マキノノゾミ作・演出 現代能楽集VIII『道玄坂綺譚』制作発表会 - 2015年9月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『道玄坂綺譚』会見 後列左から野村萬斎、水田航生、根岸拓哉、マキノノゾミ、前列左から一路真輝、平岡祐太、倉科カナ、眞島秀和

▲ 後列左から野村萬斎、水田航生、根岸拓哉、マキノノゾミ、前列左から一路真輝、平岡祐太、倉科カナ、眞島秀和

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狂言師であり、世田谷パブリックシアター芸術監督である野村萬斎による「古典の知恵と洗練を還元し、現代の舞台創造に生かしたい」という考えから生まれた「現代能楽集」シリーズ。その第8弾となる『道玄坂綺譚』の制作発表会が都内にて行われた。

作・演出にはマキノノゾミを迎える今回。三島由紀夫作『近代能楽集』から「卒塔婆小町」と「熊野(ゆや)」を土台とした新作の書き下ろしとなり、シリーズの新たな展開に挑む意欲作となっている。

萬斎はマキノを迎えたことについて「古典劇に根ざした現代劇でありながら、大胆な作劇術みたいなことにもトライしていただきたい。いろいろな方にお願いしてきましたが、少し若手が続いてきたので、マキノさんという演劇界を引っ張ってこられたリーダーにお願いすることで、バリエーションを広げたいと思っております」と話した。

マキノは「天文学的なお金を持っているお金持ちが、夢のような生活と引き換えに、スマートフォンなどのインターネット機器を一生使わないという条件のもとで、家出少女を引き取り、10年間タワーマンションの最上階のペントハウスで生活させる。そうやって過ごした現代の少女はどうなるか? という場面を書こうとしています。お楽しみにしていただければ」と構想を明かした。

会見での登壇者のコメントは以下の通り。

■野村萬斎
古典の集積と現代的感性がぶつかることに期待して立ち上げたこのシリーズですが、8作目はマキノさんにお願いしました。『近代能楽集』は、昭和の一つの金字塔であり、能と現代劇のコラボレーションですが、昭和の匂いが非常に強く、だんだん時代劇がかってきている部分もある。ですので、新たに現代のアーティスト・演出家に、この作品にトライしてもらいたいと思いました。今回、マキノさんが、あえて三島由紀夫自体をもとにして新たに創作をされるということで、大変期待できる作品になっています。キャストも、今まさしく平成を輝いて生きている方たちですので、このタッグで三島を超える、平成の『現代能楽集』になればいいなと、あとは大船に乗ったつもりでお任せしたいなと思っております。ぜひ、みなさんお楽しみにしていただければと存じております。いつも、シアタートラムでこじんまりと密度の高い舞台をやっておりましたが、今回はスケールアップして世田谷パブリックシアターでの上演ですので、作品のスケールを感じられたらいいですね。

■マキノノゾミ
三島由紀夫さんの『近代能楽集』というもの自体が、もともとあった能の作品を当時の現代劇として新たに構成したもので、そういう創作の手法が以前から大変好きでしたので、お話をいただいた時に、大変興味をそそられました。さらに、その傑作を現代劇に換骨奪胎して、新しい創作劇をつくるという企画が、非常に僕の創作意欲を刺激してくれました。なかなかチャレンジできない骨太の作品でもありますので、この機会を与えていただいて大変感謝しております。選んだ「卒塔婆小町」と「熊野」にかんしては、一番僕の性に合ったというか、話としてすごく面白くて、一つの短編として良くできている。三島さんも僕に「構成が良くできている」なんて言われたくないだろうけど(全員笑)、とても面白い作品でした。この2本の作品を今回は別々に2本立てで見せるというのではなくて、いろいろ取り混ぜて交互に見せます。2本を1本に構成し直すというのは、面倒な作業ではあるんですが、同時に観客に対して、次を予測させない効果があるので、常に驚いて楽しんでいただきたいです。観終わった時に、観客が自分で発見できるという一つの快楽があるんじゃないかと、単純に1本ずつつくるよりは混ぜこぜにすることで化学反応が生まれるだろうし、相互に作品が侵食し合うこともあると思っています。
タイトルは『道玄坂綺譚』となっており、舞台は道玄坂のネットカフェから始まります。三島さんの大変慧眼だったところは、「卒塔婆小町」で、老いさばらえた小町がいる場所を、通俗的とか俗悪というニュアンスを込めて、日比谷公園に設定しているところ。では、21世紀のコマチはどんなところに生息しているのかと考えた時に、渋谷の道玄坂あたりのネットカフェにいると面白いなと思いつきました。その時点で「あ、こんなところにいた、コマチだ」とイメージが膨らみました。「卒塔婆小町」には老婆と絡む詩人の青年が出てきますが、本作では、ネットカフェの従業員兼映画監督になっています。現代の詩人であれば、映画監督だと考えたからです。「熊野」は、物語の舞台をアパートからベイエリアにある高層マンションのペントハウスに変えています。ムネモリが権勢を欲しいままに、この世を欲しいままにしているのであれば、現代ではとんでもないお金持ちで、きっとそういうところに住んでいるんじゃないかと考えました。未来と過去、また、ネットカフェとペントハウスを行き来しながら進行するような話です。キャストの皆さんが、大変魅力的で、こういう方々と一緒に作品がつくれることを非常に楽しみにしております。

