赤堀雅秋“僕の中では希望の映画” 映画「葛城事件」初日舞台挨拶 - 2016年6月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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映画「葛城事件」初日 1 左から赤堀雅秋、田中麗奈、三浦友和、新井浩文、若葉竜也

▲ 左から赤堀雅秋、田中麗奈、三浦友和、新井浩文、若葉竜也

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赤堀雅秋監督の映画「葛城事件」が18日に公開。その初日舞台挨拶が都内の映画館で行われ、赤堀のほか、三浦友和、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈が登壇した。

赤堀の作・演出で13年に上演された同名舞台を映画化した本作。無差別殺傷事件の犯人を生み出した家庭の姿を通して、人間のさまざまな感情を浮き彫りにしていく濃密なドラマが描かれる。

ハードな内容の作品だが、上映後に大きな拍手で迎え入れられた赤堀は「いろいろな感情が渦巻いていると思いますが、思いのほか温かい雰囲気でちょっとホッとしてます(笑)。“絶望の映画”とか“救いようがない”とかいろいろ巷で言われてますが、僕の中では“希望の映画”だと思っています」と語った。

父・葛城清役で主演を務めた三浦は「葛城清が大変失礼いたしました(笑)。“面白かった”という意味の幅が広い映画だと思います」と冗談を交えながらあいさつ。そして、新聞広告の切り抜きを持参して「広告に書いてある試写会の感想には『邦画史上類を見ない家庭崩壊映画の誕生』『二度と見たくない名作』とか……。こういう映画を広めるために、皆さんの応援のお力を願いします」とアピールした。

兄・保を演じた新井は「この後の写真撮影で使うパネルには“大ヒット中”ってありましたけど、これからですからね(笑)」とツッコミながら、「変な評論家よりネットとかでの皆さんの感想が重要になってきますので、良く書けとは言いませんが、良いと思った方はまた劇場に遊びにきてください」とメッセージを送った。

赤堀からのラブコールを受けての主演が決まったという三浦。「舞台版では監督が演じた役だったのですが、(演技が)ぶつかるかなこともなくできました」と撮影を振り返ると、赤堀は「毎シーン毎カット、隣にいるスクリプターの人に『いいな、いいな』とシロウトみたいに言ってました(笑)。感覚が合うというとおこがましいですけど、行間というか、なんとも言えないニュアンスが通じあっている気がしました」とうなずいた。

「印象に残っているシーン」を問われると三浦は「“3年目の浮気”(をカラオケで熱唱するシーン)に命を懸けました(笑)」と即答。赤堀は「『A-Studio』を見てびっくりしたんですけど、(練習で)奥さんと歌ったんですか?」と尋ねると、三浦は「ストレス解消になりました」と笑った。

舞台版では弟・保を演じた新井。「舞台と映画はまったくの別ものですからね。弟役でも兄役のどっちが来ても、特にどうってことはなかったです」と話すと、赤堀から「どうってことないって、なんかトゲがない?」とボヤきが。これに新井は「いやいや、赤堀さんとやることに意義があるということですよ」と答えた。

そんな、親しげなやりとりを見せる新井が、赤堀について問われると「俳優としては正直、僕のほうが上(笑)」とズバリ。「でも、監督としてはすごく好き。ホンもいいし演出もカット割りも好きだし。ただ俳優としてはね……、ものすごく小芝居するんですよ。演出する側だと小芝居が大っ嫌なのに(笑)」と暴露した。さらに、三浦と一緒に食事した際、「(赤堀は)お酒が回ってくると『おいやべえ、俺、三浦友和と飲んでる』って……、このオッサンなに言ってるんだろうって(笑)。とまあ、そういうかわいらしいところもある人です」というエピソードで赤堀をイジりながら会場を沸かせた。

オーディションで役を勝ち取ったという若葉は「毎カット濃密な時間だったので、実はあまり撮影中は覚えてなくて……」と告白した。新井は「初日はガチガチだったよ(笑)」と笑うと、若葉が10代のころにも親子役で共演した三浦は「その時は平和な家庭でね。『目玉焼きの黄身は柔らかくしてって言ったじゃないか!』っていうくらいの(笑)」と回想。「そんな役だったから今回は(若葉が)この役(稔)を演じられるか不安だったんです。だけど撮影の時は、稔になっていたので、ああ数年でずいぶん変わるもんだなと」と感慨深い表情を見せた。

死刑反対の立場から死刑囚の稔と獄中結婚をする星野順子という難役に挑んだ田中は「役の感情の動き方がこれまでに演じてきた役とは違いました。最初は過去の恋愛話のシーンが、一番温度が伝わるかと思ったんですが、実際やってみると、感情を押し殺す順子に慣れてしまって、感情を吐露する時にエンジンのかかりが遅くなってしまって。普段とは違う方法で彼女に近付いて同化していくのは貴重な体験でしたね」と役づくりの過程を語った。

翌日が「父の日」だったこともあり、トークは“父親像”の話題に。暴力的で他者を抑圧する清を演じた三浦は「芸能人として一つ大事な好感度はなくなりましたね(笑)。これから優しいお医者さんとか、物分かりの良い警察官とかを選んでやっていこうと思います(笑)」と笑わせた。

新井や若葉は「(清みたいな父親は)嫌ですよ! ああいう家庭だと人殺しになっちゃうんでしょ(笑)」と冗談交じりに答えたが、赤堀は「(人殺しになるのは)フィクションだから(笑)。でも潜在的にああいうお父さんが腐るほどいると思うんです。僕自身も、たとえば劇団とかで、劇団員の前で粗暴で傲慢な部分って無自覚に出ちゃってると思うんです。みんな、“自分は違う”って思ってるかもしれないけど、たぶんそれぞれあるものだと思いますよ」と作品を感じ取るヒントになりそうな言葉で応えた。

一方、田中は「息苦しいし、遠くに逃げたいけど、でもなんだかかわいらしくも見えるんですよね。屈折してるけど、どこか信じたいという気持ちが湧いてくる」と少し違う視点で話すと、三浦は「葛城家も娘さんがいたら変わっていたのかもね」と一言。田中もこの言葉に「そうですね〜。女性だったら客観的に見れたり、“お父さんうるさい!”って言えたのかも」と答えるなど、キャスト同士で議論が始まると、赤堀は「映画を見終わった時に、こういう話でもしてくれたらつくり手としてはうれしい」と述べた。

最後に三浦が登壇者を代表して「『ロクヨン』は全国324館、この映画は全国13館。規模は大きく違いますが、これからスクリーンという同じ土俵に上がって、評価されることになります。僕は『ロクヨン』も好きですし、この映画にも愛情は大きくあります。こういう規模の小さい映画を、皆さんのお力でこの映画を発展させていただきたいと思います」とメッセージを送りイベントを締めくくった。

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  • 映画「葛城事件」初日 1 左から赤堀雅秋、田中麗奈、三浦友和、新井浩文、若葉竜也
  • 映画「葛城事件」初日 2 赤堀雅秋
  • 映画「葛城事件」初日 3 三浦友和
  • 映画「葛城事件」初日 4 新井浩文
  • 映画「葛城事件」初日 5 若葉竜也
  • 映画「葛城事件」初日 6 田中麗奈
  • 映画「葛城事件」初日 7
  • 映画「葛城事件」初日 8

インフォメーション


映画「葛城事件」

【スタッフ】監督・原案・脚本=赤堀雅秋
【キャスト】三浦友和/南果歩/新井浩文/若葉竜也/田中麗奈

2016年6月18日(土)新宿バルト9ほかにて全国ロードショー

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