三浦友和から「10年に1度の映画」のメール 赤堀雅秋監督「葛城事件」完成披露上映会 - 2016年5月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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映画「葛城事件」完成披露上映会 1 左から赤堀雅秋、若葉竜也、南果歩、三浦友和、新井浩文、田中麗奈

▲ 左から赤堀雅秋、若葉竜也、南果歩、三浦友和、新井浩文、田中麗奈

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赤堀雅秋監督の映画「葛城事件」の完成披露上映会が、29日に都内の映画館で行われた。

自身の劇団「THE SHAMPOO HAT」やさまざまなプロデュース公演で活躍するほか、2012年の初監督作「その夜の侍」でも高い評価を得た赤堀。今回は、赤堀が作・演出を手掛け、初舞台となった新井浩文や鈴木砂羽らの出演で話題を集めた、13年の舞台を映画化した。

物語の舞台となるのは、無差別殺傷事件を起こした次男を生み出すことになってしまったとある家庭。凄惨な事件の背後にある加害者家族の隠された闇や、周囲を取り巻く人間のさまざまな感情が交差させながら、見る者の心を鋭くえぐる濃密な人間ドラマを送る。

映画化にあたり、主演の葛城清役には「三浦友和以外に考えられない」とラブコールを送ったという赤堀。新井によると「(舞台公演中に)万が一映画化されるんだったら、誰がいいですか?って話をした時に、(赤堀は)真っ先に友和さんがいい」と話していたという。舞台版では、赤堀自身が演じていた役だが「舞台はいろいろなウソがつけますので(笑)。映画でちゃんとリアリティーを持って描くとなった時には、愛嬌というか優しさと怖さとか、いろいろなものを秘めているのが三浦さんだと。多面的な表現をされる大好きな役者さんでしたし」と述べた。

そんな熱いオファーを受けて主演を務めた三浦は「とてもうれしいです。実はクランクインの1カ月くらい前のオファーで、何人かにあたった後にめぐってきたオファーなのかなって思ったんですけど、自分が最初だったと知りまして光栄でした。ですから、頑張りました」とコメント。三浦は、理想を求めながらも家庭を崩壊に向かわせてしまう父親を鬼気迫る迫力で演じているが、当人は「(怖いイメージは)『アウトレイジ』がいけないんです(笑)」と笑わせた。「でも、多面性はありますね。AB型のせいか、二重人格どころか多重人格だと思ってますよ。でないと、俳優が務まりませんよね」と語った。

夫・清の抑圧から精神を病んでいく妻・伸子を演じた南果歩は「役に入る時は、共通項とか共感とかは見つけ出さずに、その役に飛び込んだ感じ」と明かした。三浦は「(夫婦役とはいえ)背を向けてるような間柄」と話したが、南は「友和さんを100%信頼しているからこそこの役ができたと思っています。もちろん日常では清のような部分はないですけど、でも表裏一体というか、ふと表が裏になった瞬間に恐ろしい存在感を発揮するんです」と俳優同士の信頼関係を感じさせた。

舞台版では次男・稔を演じた新井は、長男・保を演じており、今回の稔役オーディションには新井も参加したという。新井は「本当は俳優部がオーディションに行くものじゃないんですけど、できれば行きたいとお願いして。2日間あったオーディションの2日目にお邪魔させてもらって、初の経験でした」と振り返ると、そのオーディションで稔役に選ばれた若葉竜也は「僕は1日目で助かりました(笑)。(稔役に決まって)うれしいと同時にすごく不安な気持ちになりました。けど、食らいついていこうと決めました」と告白。ここで新井は「猫かぶってますよ。オーディションのときに『新井君に負けたくない』って言ってたらしいし(笑)」と暴露すると、若葉は「稔役が誰もいなかったら、新井さんがやるって言ってたので。それなら、絶対自分が取ってやるって(笑)」と俳優としての意地をのぞかせた。そんな若葉を選んだ決め手を赤堀は「演技を超えたものがいろいろと溢れ出ていて、それがオーディションで演じた場面や役にすごくフィットしていて、ダントツで満場一致で決定しました」と述べた。

