市川右近が三代目右團次を襲名へ 長男タケル君は二代目右近に - 2016年5月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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「三代目市川右團次」会見 1 武田タケル君(左)と市川右近

▲ 武田タケル君(左)と市川右近

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2017年1月の新橋演舞場『寿新春大歌舞伎』で、歌舞伎俳優の市川右近が三代目市川右團次を、長男の武田タケル君が二代目市川右近を襲名することとなった。

都内で会見が行われ、右近は「市川右團次の名跡を三代目として襲名させていただく運びと相成りました」とあいさつした。右團次は、ケレンを得意とする関西の名跡。右近は「長年師匠のもとでケレンの妙味の世界を学ばせていただいたこと、そして私自身が関西出身であること、この縁がこの幸せな襲名をたらしてくれました。我が人生を歌舞伎に捧げまして、日本の伝統文化の発展のために少しでもお力添えができればと精進してまいる所存でございます」と気を引き締めた。

師匠・猿翁からお祝いのメッセージ(後述)を読み上げられると、右近は「師匠の温かい言葉に胸が熱くなっております。昭和47年(1972年)から関西の公演で必ずというほど使っていただき、50年(75年)1月に、大阪・新歌舞伎座で市川という苗字を賜り、名前は本名の右近をとって、市川右近を名乗りました。今日ここに座っていることができるのはすべて師匠のおかげです」と振り返った。

この襲名で屋号は澤瀉屋から高嶋屋となるが、右近は「師匠のご理解がなければ、今日を迎えることができませんでした。高嶋屋になっても、師匠の弟子であることは一生変わりません。師匠にとっても私が弟子であることは一生変わりません。師匠からは、お芝居だけでなく公私にわたり生きさまを学んでまいりました。師匠の芝居に対する理念を後世に伝えていくことが、私の使命だと思っています」と熱く語った。

また、猿翁直筆の“翔べ”という色紙を披露し「大変力強い文字を賜りました。この中には師匠が人生の中で培ってこられた思いを持って、天高く翔んで行け、飛び立てという意味が含まれている気がします。私の今後の人生の指針になると思います」と話した。

右團次としての今後に向けて「右團次さんは、立役から女形、敵役までいろいろなジャンルをこなされた素晴らしい俳優だとうかがっております。足元を固める一方で、挑戦することも忘れずに、師匠や諸先輩から受け継いだものを、自分の身体を通して未来に紡いで、澤瀉屋の精神を、右團次という名前を通して広く歌舞伎界に残していきたい。役者は死ぬまでが修行ですし、死んでからも修行だと思っています。充電しながらもアウトプットしていくように、修行しながら後世に伝えていかねばなりません」と意欲を見せた。

そして、長男・タケル君の二代目右近襲名も発表に。タケル君は「父(とう)の名前の市川右近になります。一所懸命頑張ります。どうぞよろしくお願いします」としっかりとあいさつをしてみせた。

タケル君の名前は、猿翁のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』からの命名だという。その長男が、41年間にわたり名乗ってきた名前を継ぐことについて、右近は「名前を息子に譲るということは、師匠に育てていただいた自分の人生そのものを譲っていくことではないのかと考えております。いまだ海とも山とも知れませんが、いずれはひとかどの役者の仲間に入れていただけますよう、自分の人生と彼の人生を重ねながら、いろいろなことを指導していくのかなと思っています」と感慨深い表情で述べた。

発表会見を終えた後に行われた囲み会見では、右近はタケル君の登壇に「自分のことより緊張しましたね(笑)」とホッとした様子。現在、タケル君は、6月の歌舞伎座公演での初お目見得に向けて稽古を続けているとのことで、右近は「だいぶできるようになって安心にはなってきました。決して親バカでなくて(笑)」と目を細めた。「ただ、これから、かつらや衣裳を付けての芝居となると全然違いますし、出ている尺も長いですから」と話したが、「そこで度胸をつけて、それが、1月(襲名)への糧になればなと」とタケル君のこれからに期待を寄せた。

■市川猿翁 メッセージ
右近さん! このたびのご襲名おめでとうございます。私が病になってしまってからは、私の代わりとなって澤瀉屋のみんなのため、常に中心的な立場で頑張ってくれました。私の意思を継いでくれた君には感謝の気持ちでいっぱいです。この機会に“翔べ”という言葉を私から贈ります。これは『ヤマトタケル』の「天翔ける心」、すなわち私の演劇人生に対する心意気でもあるのです。古典でもスーパー歌舞伎でも、私の創造精神を常に見ていたあなたは、心意気の何たるかを充分に学んでくれていると思います。名前や屋号は変わりますが、右近さんはいつまでも私の弟子です。フレー! フレー! 右團次! 大きく、高く翔べ! いつも応援しております。

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