浦井健治&ソニン出演×鵜山仁演出『トロイラスとクレシダ』製作発表会 - 2015年6月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『トロイラスとクレシダ』会見 1 浦井健治(左)とソニン

▲ 浦井健治(左)とソニン

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『トロイラスとクレシダ』会見 2 後列左から横田栄司、吉田栄作、渡辺徹、今井朋彦、前列左から江守徹、浦井健治、ソニン

▲ 後列左から横田栄司、吉田栄作、渡辺徹、今井朋彦、前列左から江守徹、浦井健治、ソニン

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今夏、浦井健治&ソニンらの出演で上演されるシェイクスピアの異色作『トロイラスとクレシダ』。その製作発表が、2日に行われた。

トロイ戦争を背景に、戦いに翻弄される恋人たちを描いた『トロイラスとクレシダ』。悲劇的でありながら喜劇的・笑劇的・風刺劇的要素も多く含むことから、シェイクスピア作品の中でもっとも分類困難な“問題作”とされている本作を、シェイクスピア作品を数多く手掛けてきた文学座・鵜山仁の演出で上演する。キャストに、浦井、ソニンのほか岡本健一、渡辺徹、今井朋彦、横田栄司、吉田栄作、江守徹といった実力派たちが集結した。

会見には、鵜山、主要キャストのほか、翻訳の小田島雄志が出席。主なコメントは以下の通り。

小田島雄志(翻訳)
この作品は僕が学生時代にシェイクスピアに興味を持った時、イギリスでシェイクスピアをやってる知人に(どんな作品か)聞いてみたところ、「演出家が一番やりたがるホンであり、観客が一番観たくないホンであるというので有名」だと。演出家にしたら「俺だったらこうしたい、こうやるぞ」というものがあるからでしょう。でもお客さんにしてみると、悲劇か喜劇か歴史劇かよく分からない、すべての要素がありながら途中でぱったり終わっちゃうような芝居だからあまり喜べない……という評判でした。それが最近、人間というものはそうはっきり割り切れるものではないんだという人間観が広まってきてから、「結構面白いんじゃないか」という興味が観客の方にもわいてきた……今はちょうどそんな時期だと思います。僕自身がこの舞台を観たのは、文学座の1回目のシェイクスピアフェスティバルの時。江守君がハムレット、太地喜和子がジュリエットをやって……イギリスの演出家ジェフリー・リーヴスが『トロイラス〜』をやって、面白いなと思ったけど、“分からないけど面白い”というふうに条件が付きました。今は“分かった上で面白い”っていう作品になっているだろうと……鵜山君の演出に非常に期待し、楽しみにしています。

鵜山仁(演出)
昨年、文学座でシェイクスピア生誕450年にあやかって『尺には尺を』という作品をやった時、小田島先生が稽古初日のごあいさつで「これも面倒くさいけど、もっと面倒なものがある、それは『トロイラスとクレシダ』だ」と。それを聞いて「これだ!」と思いました(笑)。愛とか信義とか名誉とか、プラスの性質である良きものが壊れていく時、どのくらいのエネルギーを出すか。崩壊エネルギーを極大に感じられた時、そこから先、生きていくために何が必要か、何が支えになるか……観客に委ねられることかもしれませんが、そういうことを描いた作品なのではないかと思っています。ヨーロッパとアジアの境目にある地域の話なので、いろいろな価値観が混在し、それがまたひっくり返ったりします。そういう混沌の中から未来の姿が見えてくるのか、というのはわれわれの問題でもあるし、その辺にも触れることができたら。それも、やはり芝居ですから、理屈でというよりも息遣いや表情から出てこないといけないと思います。

浦井健治 トロイラス役
今鵜山さんがおっしゃった“混沌から未来へ”というのがテーマなのだろうなと、興味深く聞いていました。僕が演じるトロイラスは開口一番、「戦争に行きたくない」と言っている。それが僕の中ではインパクトがあって、とても人間的だなと思っています。トロイ戦争の話や、恋愛が(表面的には)取り沙汰されていますが、トロイラスもそのことによって成長し、変化し、崩壊していく……というところがとても現代的で、現在の日本をも表しているのかなと漠然と思っています。この座組でやれることを幸せに思いますし、同時にとても緊張しています。そして、いつも鵜山さんにお世話になる時に敵対する役が必ず岡本(健一)さんというのも、とても恐ろしくもあり(笑)、しっかりと食らいついていけるように……。兄であるヘクター、父である王、そうそうたる時代を背負ってきた諸先輩方の背中をちゃんと見つめながら、信頼するクレシダ役のソニンさんと一緒にやっていけたらと思います。

ソニン クレシダ役
お話をいただいた時に、もう二つ返事で決めました。私はシェイクスピア劇が2回目なのですが、以前『ヘンリー六世』に出させていただいた時と、同じ演出家と翻訳家。その時に出演されていたキャストの皆さんも多くこのカンパニーにいらっしゃいますし、何よりも私の大好きな文学座の役者さんたち、そのほか豪華すぎるキャストの皆さんがいて、ノーという選択はなかったです。それで、この原作を読んで、「あらら、これは難しいな」というのが第一印象でした(笑)。喜劇なのか悲劇なのか歴史劇なのか……という話がありましたけれど、人生というものは時に悲劇だったり、滑稽だったり、美しかったり汚かったり……と、すごく混沌としている世界だと思うし、それがすべて混ざり合っている物語なのではないかと思いました。問題作と言われているこの作品の、今回のカンパニーの“正解”みたいなものは鵜山さんの演出に任せるとして、私はチャレンジ精神を持って楽しみにしています。クレシダという役もすごく難しいと思っていて、どうなるかまったく思い描けないんですけど、それが逆にすごく楽しみです。