■平岡祐太
今回、キイチと深草貴一郎という二役を演じさせていただきます。最初にこのお話をいただいた時は、三島由紀夫先生の『近代能楽集』の中から「卒塔婆小町」と「熊野」をやると伺い、いったいどういうものになるのか、あまりに想像ができなさすぎて、生意気ながらも、自分自身本当にこれができるのかとすごく迷った記憶があります。その後、詳しくお話を聞いていくうちに、どうやら『現代能楽集』だけど能をやるわけではないと聞いて、すごく安心しました(笑)。名作二作を一つの物語にまとめて、設定も現代に変えるというのはすごく挑戦的なんですが、冷静に考えるともう三島由紀夫じゃないんじゃないかと。マキノさんに「これ三島由紀夫じゃないですよね」という話をしたら「そうです。マキノです。」と言われました(笑)。美しく力強い文学的な言葉と、マキノさんの新しい作品を、ここにいる皆さんとともにつくりあげ、お客さまにお届けできればと思います。

■倉科カナ
どんな舞台になるのか私自身想像がつかなくて、そこがまた楽しみでもあります。稽古期間をとても長くいただいているので、ドラマや映画とは違い、毎日毎日違う挑戦をしていきたいと思います。自分一つの感性とか読解力では多々追いつかないこともありますので、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、マキノさんのお力をお借りして、より一層すてきな舞台にしていきたいと思います。

■眞島秀和
いよいよ始まるんだなとワクワクしています。同時にものすごく不安もありますが、素晴らしい舞台をお届けできるように稽古に臨みたいです。二本の作品には、ファンタジーのような美しい部分と、生々しい人間臭い部分の両方が、絶妙なバランスで含まれているなと感じました。読み終わった後に、なんともいえぬ違和感というか、ざわざわしてくる気持ちになって、それがこの作品の魅力なのかなと思いました。これが現代版に融合されるとどうなるんだろうと非常に興味を持っています。

■水田航生
以前、三島由紀夫作品に出演させていただいたのですが、またこうして触れることができるのはとても楽しみです。三島さんの作品は、読み終わった時に「やるねぇ」といった感覚になりました。三島さんに言ったら怒られちゃうと思うんですけど(全員笑)。「やるねぇ」「粋だねぇ」という気持ちになって、「熊野」の最後も「かっこいいこと言っちゃうねぇ」という、若者言葉で申し訳ないんですけど、そういう感覚になったのが印象的でした。三島さんが能を昭和に置き換え、それをまたマキノさんが平成に置き換えて書いてくださる。僕たちみたいな平成生まれの若い世代にも、楽しんでいただける作品になるように取り組みたいです。

■根岸拓哉
僕はストレートプレイがほぼ初めてで、すごく不安もありますが、楽しみな気持ちの方が強いです。僕は19歳なのですが、大先輩の背中を見て、奪える物は奪い、追うだけではなく、同じ立場に立ち、三島由紀夫さんの世界観、マキノノゾミさんの世界観に染まって、素晴らしい作品の一人として務めさせていただきます。

■一路真輝
すみません、(根岸が)19歳(ということ)の衝撃からまだ立ち直っていないんですが(会場笑)。隣には平成生まれもいらっしゃり、気がついたらどの座組でも最年長に近いという立場になったのですが、私の生きてきた演劇人生の半分以上がミュージカルでした。最近ストレートプレイや翻訳劇に触れて、新たな世界を見つけたいと思っている時期に、野村萬斎さん・マキノノゾミさんという最強タッグの作品に参加させていただけるということは、これからの私の演劇人生における挑戦の場だと思っています。初心に返って頑張りたいと思える作品に出会えたので、皆さんのお力をお借りして、いい舞台にしたいです。

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  • 『道玄坂綺譚』会見 後列左から野村萬斎、水田航生、根岸拓哉、マキノノゾミ、前列左から一路真輝、平岡祐太、倉科カナ、眞島秀和
  • 『道玄坂綺譚』会見 2 平岡祐太
  • 『道玄坂綺譚』会見 3 倉科カナ
  • 『道玄坂綺譚』会見 4 眞島秀和
  • 『道玄坂綺譚』会見 5 水田航生
  • 『道玄坂綺譚』会見 6 根岸拓哉
  • 『道玄坂綺譚』会見 7 一路真輝
  • 『道玄坂綺譚』会見 8 マキノノゾミ
  • 『道玄坂綺譚』会見 9 野村萬斎

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