『ミザリー』公開通し稽古 - 2007年9月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
サイト内検索
すべて|
公演名|
人名・劇団名|
劇場|
演劇ニュース
様々な条件で検索
こだわり検索
注目キーワード

演劇ニュース

このエントリーをはてなブックマークに追加
ニュースを購読する
写真/渡辺えり子(左)と小日向文世
▲渡辺えり子(左)と小日向文世
写真/シリーズ小説「ミザリー」の最新刊を読み終えたアニーは震え出す 写真/改名した「渡辺えり」の色紙を手に。小日向は「なんだか二人の子供ができたみたい」と笑う。

▲シリーズ小説「ミザリー」の最新刊を読み終えたアニーは震え出す

▲改名した「渡辺えり」の色紙を手に。小日向は「なんだか二人の子供ができたみたい」と笑う。
 大ヒットした映画版でも知られるスティーンヴン・キングの傑作小説を舞台化した『ミザリー』が、2年ぶりに渡辺えり子と小日向文世の共演で29日から新宿・シアターアプルで再演される。27日、通し稽古を前に行われた会見では、渡辺の改名が発表される一幕もあった。
 過剰なまでの愛情が一転、監禁という名の独占欲、罰という名のサディズムに変貌する恐怖――。映画版でキャシー・ベイツが好演した、人気作家ポールの大ファンである元看護婦のアニー役を、渡辺はよりいっそう感情の起伏の激しい人物として見せる。まるで少女のように飛び跳ねて喜びを爆発させたと思いきや、小日向扮するポールが口にした何気ない一言が、彼女の心を凍り付かせ、つっけんどんな物腰に変わる。コミカルな展開が一気に戦慄の走る恐怖の情景に変化する様は、まさにスリリングだ。暗転時にはリズムが外れた音楽が流れ、無言のアニーが照明のスイッチを入れたり切ったりを繰り返すなど、じわじわと恐怖を増幅させる演出が細かい。アニーの生い立ちを深く掘り下げ、ポールの作家としての欠点を浮き彫りにするなど、映画版とは異なる視点が盛り込まれているのも新鮮だ。

 ベッド上で寝たきりになったり、車椅子で舞台上を動き回ったり、制約の多い中での演技を強いられる小日向は「内容も役者自身も逃げ場がない大変な芝居。今回は役をより深く掘り下げて、観客に緊張感を与えたい」と再演への意気込みも十分。一方の渡辺は「単なるスリラーじゃなく、生きていること自体が辛い、悲しいと感じるようなマイノリティーが受けた心の傷を描いている深い芝居。格差社会なんて言われる今の社会にマッチしてると思う」と作品の現代性をアピールした。

 さらに会見では渡辺の改名に質問が集中。前日に芸名を「渡辺えり」に変えたことについて、美輪明宏から画数を理由に「“子”を取ったほうがいい」とアドバイスされたと明かした。「心身ともに耐えられないことが多かった」と最近を振り返り、稽古中にも扁桃腺を腫らして病院で治療を受けていたという。「『ミザリー』はもちろん、その後も舞台が続くので、一つ一つしっかりと取り組めるように」と改名効果へ期待を寄せていた。

 東京公演は10日まで。埼玉・長野・福井・兵庫・山口・富山・山形・北海道でも公演あり。
 大衆向けシリーズ小説「ミザリー」でミリオンセラー作家となったポールは、嵐の中、車を走らせている途中に過って崖から転落してしまう。瀕死の彼を救ったのは付近に住んでいた元看護婦のアニー。アニーの家で2週間ぶりに目を覚ましたポールは、彼の小説の熱狂的ファンである彼女の献身的な介護によって徐々に回復していく。だがある日、楽しみにしていた「ミザリー」シリーズ最新刊を手に入れたアニーは、その悲劇的な結末を知ってポールへの態度を豹変させ……。