岡本健一 ダイアミディーズ役
そんなに先入観なく作品を読むと、ものすごく喜劇的だなと思いますし、お客さんに「どっちか(判断を)任せますよ」と投げ掛けたりするのは演劇的でもあるなと。戦争、権力、愛、そういったいろいろな物語が同時に進行していく中で、僕の担当するのは誘惑。というか……出会っちゃったわけですよね、女性と。休戦中ではあるけど敵国の女性と出会い、それが一つの運命なんじゃないかなと思っています。お互いが一目惚れ同士で出会い、愛をささやき、語り……そこには戦争も何も関係なく、男と女の結びつきみたいなものを非常に感じます。そういう“情欲担当”ですかね(笑)? この作品、それぞれ“担当者”がいるような気がするんです。この人が原因でこういうことが起こった……と、それも面白いと思います。久しぶりにソニンさんに会いましたが、本当に美しい。浦井君とも戦う場面もあると思うんですけれども、渥美(博)さんという非常に強力な殺陣師がつくので……基礎体力をつけて、戦争とセックスを体現できたらなと思ってます。

吉田栄作 ヘクター役
まだ本読み稽古も何も始まっていない段階なので、台本を読みながら、いろいろ想像を膨らませているところなんですけれども。俺の担当は何なんだろうな。立場上、やはり長男ということもあり、国を背負って兵士をバタバタと倒してきたのであろうけれど、本当はヘクターは戦いたくないのかな、血を流したくないのかなと思うところもちょっとあります。与えられているせりふの中で、そういうところがにじみでればいいのかなと思っています。鵜山さんとやらせていただくのもとても久しぶりなので、共演者の方々、スタッフの方々と、素晴らしい作品にできたら。あ、俺の担当は渥美さん(アクション)かもしれないね(笑)。まずは稽古場でいろいろな化学反応が起こるのを勉強させてもらいつつ、楽しんでいければと思っています。

渡辺徹 パンダラス役
今までご挨拶いただいた皆さんも、誰もが知っている皆さんで、話題の作品に出まくっている人たちばかり。ここから(挨拶する人たち)が文学座のメンバーになりますが、この作品、文学座としてもかなり力が入っております。ここだけの話なのですが、文学座には役者が160人くらいいるのですが、その中でも外で売れているメンバーだけを集めています!(場内笑) 江守先輩をはじめ、ほかにも大勢頑張っているメンバーが集まっていますので、かなり面白いものができるぞ、いや、しなければいけないなと。パンダラスは唯一歌う場面があり、オペラタッチで歌うのか、どうするのか、ついさっきそこで演出の鵜山氏に聞いたら「あぁ! 月亭可朝みたいな感じで」って……相談しなきゃよかったなという感じなんですけど(笑)。先ほど小田島先生から、非常に難しい作品であるというお話がありましたが、身内を持ち上げるのはなんですが、鵜山に任せておけば絶対面白くなる。面白くなかったらすべて鵜山の責任です。(場内笑)素晴らしいメンバーに恵まれましたし、(トロイラスとクレシダの仲の)取り持ち役なので、稽古場でもいろんなことを取り持ってまいりたいと思います(笑)。

今井朋彦 ユリシーズ役
渡辺先輩の後は本当にしゃべりにくいんですけれども(笑)。この二人(渡辺、横田)に挟まれると自分の貧弱さが身にしみます。腕力には自信がないのですが、せいぜい策略担当ということで同じ舞台に立てたらいいなと思っています。シェイクスピア作品というのはどうしても、なんとなく敷居が高いという意識があって、稽古が始まる前は、大きな荷物をしょって海を渡っていく前のような心境で(いつもは)臨んでいたのですが、今回は事前に台本を読んでいる時からあまりそういう感じがなく、わりと軽装で、地続きのところに歩んでいくような心境です。自分の年齢的なこともあるかもしれませんし、作品が持つ現代性みたいなこととつながっているのかなとも思っています。よく知った皆さんとご一緒できますので、稽古場でもあまり構えることなく、リラックスしながらいい作品につなげていけたらと思います。

横田栄司 アキリーズ役
シェイクスピアが書いた英雄アキリーズはどこか人間くさくて、バカで、直情径行。人間くさいアキリーズになったらいいなと思ってるところです。シェイクスピアはたくさんやってきたつもりではありますが、年々、本当に嫌で(苦笑)、嫌で嫌でしょうがなくて、特にこの(稽古に入る前の)時期は、逃げ出したくて……。だんだんシェイクスピア作品をやるのが怖くなります。でも、さっき徹さんのスピーチを聞いて少し気が楽になりました。楽しんでやれたらいいなと思っています。

江守徹 プライアム役
みんなよくしゃべるので……僕は一言だけ。新人のつもりで頑張ります。よろしくお願いします。(場内拍手)

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