蜷川幸雄演出 市川猿之助、宮沢りえ、段田安則ら出演『元禄港歌』公開舞台稽古 - 2016年1月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『元禄港歌』開幕 1 市川猿之助

▲ 市川猿之助

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『元禄港歌』開幕 2 左から段田安則、市川猿之助、宮沢りえ

▲ 左から段田安則、市川猿之助、宮沢りえ

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蜷川幸雄の演出で明日7日(木)に初日を迎える舞台『元禄港歌−千年の恋の森−』。その開幕に先立って、一部シーンの公開舞台稽古が行われた。

秋元松代作×蜷川演出のタッグにより、80年に初演された本作。活気あふれる元禄の時代の大店「筑前屋」を舞台に、結ばれない男女と悲しい秘密を背負った親子の交錯する宿命がつづられる。秋元による情感あふれるせりふの数々、降りしきる椿の花をはじめとするイメージ豊かな美術、美空ひばりが歌う劇中歌−−。多くの人びとに愛された傑作が、蜷川の手により再びよみがえる。

各地を転々とする三味線弾きの瞽女(ごぜ:盲目の女芸人)の母親として、女たちを守りたくましく生きる糸栄を演じるのは、市川猿之助。幼いころに親と別れ、糸栄の長女として育てられた瞽女の初音を宮沢りえが演じる。

そして、筑前屋の放蕩息子・万次郎役に高橋一生、万次郎との身分違いの恋に悩む初音の妹・歌春役に鈴木杏、筑前屋の主人・平兵衛役に市川猿弥、その妻・お浜に新橋耐子、さらに、悲しい運命に翻弄される信助役に段田安則と、キャストには実力派たちが豪華に集結した。

初日を前にした蜷川とキャストたちのコメントは以下の通り。

■蜷川幸雄(演出)
秋元松代さんの作品に登場する女たちは、いつも激しく、ストイックだ。その希求の激しさとストイックさは、どこかで破滅や不幸とつながってゆき、われわれの近代が何を犠牲にし、何を捨ててきたのかを証明している。もし、僕に演出というものがあるなら、祖父や母や妻たちへの痛恨を込めた鎮魂歌を、誠実に伝えることだと思っている。父=男の目でしかとらえられてこなかった世界を、父+母、男+女としてとらえなおしていく正統なる要求だ。そこに、美空ひばりさんの歌声が必要だと思った。市川猿之助さんがひばりさんの歌で『元禄港歌』をやりたいと言ってくれた。猿之助さんの糸栄なら見てみたい。久々に新たな気持でこの作品をやってみたいと思った。宮沢りえさん、段田安則さんといった優れた俳優たちとの仕事も、僕にとって大きな喜びだ。きっと彼らなら、ひばりさんの歌声に拮抗してくれるだろう。

■市川猿之助 糸栄役
蜷川さんは、客席との一体感を大切にされる演出ですから、初日が開いてみないと分からない部分がありますね。稽古場で7割、あとの3割はお客さまとともにつくる感覚でしょうか。でもその7割はキッチリ、100%!と自信があります! 澤瀉屋一門はスーパー歌舞伎など、いろいろな挑戦を続けていますので、今回も皆、フレキシブルな活躍を見せています。糸栄という役は、白い狐が化けたような、どこか非現実的な、幻想的な存在です。だから女形なのだと、女形という特異性が役の特異性に呼応しているように感じています。とても若々しい(笑)段田さんにも助けていただいてますし、宮沢りえさんとは初共演とは思えないくらい打ち解けて、とても良い座組になっています。コクーンのお客さまは初めてなので、反応がとても楽しみですね。初春、お芝居を楽しんでいただければと思います。

■宮沢りえ 初音役
戯曲を読んだ当初はこの作品が現代の観客にどのように受け止められるのか少し不安を感じていました。でも、稽古を重ね初音が他人ごとではなくなった今、その不安は消えました。自分の中に役が生き始めると、時代劇だから……、というような垣根はなくなります。一人の女の運命だったり、思いだったり、未来だったり……が、とても刺激的です。伝統を重んじて芝居をされてきた猿之助さんとの共演はたくさんの収穫がありました。いただいた種に水をまき、自分なりの花を咲かせていきたいと思います。初音の「罪深う生まれてきたとも知らいで、あなたと会うてしもうた」というせりふがとても好きです。生まれながらの罪をしっかり受け止めて、それでも愛することを止まない女。自分の存在を蔑み、原罪を受け止め、でもあふれ出る思いに揺れる。その姿にすごく色気を感じますね。今回は、“惜しまない表現”を目指します。

■高橋一生 万次郎役
万次郎は良い男、デキる男だなと感じています。多面的、多層的に描かれている役ですし、相手や場に合わせて、それにふさわしい対応ができる。そんな器用さを持ち合わせながら、こと恋にかけてはウソがつけずに最後に心根がでてしまう……。かわいげのある人間ですね。猿之助さんを間近に見る機会に恵まれたことで、今回は身体(型)から役に入るという方法をあらためて試すことができました。役と距離感があるリアリティーに結びつき、それでいろいろなものが発見できる……。とても新鮮な稽古でした。この作品はいつも以上に観客の存在を感じる舞台、お客さまとつくっていく舞台になるように感じています。初日以降も役を掘り下げていくことで最終的にどのような万次郎になっていくのか……。自分でも楽しみです。

■鈴木杏 歌春役
手探りの作業は続いていますが、少しずつ、末っ子で甘えん坊の気質がつかめてきました。時代も設定も異なりますが、この役はどこかジュリエット(『ロミオとジュリエット』)を思い出します。かなわぬ恋でも盲目に突っ走る熱量にそう感じるのかもしれません。幻想的でとても美しい舞台。なかなか上演されない作品だと思いますので、お客さまに堪能していただけたら……。そのためにも、若々しく愛らしくをキーワードに初日以降もさらに役を深めていきたいです。

■段田安則 信助役
今回は実年齢より若い役です。(宮沢)りえさんの相手として、おじさんに見えてないかな? 猿之助さんとちゃんと母子に見えるかな?と心配です。自分としては違和感なくなっているのですが(笑)。親子の物語と男女の物語。2つの軸を持つ戯曲でこれが同時に進行して交錯していきます。演じる信助も、まだ見ぬ母を慕う息子の顔と、情熱的に恋をする男の顔、両面を持つ役。切り替えが難しく、また面白いところです。秋元松代さんのせりふは、どこかギリシャ悲劇のようにダイナミックな心の動きが描かれていると感じています。猿之助さんをはじめ、歌舞伎の俳優さんたちと一緒にお芝居できるのがとても楽しいです。こういう作品がよくかかっている劇場ではなく、コクーンのお客さまにどのように受け入れられるのか、それも楽しみですね。

公演は7日(木)から31日(日)まで。その後、大阪公演が、2月6日(土)から14日(日)までシアターBRAVA!にて行われる。

なお、本誌シアターガイド2月号では蜷川インタビューや猿之助&宮沢対談などを掲載している。公演と併せてぜひチェックしていただきたい。

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  • 『元禄港歌』開幕 1 市川猿之助
  • 『元禄港歌』開幕 2 左から段田安則、市川猿之助、宮沢りえ
  • 『元禄港歌』開幕 3 段田安則(左)と宮沢りえ
  • 『元禄港歌』開幕 4 宮沢りえ
  • 『元禄港歌』開幕 5

 

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