佐々木蔵之介&北村有起哉出演×森新太郎演出『BENT』製作発表会 - 2016年6月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『BENT』会見 1 左から、森新太郎、佐々木蔵之介、北村有起哉

▲ 左から、森新太郎、佐々木蔵之介、北村有起哉

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佐々木蔵之介&北村有起哉出演×森新太郎演出によるパルコ・プロデュース公演『BENT』の製作発表会が、都内の稽古場にて行われた。

ナチス政権下ドイツの強制収容所を舞台に、絶望の中でも人間の愛と尊厳を守り抜いた、同性愛者のユダヤ人男性たちのドラマを描き出した本作。79年にイアン・マッケランの主演でロンドンで初演され、ブロードウェイでもリチャード・ギアの主演で上演され高い評価を受けた。PARCO劇場では、85年に役所広司主演、04年に椎名桔平主演で上演されている。

会見は、佐々木、北村、森の3人に加え、司会としてミッツ・マングローブも参加しトーク・セッション形式で行われた。

まずは、演出・森があいさつ。「初めて戯曲を読んだ時に泣いてしまったんです。その後も、製作のパルコさんに『BENT』上演の打診をするために読んだ時にも、演出プランを考えるために読んだ時にも泣いてしまって。自分の演劇人生の中で、これほどに心動かされた戯曲はありません」と作品を語った。

キャスティングの経緯については「蔵之介さんが同性愛者の役に興味があると聞いてたので、それなら今しかないんじゃないかと。大作ですがお受けしてくれて、本当に身の引き締まる思いです。そしてもう一人は、蔵之介さんに対抗できる“芝居バカ”がいないと乗りきれない。で、この芝居バカ(北村)にお願いして(笑)。大変なホンなので、断れたらしょうがないと思っていましたが、蔵之介さんとのタッグだったら、と言ってくれました」と明かし、「二人の力を借りてこの大作に立ち向かっていきたい。まだ稽古が始まったばかりで、偉そうなことは言えませんがご期待ください」と意気込んだ。

一方、オファーを受けた佐々木は「前回が精神病院を舞台にした一人芝居の『マクベス』で、その前が刑務所が舞台の『ショーシャンクの空に』と重い作品が続いていてライトコメディーをやりかったし、台本を読んで最初は僕には無理だと思いました」と振り返った。

しかし、「ナチスの収容所が舞台で同性愛がテーマと、非常にハードルが高いけど、ストレートに“愛の話”なんです。二幕では、僕と北村さんが、お互いに顔を見合わせることも触れ合うこともなく愛を確かめ合うシーンがあるんですが、そこは演劇の醍醐味。具体的に身体が触れ合うことはなく、言葉と想像力で表現する舞台ならではのもの」と魅力を話し、「稽古は始まったばかりでなんとも言えませんが、めちゃくちゃいい芝居になると思います(笑)」と笑わせた。

北村も「作品を知っていたので、話が来た時は僕も“ついに来たか”と深い長い溜息をつきました。やるからには相当な覚悟が必要で、僕も読むたびに泣いちゃうんです」と二人に同意。「僕が泣いてしまう場面は、ホルストとして演じてる時は絶対に泣いちゃダメ場面なんです。でも作品として力があるので、少しでも客観的になってしまうと泣いてしまう。ちゃんと世界に入り込んで、手綱を握っておかないとダメなので、そこは怖いですね」と気を引き締めた。

森は「3人ともストレートだけど、泣けるし切なさを感じるのは、ゲイの物語にとどまらない、スケールを持った作品だとからだと確信しています。作品はナチスが背景ですが、いつの時代も差別と偏見があるし、ゲイに限らず、社会の不寛容さはたくさん世の中にある。そういうものがある以上、演じられる価値のある作品なんです。パルコでは数年おきにやっていますが、毎年やってもいいんじゃないかというくらいです」と熱弁した。

まだ稽古はホン読みの段階だというが、佐々木も北村も、かなり役へ感情移入している様子だ。佐々木は「(北村は)稽古場で裸足に雪駄を履いてるんですけど、足を触っている仕草すら愛おしい(笑)」と告白。「もちろん、今まで共演して楽しかったし、果敢に挑戦する姿は演劇人としてカッコいいと思ってましたけど、だらしないところも知っていたので、愛おしさはまったくなかったんです。でも今回は、そのだらしない感じがちょっといいかなとか思い始めてる(笑)」と明かした。

北村は「以前、時代劇で共演した時に、殺陣のシーンで(佐々木の)カツラを飛ばしてしまったことがあって。その時の修羅場たるや、自分の舞台人生の中で一番のハプニングでした。そういうものを乗り越えて一緒に共有すると、絶大な信頼が生まれますね。今思うと、この『BENT』のためにあの事件があったのかも(笑)」と笑った。

