中村勘三郎・森光子共演『寝坊な豆腐屋』公開舞台稽古 - 2007年10月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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写真/左から森光子、金内喜久夫、角間進、坂東彌十郎、中村勘三郎
▲左から森光子、金内喜久夫、角間進、坂東彌十郎、中村勘三郎
写真/母・澄子(森)が家を出た理由を知った清一(勘三郎)は秘めていた想いを打ち明ける 写真/会見より。左から山田洋次、勘三郎、森

▲母・澄子(森)が家を出た理由を知った清一(勘三郎)は秘めていた想いを打ち明ける

▲会見より。左から山田洋次、勘三郎、森
 2日から新橋演舞場で開幕した「錦秋演舞場祭り 中村勘三郎奮闘」公演。昼の部は「十月大歌舞伎」と題し、『俊寛』『連獅子』『人情噺文七元結』と歌舞伎3演目を上演するのに対して、夜の部は懐かしき昭和を舞台にした新作人情喜劇『寝坊な豆腐屋』に挑むという異色の構成だ。初日前日に『寝坊な豆腐屋』の舞台稽古が公開され、初共演となる座長・中村勘三郎と森光子が、笑いと涙が入り交じる母子の物語を繰り広げた。
 二年後に東京オリンピックを控えた1962年夏。寝坊ぐせが直らない下町の豆腐屋・清一(勘三郎)は、仕込みが間に合わず、今日も今日とてなじみ客に朝から怒られる始末。そんなだらしない弟を叱る姉・ひろこ(波乃久里子)から、幼きころに突然家を出た元芸者の母親・澄子(森)が金貸し屋として成功し、隣町に引っ越してきたことを聞かされた清一は……。

 再会してもなかなか母へのわだかまりが消えない意地っ張りな清一を、勘三郎が好演。昔気質で気のいい中年男の愛嬌がにじみ出るのは、勘三郎ならではだ。一方の森は、淡々とつぶやくようにしゃべるせりふの中に、女社長としての貫禄を十分感じさせる迫力を見せれば、一転笑みを浮かべて、元芸者ならではのかわいらしい仕草で笑いを誘う。力みも「演じる」という衒いも消えた、女優としての長年の経験からふと湧き出すような自然な演技は見応え十分だ。

 坂東彌十郎、片岡亀蔵、中村扇雀ら歌舞伎俳優たちが現代劇で見せる演技も新鮮。古き街並みを残すか、マンション建設で新しい街に生まれ変わるかで心揺れる住民たちの姿を波乃久里子、米倉斉加年、佐藤B作、金内喜久夫らベテラン役者陣とともに熱演していた。

 勘三郎と森の共演シーンは幾度も登場するが何といっても最大の見せ場は、母子二人きりで秘めていた想いを打ち明けるラストシーン。きっとハンカチ片手に笑いがこぼれることだろう。

 稽古前に行われた会見には、勘三郎、森とともに、昼の部に上演される『連獅子』『人情噺文七元結』を「シネマ歌舞伎」として撮影する映画監督の山田洋次も出席。「歌舞伎と芝居を昼夜かけて両方やるのは珍しい」と勘三郎が語ると、「ぜひ通して観ていただきたいね」と座長の“奮闘”を応援。そこへ森が「私も自分でチケットを買って昼の部を観に行かせていただきます」と一言。「(自分でチケットを買うなんて)やめてくださいよ!」と恐縮する勘三郎の姿が笑いを誘っていた。
公演データ
2007.10/2(火)〜26(金)  新橋演舞場

【スタッフ】 作=鈴木聡 演出=栗山民也
【キャスト】 森光子/中村勘三郎/波乃久里子/佐藤B作/米倉斉加年/金内喜久夫/大和田美帆/田根楽子/角間進/福本伸一/若杉宏二/武岡淳一/坂東彌十郎/片岡亀蔵/中村扇雀

・チケット発売中
・全席指定一等席15,750円/二等席10,500円/三階A席4,200円/三階B席2,520円/桟敷席16,800円 *昼夜公演共通
・お問い合わせ=チケットホン松竹 TEL.03-5565-6000