井上芳雄主演 新国立劇場 ミュージカル『パッション』製作発表会 - 2015年9月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『パッション』会見 1 左からシルビア・グラブ、井上芳雄、和音美桜、福井貴一

▲ 左からシルビア・グラブ、井上芳雄、和音美桜、福井貴一

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『パッション』会見 2 井上芳雄

▲ 井上芳雄

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新国立劇場2015/2016シーズンの幕開けを飾るミュージカル『パッション』の製作発表会が行われた。

これまでに、『太平洋序曲』『Into the Woods』とスティーブン・ソンドハイムの作品を上演し、好評を博してきた同劇場。今回、80年のイタリア映画「パッション・ダモーレ」をもとに94年にブロードウェイで初演され、トニー賞作品賞など計4部門を獲得したソンドハイム作品を送る。

舞台は19世紀のイタリア。騎兵隊の兵士ジョルジオは、人妻クララとの情熱的な逢瀬に夢中になっていたが、まもなく彼はミラノから辺ぴな田舎への転勤を命じられる。その地でジョルジオは、上官の従妹フォスカに見初められるのだが……。

男女の奇妙な三角関係を描いた本作。日本初演となる今回は、主人公ジョルジオ役を演じる井上芳雄をはじめ、ヒロイン役の和音美桜&シルビア・グラブ、福井貴一などが顔をそろえる。演出を手掛けるのは、同劇場演劇芸術監督の宮田慶子。音楽監督は『三文オペラ』で、宮田とタッグを組んだ島健が務める。

■宮田慶子
ミュージカルの資料が届く前に、映画を見たのですが、ちょっと衝撃でした。まず、ヒロインが病弱で美しくない。ミュージカルとしてあり得ないことです。シルビアさんが美しくないということじゃないですよ(笑)。それから、話がとにかく怖い(笑)。ジョルジオを追いかける姿は、一途といえば一途ですが、もはやストーカーのようで、本当に怖い女性の愛の執念のお話です。その後に、音楽を聴いていみたら、これがまた難しい(笑)。アメリカの現代ミュージカルの最先端を走っているソンドハイムならではの音楽的なトライが盛り込まれていて、現代社会や人間の複雑さを描くことに挑戦した、現代音楽に近いような複雑な旋律。ただし、時おり身も心もとろけるほどに美しいメロディーがあるんです。もうここに見事にハマりました。とにかくテーマは“愛”です。フォスカの愛は、強引で一方的で、誰もが「無理だよ、かなわないよ」と、ツッコミたくなります。でも、一途に突き進んで思いをとげた彼女の姿を見た時に、自分の人生で簡単に諦めてしまったことがあったんじゃないのかなと、気付かされました。最近の若者には、恋愛をゲーム感覚でとらえて「リスクが高いとか」「コストパフォーマンスが悪い」とか、ひどい言い方をしてい人がいるとか。このミュージカルは、見事に“恋愛はゲームじゃない”と教えてくれます。おかげさまで、これ以上ない最高のキャストとスタッフが集まりました。とにかく、大人のハートをわしづかみできるような、ミュージカルにしたいと思っています。

■島健
ソンドハイムは、現代ミュージカル界におけるレジェンドだと思います。僕がソンドハイム作品にかかわるのは今回が初めてで、大変光栄です。でも、宮田さんがおっしゃったように、なかなか音楽が難しい。誰でも口ずさめるようなメロディーは、ほとんど出てきませんし、伴奏を聴くとかえって歌えないような(笑)、不協和音も出てきます。でも、最初は断片的にしか聞こえてこなかった音楽が、だんだんパズルが合わさってくるように形をなしてきた時に、作品の世界を見事に音楽が表しているんだと気付きました。昨日、初めてキャストがそろっての本読みがあったんですけど、すでにかなりのクオリティーで、この後の稽古を経て、どんな素晴らしい舞台になるのかと、とっても今から楽しみに思っています。

