演劇集団キャラメルボックス ハーフタイムシアター・ダブルフィーチャクロノス・ジョウンターの伝説『ミス・ダンデライオン』『南十字星(サザンクロス)駅で』製作発表会 - 2010年2月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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左から成井豊、西川浩幸、岡田達也

▲左から成井豊、西川浩幸、岡田達也

「黄泉がえり」などでも知られる人気作家・梶尾真治の短編SF小説シリーズ「クロノス・ジョウンターの伝説」。いずれも、過去に飛ぶことができる半面、その反動で遠い未来に弾かれてしまうタイムマシン「クロノス・ジョウンター」が登場する物語で、想う人を救う、または愛する人に会うために過去へと飛ぶ主人公たちを描いた感動作だ。キャラメルボックスでは、『クロノス』(05年)、『あした あなた あいたい』『ミス・ダンデライオン』(06年)、そして『きみがいた時間 ぼくのいく時間』(08年)と題して、これまで4作品を舞台化してきた。

その「クロノス」シリーズの完結となる新作『南十字星駅で』と、再演の要望が高かった『ミス〜』が、劇団創立25周年の第一弾公演として上演される。特に『南十字星駅で』は、これまで全作品に登場し、危険を顧みずに過去へ向かおうとする主人公たちを止めることも多かったクロノス・ジョウンターの開発者・野方耕市が、亡き親友に会うためにいよいよ過去へ……というのが大きなポイントだ。一方『ミス〜』の主人公は、5作品のうち唯一の女性である樹里。彼女は、幼いころに恋心を抱いていた亡き青年・比呂志(ヒー兄ちゃん)の難病を治すために、新薬を持って過去に飛ぶ……。

製作発表では、2作品の脚本・演出を務めた成井豊、野方耕市役の西川浩幸、ヒー兄ちゃん役の岡田達也に加え、原作者の梶尾真治も駆け付けた。主なコメント(要約)は下記のとおり。

成井豊(脚本・演出)
「クロノス・ジョウンターの伝説」は、書店で再販された文庫をたまたま発見して一読し、とても感動しまして、翌日また書店に行き、10冊くらいまとめ買いして劇団員に読めと命令しました(笑)。それから劇団員の賛同を得て、梶尾先生に上演許可をお願いして。それくらい自分にとってもう、100点満点の作品なんです。昔からタイムトラベルものは大好きだったんですけど、これまでタイムトラベルものでしかもラブストーリーというのはそんなに多くなかったと思うんですよ。私の中では、NHK少年ドラマシリーズの「時をかける少女」くらいしか思いつかない。それが、梶尾先生の「クロノス〜」は、タイムトラベルもの=ラブストーリーとして書かれていて、しかも、ものすごく面白かった。

今年は劇団の25周年。それで何かを煽ろうとしているわけではないんですけど……なんとなくめでたいじゃないですか。15周年、20周年、25周年。5年ごとぐらいの区切りでよく頑張ってきたな、これからも頑張ろうっていう、そういう節目にはきっとなっていると思うんですよ。5年前に『クロノス』を初演したってことは、20周年から25周年の間、私たちはクロノス・シリーズをやり続けてきたわけです。こういったシリーズものができるのは、劇団を続けられてきたからこそ。今回の2作品は、この5年間のクロノス・シリーズの総決算だと思うんです。だから、「5年続けてきてこれかよ」「5本目でこれかよ」ではしょうがない(笑)。5年間で最高、5本目で最高のものを作ります。

梶尾真治(原作)
最初に、成井さんから舞台化したいというお話を伺った時、タイムトラベルものは非現実的な現象が出てくるもんですから、「舞台で表現できるんだろうか?」と思いました。でも、『クロノス』を拝見した時、演劇の力はここまであるのかとビックリしたんです。すべてをお任せしたまま、それから2作目、3作目とやっていただいたんですが、いずれも完璧に成井流の咀嚼(そしゃく)をやっていただいて、しかも私が考えていたことと何の齟齬(そご)もない演出をやっていただきました。もう、どんな褒め言葉を使っても足りないような感じがします。

