北村有起哉主演×東憲司作・演出 こまつ座『戯作者銘々伝』公開稽古 - 2015年5月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『戯作者銘々伝』公開稽古 1 後列左から相島一之、山路和弘、玉置玲央、阿南健治、前列左から東憲司、新妻聖子、北村有起哉、西岡徳馬、井上麻矢

▲ 後列左から相島一之、山路和弘、玉置玲央、阿南健治、前列左から東憲司、新妻聖子、北村有起哉、西岡徳馬、井上麻矢

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『戯作者銘々伝』公開稽古 5

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こまつ座の新作公演、東憲司版『戯作者銘々伝』の舞台稽古が、今月24日の開幕に先駆け公開された。

本作は、故井上ひさし執筆の小説「戯作者銘々伝」「京伝店の烟草入れ」をもとに、劇団桟敷童子の東憲司が戯曲化したもの。黄表紙や洒落本が風俗を乱すととがめられ弾圧された江戸時代後期。そんな状況にも屈せず、“笑い”にすべてを賭けた戯作者たちの鬼気迫る生き方を描く。東は演出も手掛ける。

公開稽古前に行われた記者懇談会には、こまつ座代表取締役・井上麻矢と東憲司が出席。『戯作者銘々伝』の上演決定に至るまでの経緯などを語った。

井上麻矢(こまつ座代表取締役)
東さんと何かご一緒しましょうという話は、井上ひさしの生前からずっとあったんです。しかし(井上ひさしが他界してしまい)なかなかその話を詰める機会がなかった。久しぶりにお会いした時に「戯作者銘々伝」をたまたま私が読んでおりまして、これは東さんとマッチングさせたらすごく面白いんじゃないかと思い、すぐ本をお渡ししたところ、東さんが「本読みました。それやりますよ」と言ってくださってから、この企画がスタートしました。(劇中歌と音楽を担当する宮川彬良について)『ムサシ』で宮川先生とご一緒した際、「非常に乾いた、乾いているんだけれどとてもいい“乾き”を持った曲をつくられる方だよね」と井上ひさしが言っていて、またぜひご一緒したいと思っていたんです。まだ作品が出来上がる前の段階でお話ししたにもかかわらず快諾していただけました。

東憲司(作・演出)
この作品を舞台化しないかと言われた時は、非常に光栄でうれしいと同時にものすごい重圧が押し寄せました。戯曲化するにあたって、江戸のことをもっと、井上ひさしさんの世界観をもっと勉強しなければならないと思い、遅筆堂(*注)に行ったんですが、あまりの蔵書の多さに打ちのめされてしまって。僕は山形に住まなきゃだめなんじゃないかなと思い、帰りには不動産屋をまわっていました。そして(アパートを借りて)7週間遅筆堂に通いました。小説は振り返って読むことができますが、舞台ではそれができない。井上先生の言葉や世界観がお客さんに伝わることを念頭に置きながら書きました。井上先生の戯曲は全部読みましたし、過去の作品から息づいている井上先生のメッセージも盛り込んだつもりでいます。しかし、僕が「戯作者銘々伝」を読みすぎた、井上先生の作品を読みすぎてしまったせいで、書いている途中にどうしていいか分からなくなってしまいまして。最初もらったものをただ解体すればどんなに楽だっただろうと思ったくらい気持ちが入りすぎてしまい、葛藤の毎日でした。とにかく、井上ひさしさんの世界に入ることだけを心掛けて書いたつもりです。

また、今回のような試みが今後続くのかという質問に対し井上は、「新たなことをやっていくというのは父の遺言でもありました。『劇というものはコンクリートでつくられたものではない。海のようにいろんなところに入り込んではどんどん広がっていくもの。自分の構想の根っこにあるものは腐ることはないから、その根っこからすくすく育っていくような、そういう広がり方をすることはきっとこの先あるだろう』と。演劇というものは時代をはらんでいくもので、新しいことに果敢にチャレンジしていくのはこまつ座の、というかすべての劇団の使命のようなものだと思っています。なるべく臆せず取り組んでいきたいです」と、今後の劇団の展望についても語った。

続いて行われた公開稽古では、出演者も意気込みを語った。

北村有起哉 山東京伝役
今回のこまつ座公演は、本当に新しい輝かしい一歩目となります。小説をもとに戯曲化するという作業はやはりそう簡単にいくものではないと、日々肉体を通して痛感しています。江戸の時代に社会にかみついた戯作者たちの生き様を、現代の皆さんにも生き生きと、目の前で描かせていただければと思っております。

新妻聖子 お園役
今回、唯一の女性キャストとして必死で役割を果たさなければと奮闘する毎日です。男性の偉人伝なのですが、その中にも確かに女性が生きた証があったのだということをなんとか表現していけたらなと思っています。全く新しいこまつ座の新作にどうぞご期待ください。

玉置玲央 幸吉役
こまつ座さんに参加させていただくのは初めてなのですが、世代が一回り違う自分に何ができるのかということと真摯に向き合っていきたいです。自分は花火師の役なので、この座組、作品が、一つの花火としてお客さまに届けばいいなと思っています。でっかいでっかい花火を打ち上げたいです。

相島一之 蜀山人役
こまつ座が新しく作品をつくる。井上先生の作品をもとに東さんが戯曲を書き下ろし、そこに自分が参加できること、そしてこの魅力的なキャストとがっつり組めることが大きなモチベーションです。私の昔からの戦友、阿南健治と舞台をやるのは劇団(東京サンシャインボーイズ)解散以来になるのかな。それも楽しみの一つです。

阿南健治 伝八郎役
相島との久しぶりの共演、ほかの素晴らしい役者の方々とも共演できることを楽しみにしつつ、役をまっとうしたいです。これまでにいた多くの戯作者の方々が見たくなるような楽しい舞台が繰り広げられたらなと思っています。

山路和弘 朋誠堂喜三二役
とても魅力的なキャストの面々で、この人たちとなら自分も楽しめるなと想像したとおりの稽古場になっています。この当時の戯作者の心の内は僕らには分かりませんが、一生懸命やってるように見えて実はそうじゃない、チャチャっとやってるんだよっていう態度で(笑)最後までいられたらいい感じにできるんじゃないかなと、今は思っています。

西岡徳馬 蔦屋重三郎役
(自身が演じる)蔦屋重三郎という役は、以前、別の作品でも一度演じた役なので縁を感じています。“戯作者”そのものがちょっと分かりにくいと思うんですが、それを井上先生の“むずかしいものをむずかしく見せず、やさしく見せる”というテーマを重々ご理解している東さんが演出することによって、分かりやすくなっていると思います。楽しい舞台になるんじゃないかと稽古で手応えを感じています。

 *注)「遅筆堂文庫」は、井上ひさしから寄贈された蔵書7万冊をもとに1987年、井上の故郷である山形県東置賜郡川西町に開設された。井上ひさしの戯曲をはじめ、作品を生み出すために集めた資料や蔵書など約22万点を収蔵している。

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インフォメーション

こまつ座第109回公演
東憲司版『戯作者銘々伝』

【スタッフ】原案=井上ひさし(「戯作者銘々伝」「京伝店の烟草入れ」) 作・演出=東憲司 音楽=宮川彬良
【キャスト】北村有起哉/新妻聖子/玉置玲央/相島一之/阿南健治/山路和弘/西岡徳馬

2015年5月24日(日)〜6月14日(日)
・会場=紀伊國屋サザンシアター
・チケット発売中
・料金=全席指定8,000円/夜チケット7,500円/学生割引5,500円

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