神奈川芸術劇場ラインアップ発表会 - 2010年7月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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2011年1月にオープンする神奈川芸術劇場のラインアップ発表が、7月28日に都内で行われた。会見には芸術監督の宮本亜門をはじめ、ロゴをデザインしたアートディレクターの佐藤卓、また宮本と劇場の今後について考えるクリエイティブパートナーの首藤康之、岡田利規、岩城京子、オープニングラインアップに参加する長塚圭史、三浦基、杉本博司が登壇し、それぞれの意気込みを語った。

まず宮本は、「芸術監督は、最もやりたくない仕事でした(笑)」とコメントし、会場の緊張を和ませた。「ヨーロッパでいろいろな芸術監督に会って話をするうちに、日本でも多くの人に舞台を観てほしいなという想いが強くなりました。生活の中に演劇が入っていけないか、そのために、できる限り自分の思うところを頑張りたいと思います」と語った。

続けて、宮本の強い希望で劇場のロゴデザインを手掛けることになったという佐藤が、デザイン決定までのいきさつを披露。さらに、「クリエイティブパートナーという言葉、聞いたことないでしょう? 私もです(笑)。これからの劇場の意味を、この3人の方々と一緒に考えていきたいと思っています」(宮本)として、国内外で活躍するダンサーの首藤康之、チェルフィッチュの岡田利規、フリーランスジャーナリストの岩城京子を紹介した。最後にオープニングラインアップ作品について、「劇場のカラーとして、<文学>をテーマにやっていきたい」という方針から、日本文学を舞台化するシリーズを立ち上げると発表。阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史(『浮標』)、地点の三浦基(『Kappa/或小説』)、現代美術作家の杉本博司(『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り 観音廻り』)らが登場した。宮本自身も、こけら落とし作品として三島由紀夫の『金閣寺』を手掛ける。

登壇者たちのコメントは以下の通り。なお、2011年6・7月に上演される『太平洋序曲』の出演者を募集中。詳細はパルコ エンタテインメント(03-3477-5857)まで問合せを。

宮本亜門
(こけら落とし作品『金閣寺』について)小説を戯曲化する難しさに苦しんでいます。『金閣寺』を選んだのは、孤独の中で不安に生きる主人公・溝口の姿が、現代の若者の姿と僕の中でぴったり合ったからなんですね。日本文学を通して「生きるとは何か」を考えていく、そのシリーズのひとつとして、『金閣寺』には普遍的なものがあると思いました。主演は森田剛君です。先日、蜷川(幸雄)さん演出の『血は立ったまま眠っている』を観て、彼の舞台への真摯な取り組みと繊細さが溝口役にぴったりだなと思いました。

佐藤卓
劇場のロゴデザインを手掛けるのは初めてで、亜門さんといろいろお話をしながら、“劇場はどういう場所か?”という原点までさかのぼって考えました。その結果生まれたのがこの “KAAT”のデザインです。これは、型で抜いた文字をイメージしているんです。劇場を一つの型、作品をそこから生まれ出るものと考えて、作品は型より膨らんでもいいし、はみ出してもいいんじゃないか、そういう物語を考えてデザインしました。

首藤康之
ダンスを通していろんな人と身体表現を追求してきましたが、世界にはまだまだいろんなすてきな人がいます。そういう方たちを、一人ひとり丁寧にご紹介できたら、と思っています。

岡田利規
ずっと神奈川に住んでいて地元感覚もありますから、いい劇場になるといいな、したいなと思います。面白い演目でお客さんをいっぱい呼ぶのはもちろん大切ですが、それだけじゃなくて、地域の人との関わりをつくっていくとか、パブリックって何なのだろうかということももっと考えていきたい。それと演劇って、歴史をつないでいくというか、まだ演劇を観たことがない人や、まだ生まれていない人のためにするという面があって、そういう意識も大切だと思っています。

岩城京子
今回お声掛けいただいて、驚いています(笑)。舞台を観る側としては、ただ作品として出来上がったものをどう観るかということだけではなく、それがどう作られた作品なのかとか、社会との接点を考えて観るように意識しています。それを、これからも考えていけたら、と思っています。

長塚圭史
僕は以前、三好十郎の『胎内』に出演しているのですが、昨年のロンドン留学中に『浮標』を読んで、あらためて三好作品のパワーに圧倒されました。現代は仮想世界でも生きていけるところがありますが、現実世界でたくましく生きている人たちが描かれています。今回はその作品世界に、稽古場で時間をかけて向き合いたいと思います。

三浦基
芥川作品のコラージュをやります。これまで僕は作品を選ぶ時、作家が日本人かどうかということはあまり意識してなかったのですが、亜門さんから日本文学シリーズというお話を聞いて、今回は慎重に考えて決めました。戯曲と違って、小説は発語が前提になっていないので、舞台化するのがとても難しいと思います。近々、この作品でリーディング上演をするのですが、俳優がどうリアリティーをもってせりふを発するのか、その難しさにいま取り組んでいるところです。

杉本博司
(文楽の人形と共に登場し、会場を笑いで和ませてから挨拶)海外に行くと、日本文化はどんなものか、と聞かれることがとても多いんですね。ということで、今回は『曾根崎心中』をやろうと思います。『曾根崎心中』は元禄時代に初演され、その後一時期上演禁止になっている作品です。復曲されるまでの間に、もともとどう演じられていたのかが分からなくなっている部分があり、今回は人形の遣い方は初演時にのっとり、また曲を新たにつくってもらって、古典の復曲を行います。

インフォメーション

【神奈川芸術劇場オープニングラインアップ】

日本文学シリーズ
2011年1月 『金閣寺』(原作=三島由紀夫/演出=宮本亜門)
2011年1月 『浮標』(原作=三好十郎/演出=長塚圭史)
2011年3月 『Kappa/或小説』(原作=芥川龍之介/演出=三浦基)
2011年3月 『春風亭小朝独演会(仮)』
2011年3月 『はなれ瞽女おりん』(原作=水上勉/脚本・演出・美術・作曲・人形操演=平常)
2011年3月 『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り 観音廻り』(構成・演出・美術・映像=杉本博司)

2011年2月 チェルフィッチュ『ゾウガメのソニックライフ(仮)』(作・演出=岡田利規)
2011年4月 『国民の映画』(作・演出=三谷幸喜)
2011年4月 イキウメ公演(作・演出=前川知大)
2011年6月 『太平洋序曲』『スウィニー・トッド』(作=S.ソンドハイム)
2011年12月 『ロッキー・ホラー・ショウ』(演出=いのうえひでのり)


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