■井上芳雄 ジョルジオ役
個人的な話ですが、ミュージカル俳優を目指して上京した時、新国立劇場で、チケットもぎりのバイトをしていました。ストレートプレイ(『負傷者16人』)には出させていただきましたが、ミュージカルは初めてなので、故郷に錦を飾る気持ちで臨みます。音楽は、何回聴いても一向にメロディーが入ってこないですね(笑)。よく、良いミュージカルの条件は「観終わった後に帰りながら口ずさめる」と言われますが、今回はそれが一曲もない(笑)。ある意味、僕の思う“良いミュージカル”とは全然違うと思うし、ハッピーで万人向けではないかもしれない。やっぱりこれは新国でしかできなかっただろうと(笑)。そんな作品ですが、自分の中に落とし込んで、深く探っていく時に、ものすごく心に突き刺さるような話だと思います。一筋縄ではいかない愛の話ですし、ものすごく難しい音楽ですが、昨日の本読みで皆さんの声を聴いて、歌を聴いて、ものすごく面白いなと思いました。今のところこの音楽を完ぺきに歌えている自分は、あまり想像できないですけども、稽古を経て、笑ったり泣いたりしながら、演じていることを思うととてもワクワクします。お客さまにこの話が、どう受け止められるのかが想像できないのですが、反応が分からないものをやれる幸せは、きっと自分たちの想像以上のものになるんじゃないかなと、手応えを感じています。

■和音美桜 クララ役
初めて新国立劇場の舞台に立たせていただきます。いろいろな愛の形を描いた作品ですが、私の演じる役は、比較的感情移入しやすい役だと思うので、深く追求していけたら。音楽は複雑ですが、それが人間の複雑さを描いていると考えています。一人ひとりの人間が向き合うことで生まれる何かが、そして、そういったものが絡み合った時に出てくるある種の“居心地の悪さ”を、いい意味でお客さまの心に残せたらと思います。難曲に立ち向かい、歌いこなせることで表現されるものを頑張って形にしたいと思います。

■シルビア・グラブ フォスカ役
ソンドハイムはこれが3作目で、『Into〜』の時は毎晩うなされていました。早速、今回も毎晩のようにうなされています(笑)。ソンドハイムは、メロディーメーカーではあるんですけど、その前に作詞家なんだと思います。心情や言葉をどう音楽に乗せるかというつくり方で、よりお芝居により近いミュージカルになると思います。今は楽曲を覚えられる気がしないんですけど(笑)、これをちゃんと仕上げて、ドラマを伝えて、そして、愛すること愛されることの素晴らしさを伝えられたらいいなと思っています。

■福井貴一 リッチ大佐役
スナックで、オヤジがカラオケ歌う時に、とたんにキー外したりするでしょ? それ、キーちゃうでって思うけど、だんだん、あれ? 合うてきたな?ってなってくる。この音楽には、そういう感動があるんです(一同笑)。ところがね、そのカタルシスが長続きしないんです。その後に、もう一回ちょっとハズしてほしいなって思うようになる。分かりやすいでしょ?(笑)。言葉の裏にある感情が、見事にリズムとメロディーに乗っているんですよ。主旋律がきれいだったしても、半音くらい下にガーッと音がなっている。そこで感情を伝えるんですよね。まさしくこれは、言葉を超えた感情を表現していると思っています。難しい作品ですけど、昨日の本読みで、ああ、これはええ作品やなって感動しました。だから、お客さまには“感じてもらえる”ミュージカルになると思います。

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  • 『パッション』会見 1 左からシルビア・グラブ、井上芳雄、和音美桜、福井貴一
  • 『パッション』会見 2 井上芳雄
  • 『パッション』会見 3 和音美桜
  • 『パッション』会見 4 シルビア・グラブ
  • 『パッション』会見 5 福井貴一
  • 『パッション』会見 6 宮田慶子
  • 『パッション』会見 7 島健
  • 『パッション』会見 8 左から宮田慶子、シルビア・グラブ、井上芳雄、和音美桜、福井貴一、島健

インフォメーション

新国立劇場 2015/2016シーズン 演劇公演
『パッション』

【スタッフ】作曲・作詞=スティーブン・ソンドハイム 台本=ジェームス・ラパイン 翻訳=浦辺千鶴 訳詞=竜真知子 演出=宮田慶子 音楽監督=島健
【キャスト】井上芳雄/和音美桜/シルビア・グラブ/福井貴一 ほか

2015年10月16日(金)〜11月8日(日)
・会場=新国立劇場 中劇場
・料金=全席指定S席9,720円/A席5,400円/B席3,240円

追加公演:10月24日(土)18:00開演・29日(木)19:00開演
・一般前売=9月6日(日)開始

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