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2011/10/13
話し声に色がつく!? 倉持裕×鵜山仁 新国立劇場『イロアセル』稽古場レポート!
9月、2011/2012シーズンを、【美×劇】—滅びゆくものに託した美意識—『朱雀家の滅亡』(作=三島由紀夫/演出=宮田慶子)でスタートさせた新国立劇場。同シリーズ第二弾は、倉持裕(ペンギンプルペイルパイルズ)の書き下ろし新作を鵜山仁(文学座)が演出。異色のタッグが楽しみな話題作だ。今作はシリーズ中、唯一の新作。「滅び」をキーワードに“日本人の美意識”を同時代作家の感覚で紡ぐ。
話す言葉に人それぞれ固有の「色」があるというファンタジックな設定の今作。9月某日、劇場の方から「稽古場に映像機器を持ち込んで、その“色”の表現も含めた稽古が行われることになりました」というメールをいただき、「それ何? 面白そう!」と、稽古にお邪魔した。期待高まる稽古場へ、いざ。
【声に色がある?】
舞台は、とある小さな島。住民の言葉には人ごとに色があり、どこで発言しても島中の人に見えてしまう。なので、彼らはいつも慎重に発言し、決してうそをつかない——というのが物語の発端部分。今作では、この“声の視覚可”を実際にしちゃうらしいのだ! ワクワクワクワク……。
稽古場に入ると、舞台の向こうにスクリーンを発見。俳優が舞台上でせりふを言うと、ここにモワモワモワ〜と色のついた煙が写される(ちなみに本番ではスクリーンいっぱいに映し出されるとか)。町長(剣幸)は黒、町議会議員(木下浩之)は白と、うん確かに、それぞれの色が違う。しかも、その煙のようなものは、発する声に反応して、形をくるくると変化させる! 聞くと、マイクで声を拾い、その大きさや強さで、投影した像の形状が自動的に変化するシステムだとか。目の前で交わされる会話とユラユラとした煙を併せて見ていくと、見えないはずの心の奥や、その人物の個性が浮かぶような不思議な感覚。これが稽古を重ねていくうちに、物語とどう絡み、効果を発揮していくのか。スタッフと俳優のコンビネーションに期待が高まる。
【ピリリと風刺の効いた喜劇】
さて、ここまで読むと「演出がすごいのは分かるけど、話は面白いワケ? 役者はどうよ?」というコアな演劇ファンの方々の声が聞こえてきますね。お答えしましょう。
この日、映像がないシーン、藤井隆演じる「囚人」が島民と話す場面が見られたのですが、なぜ映像がないかというと、この囚人の言葉は「無色透明」で、島民との会話も無色だから。この、色の「あり」「なし」を発端に人の心が徐々に変わるのだが、そこに、社会システムの変化、価値観・モラルの滅びなどなど、現代的なテーマが織り込まれるのだ。ネット社会の進行、経済の行き詰まりにより、ドラマチックに変化しそうな世界情勢を想像する向きもおられましょう。我々がまさに相対しているトピックを、風刺的かつ寓話的に構築。そんな世界を、映像・照明・音・演技を駆使して見せるのが眼目となるだろう。
お笑い、ミュージカル、小劇場、宝塚などさまざまなジャンルの表現方法を吸収している俳優がそろうのにも注目。多様なせりふ術のぶつかり合い・化学反応も、「声」がキーになるこの作品でこそ生きる予感だ。
取材・文=川添史子(本誌)
『イロアセル』
【スタッフ】作=倉持裕 演出=鵜山仁
【キャスト】藤井隆/木下浩之/小嶋尚樹/松角洋平/花王おさむ/ベンガル
島田歌穂/加藤貴子/高尾祥子/剣幸
2011年10月18日(火)〜11月5日(土)
・会場=新国立劇場 小劇場
・チケット発売中
・料金=全席指定A席5,250円/B席3,150円
・お問い合わせ=新国立劇場 TEL.03-5352-9999
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