早くも信頼関係をつくり上げている二人に森は「(佐々木演じる)マックスは軽佻浮薄でふわふわして半ば捨て鉢のような人生を送っていて、(北村演じる)ホルストは愚直なまでに一直線と、まったく人生観が違う二人が影響し合うのが、この作品では大事なところ。この二人(佐々木と北村)は気が合うけれど、質が違うところは僕も期待していますね」と期待を寄せていた。

また、演技をつくり上げる中では北村は「“エアーセックス”のくだりがあって、家で台本を読んでいる時は、恥ずかしくてとても読めないけど、稽古場では全然恥ずかしくないんです。やっぱりちょっとでも照れがあるとダメで、吹っ切れないけない」と話し、「エアーセックスなんて生涯でこれくらいでしょうし、これで癖になったらやばいですね(笑)。お客さんもドキドキするでしょうし、見どころの一つでしょうね」とアピールした。

さらに、トークの中で「二人ともストレートだが、もし男性をそういう(性的な)目で見るなら?」という質問が飛び出す場面も。二人がそれぞれに「僕は有起哉の声が好きですね。共演してていつもいい声だなって思います」(佐々木)、「手ですかね。手には仕事というか、何かを背負っているものが現れる」(北村)と答えると、ミッツは「男性が服を着ていると、肌を出す部分は手と顔だけ。そうなるとフェロモンって手の先に集まってくるもの。私は手をほぼほぼ男性自身だと思って見てて、私のデータはだいたい裏切らないです(笑)」と持論を展開させた。

本作の二幕では、ナチスの強制収容所の中で、ホルストたちがただひたすらに岩を運ぶだけの作業を強要されるというシーンが描かれる。北村が「思考や人間性を奪うための労働なんですが、僕らはその中でもセリフを応酬させて、過酷な状況に負けないように愛を交わすんです」と解説。佐々木は「やっぱり人間には想像力がないとダメで、人が生きていく上で大事なこと。お客さんも人が石を運ぶだけの姿でどんなことを想像してもらるのか? 僕らが何を提示できるのかは大きな課題だなと思います」と気合を入れた。

ミッツは作中に描かれる抑圧と現代社会を照らし合わせて「今の世の中って、思うままに突っ走ることを抑えないといけない時代だと感じているんです。統率されて、キレイごとばかりで」とコメント。森も「僕もたかだが39年しか生きていないけど、発言に気をつけないといけないところがある。海外でも差別や偏見はあるけど、映画などの中でそれをバンバン表現して、差別と戦う姿が描かれるんです。日本では、自主規制とかでそういうものをないように見せてしまうのが、この息苦しさなのではと感じています。演劇だけはそういうもの(果敢な表現)が許される砦でありたい」と力強く語った。

この記事の写真

  • 『BENT』会見 1 左から、森新太郎、佐々木蔵之介、北村有起哉
  • 『BENT』会見 2 佐々木蔵之介
  • 『BENT』会見 3 北村有起哉
  • 『BENT』会見 4 森新太郎
  • 『BENT』会見 5 左から、ミッツ・マングローブ、佐々木蔵之介、北村有起哉、森新太郎
  • 『BENT』会見 6 佐々木蔵之介(左)と北村有起哉
  • 『BENT』会見 7 佐々木蔵之介(左)と北村有起哉
  • 『BENT』会見 8 ミッツ・マングローブ

インフォメーション

PARCO PRODUCE
『BENT ベント』

【スタッフ】作=マーティン・シャーマン 翻訳=徐賀世子 演出=森新太郎
【キャスト】佐々木蔵之介/北村有起哉/新納慎也/中島歩/小柳友/石井英明/三輪学/駒井健介/藤木孝

■東京公演
2016年7月9日(土)〜24日(日)
・会場=世田谷パブリックシアター
・チケット発売中
・料金=全席指定8,800円

■宮城公演
2016年7月30日(土)
・会場=仙台国際センター 大ホール
・料金=全席指定9,800円

■京都公演
2016年8月6日(土)・7日(日)
・会場=京都劇場
・料金=全席指定S席8,800円/A席7,500円

■広島公演
2016年8月14日(日)
・会場=JMSアステールプラザ大ホール
・料金=全席指定S席8,800円/A席7,800円

■福岡公演
2016年8月16日(火)
・会場=福岡市民会館 大ホール
・料金=全席指定8,500円

■大阪公演
2016年8月19日(金)〜21日(日)
・会場=森ノ宮ピロティホール
・料金=全席指定8,800円

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