<新作「野方耕市の軌跡」(『南十字星駅で』の原作)の野方耕市に、演じる西川浩幸に通じる描写があることに関して>
野方耕市に関しては、そもそも、こういう役柄を担ってもらうというキャラクターとしての設定はあったけども、具体的な顔は、作者の私にも見えていませんでした。ところが、舞台を拝見して、西川さんが演じられる野方耕市が、あまりにも強烈な個性を発揮していたので、私の中に焼き付けられちゃったんです(笑)。ですから、最終的に「野方耕市の軌跡」を書いた時には、頭の中の野方は完全に、救心のコマーシャルに出ている西川さんの顔になっていました(笑)。

西川浩幸 野方耕市役
僕にとって野方耕市は、5作品を通じていろいろな世界に登場させていただいているので、5年前よりずっと前から一緒に歩んでいるような気がする、本当に大事な役です。

梶尾先生が「野方耕市の軌跡」を新しく書かれた時には、はっきり言って、ものすごくプレッシャーがありました。先に読んだ劇団員からは「まだ読んでいないの? 大変なことになってるぞ」と言われ、読んでいる時には、上演するという前提もあったので「ヤバいな〜」と思い(笑)。成井の戯曲版を初めて読んだのは、台本を初めて手にした直後の本読み。お芝居を初めて25年になるんですが、本読みであれだけ泣いたことはないくらい感極まりまして。ちょっとこれは、稽古や舞台で自分はどうなってしまうのか分からないなと思いました。

<どこにそこまで心を動かされたのか、という質問に>
過去のあの時に戻って、やり残してきたことをやりたいというのは、誰もが一度は考えると思うんですね。自分が野方として台本を読んだ時、クロノス・ジョウンターを開発した時に一番やりたいこと……それはやはり、“あの時”に戻ってやり残したことをやることだって、理屈ではなくて、心で分かったんです。

でもそれをやるには、(過去を変えるということを)相手にも理解してもらわなければならない。伝えるためには、死力を尽くすしかないんです。さらに今回は、79歳の老人という設定。すでにいろんな思い出や人との関わりがあって、そういうものも捨てなければならない。それでもかなえたい願いがある……その重みを表現するのに、自分にできることは限りがなくて……非常に大変な、同時にやりがいのある役をいただいたなと思います。今回は、そんな野方耕市という役に出会わせていただいた感謝の気持ちを込めた公演になると思いますし、そして、野方とのお別れのお芝居になりますね。

岡田達也 青木比呂志役
4年前の初演でも同じ役を演じました。なので今回、再度原作や台本を読むという形になります。あらためて思ったのは、クロノス・ジョウンターの魅力は、ほかのタイムマシンなら、行きたい時代に行き、そして必ず元の時代に帰ってこられるという設定が前提になっているところを、その部分が不完全にできていて、過去に飛べば、現在よりさらに未来にはじき飛ばされてしまうという、その不完全さにあると思うんです。僕が出演する『ミス・ダンデライオン』では、それが、最後のどんでん返しに非常に大きな意味を持ってきます。生意気な言い方ですけど、本当によくできている作品だなぁと思います。クロノス・シリーズでは、唯一これが再演になります。なぜこれが再演されるのかという意味もかみしめて、4年前より、もう一つ大人になったところを舞台で表現できたらいいですね。

また、キャラメルボックスでは、「ハーフタイムシアター」といって、1年に一度必ず60分の短編演劇を上演しています。僕はこの上演形態が大好き。あまり長い間客席に着いているとお尻も痛くなりますし、短くて面白ければ、それに越したことはないですから。ハーフタイムシアターは、キャラメルの伝家の宝刀と言ってもいいと自負しています。梶尾先生のワールドがどれくらい表現できるか分かりませんけど、今までやってきた財産もありますので、それを自信に変えて、しっかり皆さんに素晴らしい作品をお見せしたいなと思っています。特に演劇の敷居は高いと思っていらっしゃる方にこそ観ていただきたいです。

【お詫びと訂正】
岡田達也さんのコメントを追加いたしました。訂正してお詫びいたします。

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