死刑反対の立場から死刑囚となった稔と獄中結婚をする星野順子を担ったのは田中麗奈。この難役に田中は「最初はどこから手を付けて彼女を知ろうかと。死刑反対の方のサイトなどで、その方々の意見や熱意を見て、彼女の目的や生きる道を感覚的につかんでいきました。監督は、彼女は新興宗教を信じているような、自分の世界だけで生きる少し視野が狭い女性とおっしゃっていて、それも(役づくりに)大きかった」と役づくりの過程を明かした。

赤堀は彼女の演技に「最高でした。成長するとか落ちぶれるとか、分かりやすいオチや着地点がない難しい役でしたが、各スタッフとともに、本当に田中さんでよかったと頷きながら撮影してました」と絶賛。この言葉に田中が「うれしいですね。お話いただいたのが、撮影の10日くらい前だったんです(笑)。私も三浦さんみたいに誰かが断って、回ってきたんじゃないかってちょっと思ったりしてたんですけど、それでもこの脚本で絶対やりたい、こんなに面白いものが回ってくるなんてすごいラッキーだ!って思ってました。でも、(オファーのタイミングは)本当なんだ!?って今舞台上で納得しました(笑)」と笑顔を見せた。

赤堀が「主役が決まったのが1カ月前ですからね(笑)。こうして今、舞台上で皆さんと立っているのは、本当に綱渡りみたいで奇跡だと……」としみじみと話したが、新井は「ホンを書くのが遅いんですよ。ホントに遅い!」と、赤堀にピシャリと厳しい一言。赤堀は「すいませんでした……」と恐縮すると会場は笑いに包まれた。

最後に登壇者を代表して三浦と赤堀が挨拶。三浦が「今、上映中の『ロクヨン』にも出てまして、それと比較すると、制作費は10分の1、上映館数は30分の1、撮影日数は3カ月強に対してこちらは3週間と、数字にするとこうなるんですが(笑)、スクリーンにかかった時は同じ土俵と、そういう醍醐味もあります。見終わった時に、きっと一言では言えない何かが、必ず生まれます。“すごく息詰まる”“不快な感じがする”でもいいんです。それを誰かに伝えていただけると、大きな作品にも勝てる……、わけはないですね(笑)。でも評価として同じところに並べることもあります。そのためには皆さんの応援が大切なので、どうかよろしくお願いいたします」とメッセージを送ると、赤堀は「前回、初監督させてもらった時の完成披露は本当にただ感無量というか、そこがゴールという感じでした。もちろん今回も感無量に違いないんですけど、今回は、一人でも多くの方に届いたらという気持ちが強くあります。見終わった後に、単純に“面白かった”“泣けた”“笑った”とかいう映画ではないので、なかなか伝えづらいかもしれませんが、どうか皆さんのクチコミで広がっていけたらと強く思っています。三浦さんからメールが来まして『10年に1度の映画に出会えました』とおっしゃっていただけて、泣きました。それくらい僕としても、皆さんとしても、自信を持った作品になったと思うのでよろしくお願いします」と力強い言葉で締めくくった。

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  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 1 左から赤堀雅秋、若葉竜也、南果歩、三浦友和、新井浩文、田中麗奈
  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 2 赤堀雅秋
  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 2 三浦友和
  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 4 南果歩
  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 5 新井浩文
  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 6 若葉竜也
  • 映画「葛城事件」完成披露上映会 7 田中麗奈

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映画「葛城事件」

【スタッフ】監督・原案・脚本=赤堀雅秋
【キャスト】三浦友和/南果歩/新井浩文/若葉竜也/田中麗奈

2016年6月18日(土)新宿バルト9ほかにて全国ロードショー

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