックを演じるチョウソンハが抜群の存在感を発揮。持ち前の俊敏さで見せる緩急自在な動き、茶目っ気たっぷりの表情、遊び心あふれる演技と、これぞハマリ役という熱演ぶりだった。

 公演は今月17日まで。稽古後に開かれた会見でのコメントは以下の通り。
村井国夫 アテネの公爵/妖精の王
とにかく楽しくて。ジョンが稽古で語ることも、彼が作る舞台もすべてが楽しい。この舞台は、ジョンのジーニアス(天才)以外の何ものでもないと思う。

麻実れい アマゾンの女王/妖精の女王
ジョンからとても素敵な空間をいただきました。それから、(共演者の)素敵な“お兄ちゃん”、“お姉ちゃん”にも囲まれて。楽しい“夢”を見させていただいています。

神田沙也加 女王付きの妖精
私は緊張しいなんですが、みんな優しくしてくれて、とてもありがたいです。(この舞台の稽古をしながら)舞台に立つことが大好きだ、と日々思っています。

チョウソンハ 妖精パック
みなさんの胸を借りて、もっともっと好き勝手やりたいと思います。

ジョン・ケアード(演出)
こんな素敵な日本の俳優たちと舞台を一緒に作ることができて幸せ。日本の俳優はイギリスの俳優よりも格が上ですね(一同笑)。